放射線技師の業を深める〜それは医療における芸術〜

こんにちは。府中病院の放射線科です。
 
みなさま診療放射線技師について、どのようなイメージをお持ちでしょうか?
 
一度は、レントゲンをとってもらった経験がある方は多いのではないでしょうか。
“息を吸ってーと言う人“ というイメージをお持ちの方もいらっしゃるでしょう。
 
一つ言える事はあまり目立たないけど、診断や治療において大事な立ち位置の職業だということです。
 
私たちが皆さんに関わるのは、画像を撮影する、わずかな時間です。
 
しかし、そのわずかな間のやりとりが、適切な治療の大切な判断材料となることを、私たちは知っています。
 
写真集をとるプロカメラマンも、モデルとのコミュニケーションをおろそかにせず一瞬の笑顔を鮮明に切り取ります。
 
私たち、放射線技師は、通常の写真のように、直接みなさんの「笑顔」を映し出すことはしませんが、
その一瞬を大切にして、よい画像が得られるように、日々精進しています。
その先に、みなさまの「笑顔」が見られれば嬉しく思います。
 
そういう意味では、放射線技師の仕事は、「医療における芸術」と自負しています。
 
と、少々大げさな表現になったかもしれませんが、
 
そのような、誇りと自信、そして笑いにあふれた放射線技師がどのように育っていくのか。
 
私たち、府中病院放射線技師の人財育成の流儀を語らせていただきたいと思います。

「人体」ではなく「ひと」を撮れ!

当院府中病院は地域の中核医療を担っています。
 
人口の増加とともに様々な疾患に遭遇する場面も多く、
私たち、放射線技師もより多くの知識を習得し、医師が求める画像を提供する必要があります。
 
先程も申し上げたように、健康診断で撮影する胸部レントゲンをイメージする人が多いのではないかと思います。
 
最近ではそれだけではなく、
体の輪切り画像・3D画像が得られるCT検査やX線を使用せず磁気を使ったMRI検査が主流で診断などに貢献しています。
 
当院は、
CT2台 フィリップスエレトロニクスジャパンBrillianceCT64
シーメンス・ジャパン株式会社 SOMATOM Definition AS+
 
MRI2台 シーメンス・ジャパン株式会社 MAGNETOMスカイラ
フィリップスエレトロニクスジャパン Achieva3.0T
 
ANGIO2台 シーメンスヘルスケ株式会社 Artis zee biplane
シーメンス・ジャパン株式会社 Artis Zee(Artis zee BA Twin
 
RI1台 GEヘルスケア・ジャパン㈱ Infinia
 
MMG1台 シーメンス・ジャパン株式会社 MAMMOMAT Inspiration
 
TV2台 東芝メディカルsystemズ㈱ KXO-80Z(ZEXIRA DREX/ZX80
㈱日立メディコ EXAVISTA
 
DEXA1台 GEヘルスケア・ジャパン㈱ DPX-BRAVO
 
リニアック1台
 
結石破砕1台 すみれ医療 モデュリス SLX-MX
などの装置を保有し検査を行っています。
 
医療機器の性能も向上し、操作も簡素化され簡単に画像を得ることができます。
しかし、高価なカメラであっても、かならずしもよい写真が取れるとは限りません。
 
それと同じように、我々は装置の特性を把握し
常に、より診断に有用な画像を提供するにはどうすればいいかを考えながら撮影技術をしています。
 
検査を行ううえで大切なのが、患者さんと上手くコミュニケーションをはかることだと考えます。
コミュニケーションをはかることで患者さんもリラックスでき、医師との問診の際、伝えきれなかったこと
 
例えば「診察の時は痛くなかったけれど今は背中の右側が痛い」などその時にしか発信されない情報を得ることができます。
 
私たちが、みなさんひとりひとりと接する時間は、医師や看護師などと比べると非常に短いかもしれません。
 
しかし、どんなに短い時間でも患者さん一人一人と向き合い、気持ちを理解し、
我々が真摯に受け止めることでより良い医療が提供できるのではないかと考えます。
 
きれい事だとか忙しいからとかそんな対応は難しいといった声もあがるかもしれませんが、
よりリラックスして検査を受けてもらおうという前向きな気持ちを忘れず発信し続けることで良い影響が周りのスタッフにも波及すると考えます。
 
