急性期から回復期まで、継続的な看護を提供できる病棟です

西5病棟は、循環器内科病棟です。心筋梗塞、狭心症、心臓カテーテル検査(CAG)や経皮的冠動脈形成術(PCI)、不整脈の治療、肺塞栓症、心不全の治療で入院される患者さんの看護を行っています。心不全の患者さんの多くは生活習慣の見直しが重要です。心不全の原因となる疾患や心不全を起こさないための療養上の注意点について患者さんお一人ひとりに合わせた説明を行っています。心不全は症状変化に気づき、早期受診することで重篤な心不全になることを予防できます。そのために、私たちは専門医をはじめ看護師、管理栄養士、薬剤師、理学療法士、作業療法士、社会福祉士が協働し退院後の生活を見据えたサポートを行っています。また、ハートノート(※1)を用いて患者さんご自身の自己管理能力を高めるための指導も行っています。併設されているICU4床は同じフロアにあり西5病棟と同じスタッフが担当します。重症心不全患者さんの多くはICUでの治療を行ったあと、西5病棟に移動になります。同じスタッフが入院から退院まで継続して看護を提供できる環境にあり、安心して入院生活が送れるよう支援しています。ICUでは、心疾患以外にも、敗血症や周手術後など重症管理を必要とする患者さんも多くあります。患者さんだけではなく、「ご家族にも寄り添えるような看護」を目標としています。
(※1)ハートノートとは、大阪市内を中心に運用が開始されている医療機関共通の患者教育資材です。
患者さんが毎日の体重、脈拍、自覚症状に対して点数(心不全ポイント)をつけ、その合計点により、自分の病状を評価し、基準点を超えれば、早期受診や緊急受診を行うものです。これにより病状の悪化を早期に発見し治療することで、入院を回避できるとのではないかと期待されています。また、患者さんの高齢化に伴い、心不全安定後もリハビリテーションが必要となり、慢性期病院での治療後にかかりつけ医へ戻られるケースも増えてきています。その際、この「ハートノート」は、急性期病院・慢性期病院・かかりつけ医が患者情報を共有する事を可能にし、地域ぐるみで心不全患者を診療していく有用なツールとなります。

ゆきとどいた心不全指導〜多職種からの心不全指導

入院中の心不全患者さんには、看護師が毎日個別に療養上の注意点などの生活指導を実施していますが、週に1回、病棟の患者さんを集め、医師による心不全教室を開催しています。最近、外来患者さん向けに心不全教室も開催するようになりました。(今年度はコロナの影響で外来患者さん向けの心不全教室の開催はできていませんが)入院中の患者さんの心不全教室では同時期に入院されている他の患者さんと情報交換の場となっています。病棟、外来に関わらず心不全教室に参加された患者さんやご家族からは「わかっていたつもりだったけど勉強になりました。」や「毎日同じ時間に体重と血圧を測るようにします。」「夫婦で頑張って塩分制限していきます。」と生活改善を行っていくと意欲的な感想をいただき好評を得ています。

早期自宅退院を目指して、当院の回復期リハビリテーション病棟や地域包括ケア病棟と連携し、急性期治療終了後、継続してリハビリテーションが実施出来るように支援しています。

心不全看護のプロフェッショナルがいる病棟です

当病棟には慢性心不全看護認定看護師が在籍しています。スタッフだけでは聞き取れなかった情報を様々な角度から聴取し、その情報を元にカンファレンスや、いろいろなアドバイスをスタッフにしてくれています。医師からの信頼も厚く、アドバンス・ケア・プランニングを行う際には同席し、患者さんの意志やご家族の思いに寄り添った看護を提供しています。また、心不全看護の専門家として病棟スタッフの指導も行い、当院での心不全看護のエキスパートの育成も担ってくれています。