「いっちょまえ」薬剤師への3つのステップ

こんにちは!府中病院薬剤部、2年目です!

「はやく一人前の薬剤師になりたいなぁ…」
「患者さんにわかりやすく薬のことを説明できるかな…?」
「病棟の仕事って想像つかないなぁ…」
「先輩方と仲良くできるかなぁ…?」

そんな色々な悩みをもって日々頑張っている新人さんのために
当院の薬剤部では、
「新人」薬剤師さんが、いち早く「いっちょまえ(一人前)」薬剤師になるための3つのステップ

①休日出勤ができる
②病棟業務ができる
③ON/OFFの切り替えができる

を準備しています。

どのようにして「新人」薬剤師が3つの「いっちょまえ」ステップをクリアし「いっちょまえ」薬剤師になっていくのでしょうか…?
この記事では、府中病院薬剤部の人財育成法と、その様子を詳しく説明していきます。

ぜひ、最後までお付き合いください。

ステップ① ROAD TO 休日出勤

当院の薬剤部では、就職して一年目の新人さんは、
夏から秋にかけて「ひとりで」休日出勤を行えるようになります。

「1年目で、そんなことできるの?」
「調剤ミスがあったら怖いよ。」
「新人ひとりで、薬の質問に答えられるの?」

当然、一人で勤務をするので、私も最初は不安でした。
でも、この休日出勤を乗り越えるのが「いっちょまえ」になる最初のステップです。

では、なぜ新人さんが休日出勤を無事に乗り越えられるのでしょうか?
その秘密は、府中病院薬剤部「独自」の教育体制とツールにあります。

まず、プリセプターという教育係の先輩がつきそう教育システムがあります。

4月からの短い期間に、覚えなければならない仕事は数多くありますが、
当院ではその短期間を強化月間とし薬剤部一丸となって指導します。
優しく、丁寧に。時には厳しく(笑)。
マニュアルや体験談をもとに先輩薬剤師が指導してくれます。

その中でも特にプリセプターという教育係の先輩とは勤務中の多くの時間をともにします。

私が1年目だったころ、プリセプターにはとてもお世話になりました。
なかなか仕事が覚えられなかったときに、何回も相談に乗っていただいたのを覚えています。

次に独自の医薬品情報(DI)ツールがあります。
このツールはいわば薬剤師のための虎の巻です。

現在、日本の医療用医薬品は、なんと1万品以上もあります!
それら全ての薬の特徴を覚えるのはベテラン薬剤師でも、もはや不可能です。

ですので、当院薬剤部では独自に下記のような医薬品のデータベースを作成しています。
・製薬会社への問い合わせ
・文献など添付文章には掲載されていない情報
・よくある医師からの質問

さらに医薬品情報(DI)室には、参考書も常備しており様々な質問に対応できるように環境を整えているのです。
これらの、データベースや参考書をみることで1年目でも、正しく薬の問い合わせに対応できるのです。
さらに、調剤ミスを減らす対策も行っています。

薬剤師による調剤ミスは最悪の場合、患者さんの命にも関わります。
そのため、部署内でリスクカンファレンスを行い、インシデントの周知や予防策についても検討し
1人1人が調剤ミスを起こさないように努めています。

1年目からリスクカンファレンスに参加し、日常業務で自分が起こしたインシデントはその都度
原因を振り返り、対策を考える環境が整っています。

実際に、このようなシステムに支えられ、私も一年目から休日出勤を乗り越え、今があります!

ただ、休日1人出勤の話をしてきましたが、決して1人で仕事しているわけではありません。
薬剤部は病院の一部門であり、病院には薬剤師以外にも、医師、看護師など多くの職種の方が休日も働いています。

ステップ② ☆ドキドキはじめての病棟業務☆

2つめのステップは、病棟業務です。
当院では、1年目の新人も病棟業務に関わることが出来ています。

薬剤部の部屋から離れて、初めての病棟業務の前日は、とてもドキドキしたことを覚えています。
しかし、実際に業務を行い始めると始めると、いろいろ教えてくれる医師がいたり、看護師と一緒に病棟で行う業務が多くその時に仲良くなります。特に同期の看護師の存在は心強いです。

だんだん楽しくなってくるので安心してくださいね☆

では、2つめの病棟業務のステップを乗り切るために、どのようなサポート体制があるのでしょう?

