府中病院の循環器内科では2017年から「カテーテルアブレーション治療」を行っています。

聞いたことがある方も多いと思いますが、カテーテルアブレーション治療とは、不整脈の治療です。近年、多く施行されるようになってきています。

どのような不整脈が、この治療の適応になるかと言うと…。

脈の速い不整脈(頻脈性不整脈)で、特に心房細動に対して当院では多く実施しています。

心房細動患者さんは、不整脈患者さんの中で最も多く、日本で100万人を超えると考えられています。

心房細動とは

心臓は左右の心房、心室の4つの部屋に分かれています。

心臓が正常の方は洞結節から正常の電気の流れで、心房、心室が規則正しく収縮・拡張を繰り返していますが、心房細動になると心房から異常の電気が流れ、脈が不整になります。

心拍数は正常では80回/分までです。しかし、頻脈になると100回/分を超え、動悸症状や脈の不整を自覚し違和感があるため病院を受診されるようになります。中には自覚症状がなく、健診などの心電図で心房細動を指摘され受診される方もいらっしゃいます。

心房細動の問題点は大きく分けて2つあります

1つ目は、心房細動になると心房の中が震えている状態になり、血液がよどむ状態になります。こうなりると血液の中で血栓ができやすくなります。血栓ができてしまうと脳梗塞などの、塞栓症の危険度が上がり年齢や持病などによりますが、血栓を作りにくくする薬の内服が必要になってきます。

2つ目は、脈拍が不整になると心臓から1回に送り出す血液量が低下してしまいます。低下すると心不全を起こし、息が苦しくなり、入院などが必要になります。

引用:「不整脈ドットコム」WEBサイトから

治療方法

治療方法には心房細動とうまく付き合っていく方法と心房細動の脈をコントロールする方法(レートコントロール)、心房細動そのものを取り除く治療(リズムコントロール)があります。

リズムコントロール治療として薬物治療とカテーテルアブレーション治療がありますが、その中でもカテーテルアブレーション治療が多くなってきています。

カテーテルアブレーションでは、足の付け根の静脈からカテーテルを挿入して心房細動の原因である、電気の流れができる部位(肺静脈の入口付近)を焼却する治療を行います。

引用:「不整脈ドットコム」WEBサイトから

当院での受診方法

心房細動と診断されれば、かかりつけの先生に紹介状を作成していただき、府中病院の地域医療連携室を通して循環器内科をご予約ください。先ず、診察させていただき、検査を行います。そして、カテーテルアブレーション治療対象の患者さんへ治療方法を詳しく説明させていただきます。

その後内服調整を行い、入院していただく流れになります。

入院治療期間は3泊4日を予定しています。

田口 晴之
田口 晴之Haruyuki Taguchi
副院長
循環器内科/部長
医師研修センター専門研修室長