このように、「人体」を撮影しているのではなく、おひとりずつ異なるお気持ちを察しながら適切に機器を扱い、最高の画像を撮影する。その先にあるみなさまの「笑顔」も写すつもりで…。
 
それが私たち府中病院、放射線技師の流儀といえます。

放射線技師としての高みを目指して
〜自分の「限界」を超えていこう!〜

放射線室ではOJT制度を導入しています。
 
OJTとは:on the job training”の略称で、実際の職場で実務を通して学ぶ訓練の事です。
 
ベースとなる教育カリキュラムを用いて、技師歴2年目のスタッフが指導を行っていきますが、ただ”新人に仕事を覚えてもらう”ではなく、2年目のスタッフも教えるという形でアウトプットすることで、共に成長していけるスタンスを大切にしています。
 
定期的に1年目・2年目と役職者とでフィードバックの時間を設定することで、適切な指導が行われていることを確認しています。
 
就職1年目(新人)は特に覚えることが多く、心に余裕をもてなく、毎日が想定外の連続かもしれません。
 
ただ、私たちの府中病院放射線室の流儀としては、「想定外は、自分の可能性をひろげるためのチャンスととらえよ」と教えています。
 
たとえ、1年目のスタッフが想定外の場面に遭遇しても、自分の想定外の枠を広げるチャンスだと前向きに捉え、想定外の場面でも臆することなく対応できるよう、先輩技師がサポートすることに尽力しています。
 
本当に困った場合は教育担当者に押し付けることはなく、スタッフ一丸となって解決します。それが当放射線室の強みでもあります。

ときには爆笑も。技術とユーモアの両立、それが私たちの流儀。

冒頭でもお話したように、私たちはみなさんにリラックスして撮影に望んでもらいたいと考えています。
そのため、当放射線室は笑いにあふれる職場です。
 
撮影するわたしたちがが笑顔でなければ、撮影されるみなさんも笑顔になってくれません。
 
とにかく笑いです(笑)
 
小学校時代のクラスで面白かった上位の人間が集まったような部署です。
というのは冗談ですが、他の部署との交流も多く、笑顔の絶えない仕事しやすい環境であるとは思います。
 
前半のお固い話では、現場の雰囲気が伝わらないかもしれません。
 
ここで新人の放射線技師、柴田さんへインタビューを紹介していきたいと思います。
インタビュアーの前田です。よろしくお願いします。
府中を選んだ理由は?
面接前に病院見学に来た際、病院の雰囲気はもちろん、様々なモダリティを学ぶことができることに魅力を感じたため当院を選びました。
入職した時の感想はどうでした?
私は学校を卒業して当院がはじめての就職先であるため、医療人である以前に、社会人になる不安な気持ちがありました。しかし、とても温かく優しい先輩方に迎えていただき、安心して業務に望む事ができています。
3か月を終えて、いまどのようなお気持ちですか?
就職してから、3か月がたち正社員として採用されました。医療人としてだけでなく、一人の社会人として早く一人前になりたいと思うようになりました。
患者対応でのコダワリは?
患者様に接する際には、「間」にこだわっています。「間」とは、距離とタイミングです。「間」にこだわることで、患者様に安心感を持ってもらい、安心して検査を受けていただけるように日々こころがけています。
ボーナスの使いみちは?
冬のボーナスは、ウォーターベットを購入し睡眠の質を向上させ、そしてまた、撮影技術も向上させたいです(笑)。
これからの意気込みを教えてください。
今後はマニュアル通りに撮影することが困難な患者様に対しても必要な画像が得られるように撮影方法を工夫できるように日々勉強していきたいです。
ボーナスの使いみちさえも、撮影技術につなげたいというのがさすがでしたね(笑)柴田さんありがとうございました。
ありがとうございました。

いかがでしたか?

つよいコダワリと、ちょっとしたユーモアも忘れず、その「先」にある皆さんの笑顔あふれる生活をイメージしながら、日々みなさんに接していきたい。
これが、私たち府中病院放射線室の流儀です。
 

そのような仲間と笑顔が、ますます増えていくことを願ってやみません。ではみなさん、府中病院でまたお会いしましょう!