医療情報課のお仕事って?
―それでは、白川さん。本日はよろしくおねがいします。
白川:こうやって改まって聞かれると、少し緊張しますね。。…よろしくおねがいします!
―さっそくなんですが、府中病院の医療情報課ってどんな仕事をしている部署ですか?
白川:はい。受付での窓口対応、外来・入院の診療報酬請求(レセプト請求)、医師事務作業補助(外来セクレタリー、病棟クラーク)を行っています。
―えっと、レセプト…セクレタリー…クラーク?
―事務作業って大変ですものね。
白川:そうです。そのような事務作業の補助を外来診療の場面で行っている人が「外来セクレタリー」です。あ、セクレタリーというのは「秘書」という意味ですね。えっと、具体的には、各科外来窓口での患者さんの対応をさせていただいたり、診察室に医師と一緒に入り、カルテの代行入力や診断書等文書の作成補助をしたり、外来診察や検査の予約をとったり、紹介状を作成するのを手伝ったりしています。
―へ~、そんなにたくさんの事務作業があるんですか。
白川:そうです。もうひとつの「病棟クラーク」というのは、病棟での事務作業を行っている職員のことです。患者さんの面会のときに応対させていただいたり、入院される患者さんの受け入れ準備や、病棟への電話応対などをさせていただいたり、病棟での治療や業務が円滑に進むように様々な事務的サポートを行うのがお仕事です。クラークというのは「事務員」という意味ですね。えっと、このような説明でよろしいでしょうか?
―ありがとうございます。病院の受付だけでなく、外来診療や病棟でもこんなに活躍されているんですね。
白川:そうなんです。
―ありがとうございます。その中で白川さんはどのような仕事をされているんですか?
白川:はい。主に受付業務やレセプト点検です。受付業務は外来患者さんの受付やお会計、案内が業務内容です。
―なるほど。いわば、外来患者さんの「おもてなし」を担当している人の一人というわけですね。
白川:そうですね。すこしでも、ゆきとどいたサービスができるように心がけています。
―ところで、病院もたくさんある中で、なぜ府中病院に就職されたのですか?
白川:親族に医療従事者がいて、昔から医療業界で働くことを勧められていたので医療業界自体には昔から興味がありました。その中でも、長く住んでいて愛着のある和泉府中に有り、小さなころから自分も患者としてお世話になっていた府中病院に就職しました。入職時に初めて開いた患者カルテは自分のカルテです(笑)
―白川さんはまさしく府中病院の申し子と言っても良い方なんですね。当院で生まれ、当院とともに育ち、そして当院に入職し、白川さんの存在自体が「ゆき届いたサービス」や「地域と職員と共に栄えるチーム」という病院理念を体現しているといっても過言ではないですね!
白川:はい、私自身そう思ってます。光栄です。
白川さんは、背筋がしっかり伸びて目がキラキラしていて実直な感じが伝わってくる好青年であった。しかし、覚えることがとても多そうな業務をどのように、身につけていったのだろうか?そのあたりについて、もう少し聞いてみようと思った。
先輩と後輩、なんでも言い合える信頼感。
―医療情報課ってお金の計算や書類の管理など、とてもむずかしいイメージがあるのですがどうやって覚えていったのですか?
白川:あ、はい。それはプリセプターといって、手取り足取り教えてくれるセンパイに指導をうけました。ちょうどあちらにいるお二人です。
―中野さん、村上さんですね。ちょっと一緒にお話をうかがってもいいですか?
―先輩がいると緊張しますよね?
白川:だ、大丈夫です!
―本人たちを前にしてなんですが、白川さんからみて先輩ってどんな人?厳しくない?
白川:お札もろくに数えられなかったような僕を、1年間見放さず指導していただけたので、皆さん優しい方々だと思います。厳しさの面に関しては、厳しいというか責任感の強い人たちという感じですね。
―本当?忖度してない?(笑)
白川:いえいえ。そんなことないです。たくさん助けていただきましたし、何か心配事はないかと声をかけていただくことも多かったので、尊敬や感謝はしていてもマイナスのイメージはないです。
―お二人からどういうところを特に指導してもらったのですか?
白川:接遇です。患者さんとの距離感や表情、声のトーンや話す速さは毎時間のように指導されていました。
―なるほど。白川さんは明るくって、ハキハキ元気な好青年って印象がありますね。これも指導の賜物というわけですね。
白川:そうですか?ありがとうございます。
―では逆にプリセプターである先輩方からみて白川さんはどんな人ですか?
―いや~、評価高いじゃないですか。
白川:いやいや。まだまだご指導いただかないといけないことが多いと痛感しています。
インタビュー中も、先輩と後輩が、本音で話し合えているなというのが肌で感じられた。人は背中を見て育つなどというが、先輩と後輩が信頼しあっているというのが人財育成に大切なのだと強く感じた。しかし、白川さんのように、何にでも挑戦しようとするモチベーションはどこから湧いてくるのだろうか?その秘密についてもっと知りたくなった。
「先輩」から「後輩」へ。入職1年目の通知表。
―白川さんは、仕事をやっていて楽しいなと感じるのはどんなところですか?
白川:目新しい事ばかりで全てが新鮮でした。何もできなかった分、毎日少しずつできることが増えていき、出来るようになったことを先輩たちに認めてもらえることは楽しかったです。
―なるほど。先輩たちに認められることや、すこしずつ出来てくる感覚が大切なのですね。
白川:そうですね。
―そんな中で、この1年で特によくがんばったなと思うところは?
白川:落ち着いた接遇を身につけることです。最初は患者さんとの距離感も何も分からず、気ばかりが焦ってよく指導されていました。その頃にくらべると大分成長したと、自分でも思います。
―そうなのですね。では先輩のお二人から最後に白川さんへ通知表の贈呈と一言…
中野:入職時より表情が柔らかくなり、雰囲気もぐっと変わりました。今では、先輩としての風格も出てきていますね。また、余裕を持って患者さんへの対応ができるようになってよかったと思います!
患者さんの気持ちに寄り添った対応で、みているこちらも嬉しくなりましたね。
他にも、外来の患者さんの「ちょっと料金まけてや~」という冗談にも白川くんは「それは、僕が怒られてしまいます(笑)」と、にこやかに対応していて、こちらも笑顔になってしまいました。
―最後に、白川さんからみて府中病院の医療情報課ってどんな部署?
白川:若手からベテランまで様々な年代の人たちが働いています。結婚して子育てをしながら続けている人も多いですね。世話好きというか親切な人ばかりなので、職員全体として話しかけやすいような柔らかい雰囲気があると思います。人柄の良さから出る柔らかい雰囲気と医療従事者としての仕事に対する責任感の強さが、職場としてバランスのいい空気感をつくっていると思います。また、常勤非常勤問わず、対等な立場で部署の改善点を考えて意見を出し合っているのは珍しいと思います。
―おおっ。すごく的確な部署紹介。すごいですね。
白川:あ、いえいえ。ありがとうございます。
―本日はここまでになります。ありがとうございました。
中野・村上・白川:ありがとうございました。
インタビューを終えて、白川さんの目の輝きや先輩・後輩との信頼感、部署としての相談しやすい雰囲気というのがとてもよく感じられた。人財育成には、「心理的安全性」といって、どんなことも言いあいやすい雰囲気が大切だと言われている。
府中病院医療情報課は、組織の人をそだてる良い文化がある部署だな~とインタビューを通じて強く感じた。