病棟業務は、1病棟2~3人の薬剤師が配置されます。

最初の数回は、先輩薬剤師と一緒に病棟で業務をしながら、やり方を覚えていきます。

新人薬剤師が、病棟業務で最初に難しいと感じるのは、やはりDI業務でしょう。

DI業務とは、看護師や医師に薬剤の安定性や投与方法などを情報提供することです。
相談される内容は非常に難しいので毎回、頭を悩ませますが、PHSを常に持ち歩いているので先輩薬剤師にすぐに相談できる環境が整っています。

とはいっても、病棟業務を行うようになって、丸2年の私でも、実は、病棟業務の日の朝はドキドキしてしまいます。

でも、それ以上に、パートナー(患者さん)と直接会話をし、薬についての不安や疑問点を解消できたり、医師、看護師からの質問にうまく答えられたときの達成感や充実感は、それを上回ってしまいます。

まだまだ、先輩薬剤師に頼りっぱなしなのですけどね☆

このように、病棟業務は新人薬剤師にとってドキドキの場かもしれません。
しかし、とっても勉強になることばかりで、「いっちょまえ」薬剤師のための重要なステップなんですよ!

ステップ③ いっちょまえ薬剤師のONとOFFの切り替え方の極意

最後のステップは、ON OFFの切り替えです。

業務と直接関係なさそう?
そう思われた方もいらっしゃるかもしれません。

実は、密度の濃い病院薬剤師の業務において、休日の使い方は心身共にリフレッシュするためには重要になってきます。

仕事の時は厳しく指導してくれる先輩方もOFFは切り替えて趣味の時間を設けています。

ここでは私の例を元にその極意について紹介していきます。
私の場合、趣味はマラソンです。
毎年春になると今年は出場するかどうか
薬剤部科長や先輩後輩も誘って頭を悩ませます。

自分で言うのもなんですが、当院の薬剤部は仲が良いです。

科長も先輩も気さくな方で、大会出場を決めると17時15分に仕事を終わらせて一緒にジムや長居公園へ練習に行きます。

走った後、もっぱらラーメン屋に行くことが多いです。
初めてのフルマラソンは京都の福知山マラソンで大会が用意してくれた新大阪からの始発のバスに乗って
バスの中で支給される朝ご飯を食べながら会場へ向かいました。

大会後は福知山で1泊して温泉で身体の疲れを癒し、翌日は筋肉痛を抱えながら出勤!!

職場で大会の思い出話と筋肉痛を訴えながら調剤しました。

こういう話を大学時代の友達に話すと
「職場の人と休みの日にも会うの?信じられない!」と驚かれることが多いです。
その言葉を聞くたびにうちの薬剤部は仲が良いんだなと感じます。

こんなふうに書くと「府中病院の薬剤部はスポーツ好きな人じゃないと馴染めないかもしれないな」と思われるかもしれませんが、そんな人ばかりではないのでご安心ください!!

皆それぞれ自分の時間や家庭の時間も大切にしようと、薬剤部全体が前向きに努力しています。仕事に目一杯打ちこむためには仕事以外の時間を充実化させることも大切です。

いかがだったでしょうか?
このようにして、当院薬剤部の新人薬剤師は3つのステップを無事乗り越えて、「いっちょまえ」薬剤師となっていきます。

当然、自己研鑽はずっと続きますが、一人で自信をもって業務をこなせ、困ったときは独自のツールや、頼りになる先輩に相談できるのは、ありがたい環境だと思っています。

また、休日出勤や病棟業務を行う3つのステップをこなす「前」にも、「ステップアップシート」という1年目薬剤師と先輩薬剤師の間で行う交換日記のようなもので、相談できる仕組みなど、ここでは紹介しきれない工夫を凝らしています。

薬剤部HPにも詳しく掲載していますので、ぜひそちらも御覧ください♪

就活生の皆さん、ぜひ府中病院薬剤部で私たちと一緒に働いて社会人として充実した時間を過ごしませんか!!