リハビリテーション室
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脳血管疾患のリハビリテーションの目的
脳は非常に複雑な器官です。脳は人間の生命維持、運動や感覚、言葉や判断したり記憶したりすることなどに関わっており、脳卒中などにより、脳にダメージを受けるとその場所によって、様々な問題が生じます。例えば、運動に関係する場所がダメージを受けると手足が動かしづらくなります。また言葉に関係する場所がダメージを受けると、言葉を理解したり話したりすることが困難になります。また口や喉の動きが悪くなり、食事をとる力が落ちてしまう場合もあります。では、このような脳の障がいに対してどのように理学療法、作業療法、言語聴覚療法は行われていくのでしょうか?
早期離床とリハビリテーション
脳卒中ガイドラインでは、なるべく早くからリハビリテーションを行うことが、機能回復や二次的な障がいを防ぐために重要だと言われています。しかも、その訓練量はなるべく多いほうがよいことが示唆されています。近年、脳がどのように働いているのかが、科学の進歩とともに明らかになってきました。脳の神経細胞が訓練や活動量によって「変化」することがわかってきたからです。 しかし、病気になってからすぐに活動や訓練をすると非常に難しいように思われます。そのため医師や看護師を含むさまざまな職種との連携を私達は非常に重要と考えています。なぜなら、病気が悪化しないかどうかを早くから見極めることができれば、より早期から訓練ができるからです。しかも、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士が訓練した内容を、看護師が病棟の生活に活かすことができれば、より活動量を増え、機能が回復し、生活する能力が改善しやすいからです。
理学療法士の役割
理学療法では、早期から基本的な動作ができるように支援しています。具体的には、麻痺のある手足の動きを促したり、電気刺激を行い神経や筋肉が弱らないように配慮したり、装具などを活用して歩行練習などを行ったりします。
作業療法士の役割
作業療法では、生活で行うさまざまな活動を早期から行えるように支援しています。手足の麻痺や高次脳機能障がいによって、生活する能力が低下してしまいます。そのため、より安全に行える方法を練習したり、生活がしやすいように手すりを付けたり、車椅子の調整を行ったりします。また自助具といわれる道具を導入したりします。麻痺のある手を回復するためには、目的のある活動を繰り返す行う方法が推奨されており、難易度にあった作業を行っています。
言語聴覚士の役割
脳の言語領域が障がいされると、言葉がうまく使えなくなる状態になり、これを「失語症」といいます。「話す」「聞く」「読む」「書く」ことが難しくなります。言葉がまったくわからない外国へ放り出されたような状態と言えます。症状を評価し、個々に合わせた訓練プログラムを立案し、コミュニケーション能力の向上をはかります。
また、顔や舌の筋肉を動かすための神経が障がいされると、言葉がひずんだり、うまく発音がしづらくなります。このような状態を「構音障がい」といいます。このような場合には、口腔・顔面の体操をしたり、苦手な音を発音する練習を行います。また脳には注意力や記憶力、判断力のように複雑な情報を処理する能力があり、その機能がうまく働かない状態を高次脳機能障がいといいます。日常生活でも、障がい物に気が付かない、予定をこなせないなどの症状がでることがあり、安全に生活することを邪魔します。言語聴覚療法ではそれらの状態を調べ、訓練をすることも行っています。
脳卒中とこころの問題
また、脳にダメージを受けた後は体だけでなく、こころにも変化を与えます。これは「脳卒中後のうつ;PSD」といいますが、気持ちが落ち込むほうが多いと言われています。また、手足が動きにくい人ほどその傾向にあることが示唆されています。このように気持ちが落ち込むと生活する能力が低下してしまうので、こころの問題にも注意する必要があります。このような問題にはお薬も重要ですが、理学療法士による運動や、作業療法士による趣味活動の援助がガイドラインで推奨されており、これらにも積極的に取り組んでいます。






