みなさん、こんにちは。

新年度を機に、本日は改めて地域の皆さまに府中病院 整形外科の担当する病気についてご紹介させていただければと思います。

皆さまご存知の通り、日本は65歳以上の高齢者の方々の占める割合が全人口の21％を超えてきていることが判明し、日本では骨粗鬆症の患者さんが1000万人を超えている状態であり、骨粗鬆症の予防や治療を行うことがとても重要視されてきています。骨粗鬆症の予防や治療を行わないと、将来的に椅子くらいの軽微な高さから転倒しただけで脊椎や骨盤や大腿骨などの大きな骨の骨折を起こすことが言われており、ひとたび大きな骨の骨折を起こせば家事や趣味など自分で出来ていたことが出来なくなってしまうこともあります。そのため長く元気で健康に過ごすために骨粗鬆症の予防・治療が大切となってきており、当院では高齢者の方々には積極的に骨密度などの検査を行い、骨粗鬆症の早期発見や早期治療（①食事療法②運動療法③薬物治療など）を行っております。脊椎や大腿骨の骨折を起こした場合には強い痛みなどにおそわれ、日常生活動作が著しく制限されることがよくあります。そのような患者さんには積極的に手術を行い、リハビリを行うことによって早期の社会復帰や自宅復帰などを目指しております。

また、上記以外にも骨折などの外傷性疾患だけに限らず、整形外科的な慢性疾患にも幅広く対応しており、特に以下の慢性疾患を中心に対応しております。

① 変形性関節症

人体には多数の関節が存在しており、特に膝や肩の関節はよく日常生活でも使うために徐々に関節軟骨が摩耗変性していくことになり、関節痛を訴えて受診される方が多いです。なかでも膝の変形性関節症は加齢とともに最もよくみられる関節疾患であり、抗炎症剤（ステロイド）や軟骨の滑りをよくする注射（ヒアルロン酸系関節注射薬）などで治療します。それでも痛みが改善しない場合は、人工関節に置換する手術を行います

② 脊椎疾患

脊椎疾患は手や腕の痛み・腰痛・足のしびれや痛み・手の動きが悪い・歩く時に足が出にくい、など様々な症状が現れます。当院では頚椎・腰椎疾患に幅広く対応しており、薬物治療の他に手術療法も行っております。

また、手術を行う際には顕微鏡下に行うことが多く、患者さんにとって身体的負担が少ない方法で行っております。

③ 骨軟部腫瘍（良性・悪性）

整形外科領域の中でも特殊な領域である四肢の骨軟部腫瘍にも対応しております。骨・軟部組織（筋肉・脂肪など）に発生する腫瘍はほとんどが良性であることが多いですが、中には骨や筋肉などにできる“がん”もあるために抗がん剤治療と手術､放射線治療が必要になることもあります（良性：悪性＝100:1）

当科で治療を受ける機会がありましたら何卒よろしくお願いいたします。