泌尿器科では前立腺がん、膀胱がん、腎がんに対するロボット支援手術をはじめとする悪性疾患の治療はもちろん、前立腺肥大症、過活動膀胱、尿路結石などの良性疾患の治療も行っております。特に前立腺肥大症については外来診療の大部分を占めております。前立腺肥大症とは中高年の男性にみられる進行性の疾患であり、加齢や生活習慣との関連も指摘されております。全ての方が治療を必要とする症状があるわけではありませんが、夜間の頻尿、残尿感、尿の勢いの低下などの症状があれば治療が必要かもしれません。症状が重い方であれば尿閉という、全く尿が出ない状態になることもあります。
治療法としては薬物療法と手術療法に分かれます。薬物療法としては、α1遮断薬を始めとして、PDE5阻害薬、5α還元酵素阻害薬、漢方など多くあり、症状に応じて組み合わせることもあります。尿閉を繰り返すような薬物療法の効果が乏しい方や、長期の内服を希望されない方などには積極的に手術療法を勧めております。当院では主に経尿道的前立腺切除術(TUR-P)を行っておりますが、前立腺が巨大な場合などは前立腺被膜下摘出術という手術も行っております。経尿道的前立腺切除術(TUR-P)は、内視鏡を外尿道口という尿の出口から挿入し、腫大した前立腺を内側から切除する方法です。以前は水中毒といった合併症のリスクがありましたが、器械の改良に伴い現在は比較的安全に手術する事が可能となっております。
基本的に前立腺肥大症は進行性であるため、何か排尿でお困りのことがあれば早めの受診をお勧めいたします。
真にONE TEAMの泌尿器科診療チームを目指して
当科では本日ご紹介した前立腺肥大症はもちろん、悪性腫瘍なども含め、地域から多くの泌尿器疾患の患者さんが来院され、泌尿器科医としての研鑽を積める充実した環境が整っています。
そのため当科は大所帯の泌尿器科として他院から勉強に来られる先生も多く、当院での豊富な臨床経験を積まれて専門医として成長されておられます。
当科は「ONE TEAMの泌尿器科診療」を合言葉に、一人の患者さんを所属医師全員が当事者意識を持って診療にあたる体制づくりに邁進しております。これからも当科ではスタッフ一丸は当然として、患者さんご本人、そのご家族、そして紹介元のかかりつけ医の先生方も治療チームの一員として、皆様の力をお借りして最善の泌尿器科診療を目指して参ります。
地域の患者のみなさま、いつもお世話になっている紹介元の先生方、今後も府中病院泌尿器科をどうぞよろしくお願いいたします。