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臨床検査室のご紹介

迅速・正確・精度を重視。親切丁寧な臨床検査室
各診療科から依頼される血液検査や超音波検査などを検査のスペシャリストとして質の高い検査を実施しています。

臨床検査室には血液や尿などの検体を扱う検体検査部門と患者さんを直接検査する生理検査部門に分かれています。

生理検査について

心電図検査
「安静時心電図検査」

主に不整脈や心筋梗塞などの診断に役立ちます。

  1. 胸と手足に電極を付けますので、上半身と靴下を脱いでいただきます。
  2. ベッドに仰向けに休んでいただきます。
  3. 手・足・胸に電極をつけ、記録を行います。
  • 検査の所要時間は3分程度です。
「ホルター心電図」

不整脈の診断、治療効果判定等に有効です。

  1. 胸に心電図記録用のシール電極を貼ります。
  2. 携帯用心電計を腰に装着します。
  3. 機械装着が終わったら、そのままお帰りいただきます。装着中の行動や自覚症状などを記録していただきます。
  4. 翌日、装着した時刻までに機械をはずしに来ていただきます。
    ※装着中は電気毛布の使用はできません。
  • 検査の所要時間は10~15分程度です。

(ホルター心電図解析装置)

(ホルター心電図)

トレッドミル検査

心電図と血圧を測定しながら、ベルトコンベアの上を歩いていただきます。運動時の心電図変化を調べる検査です。

  • 検査の所要時間は30分程度です。
呼吸機能検査
肺活量を測定したり、肺の機能を調べる検査です。主に呼吸器系疾患の診断のために行います。また、手術前などに肺の状態をチェックするために行われます。
鼻から息がもれないようにクリップでつまみます。
マウスピースをしっかりくわえ、指示通りに思いきり息を吸ったり吐いたり、勢いよく吐いたりします。
  • 検査の所要時間は10分程度です。
血管疾患検査
「ABI検査」

動脈硬化の程度を知ることや血管のしなやかさを評価する検査です。

  1. ベッドで仰向けに休んでいただきます。
  2. 両腕と両足首に、血圧計のカフ、心電図の電極、心音マイクを付けます。
  3. 腕と足の血圧を測定し、その結果を数値化します。
  • 検査の所要時間は10分程度です。
「血管内皮機能検査」
最近、生活習慣病などからおこる血管の内皮機能障害が、動脈硬化や心疾患・脳疾患の重要なリスク要因になっていると言われています。
血管内皮機能検査はそれらの早期発見・早期治療のスクリーニングに有用と報告されています。
検査は両腕に血圧計、両手人差し指に測定機器を付け血圧や脈波をリラックスした状態で測定します。

・検査の所要時間は30分程度です。

(注意事項)※検査値に影響が出る可能性があります。

  • 検査当日(検査前)は喫煙・入浴やジョギング等の運動は避けてください。
  • 検査3時間前から食事は摂らないでください。
  • 脱水状態にならないように適度に水分を摂取して下さい。
  • 検査前のカフェイン摂取は検査データに影響を与える可能性があります。
  • 服薬しているお薬については飲んでもよいか主治医に確認してください。
「皮膚再灌流圧測定検査(SRPP)」
近年、動脈硬化疾患の増加に伴い、足の血管が狭くなっている方が増えています。SRPPは皮膚表面から3~4mmにある毛細血管や細動脈レベルの血流の程度を評価することができます。
下肢血管のカテーテル治療やバイパス手術、整形外科や形成外科手術の術前、術後評価に有用と言われています。
  • 検査の所要時間は20分程度です。
脳神経検査
「末梢神経伝導速度(MCV)」
四肢のしびれや脱力があり、末梢神経障害が疑われる場合に行われます。微弱な電流を用いて、神経に異常がないかを調べます。
検査部位(手もしくは足)に電極を貼り、微弱な電気を流し神経を刺激し、神経の伝わる速度を測定します。
  • 検査の所要時間は30分程度です。
脳波
脳の神経の働きをみる検査です。てんかん、脳器質的疾患、意識障害、睡眠障害などの診断の補助となります。
頭部に電極を装着します。
ベッドにお休みいただき検査を行います。
検査中、過呼吸や光刺激を行います。
  • 検査の所要時間は40分程度です。

(注意事項)

  • 検査前日は頭髪をできるだけきれいに洗ってください。
  • 検査中、自然に眠りにつくのが望ましいので、前夜は過眠にならないようにしてください。

(注意事項)

  • 検査前日は頭髪をできるだけきれいに洗ってください。
  • 検査中、自然に眠りにつくのが望ましいので、前夜は過眠にならないようにしてください。
超音波
「腹部エコー」

超音波にて、腹部の臓器(肝・胆・膵・腎・脾等)を調べます。

  • 検査の所要時間は10分程度です。

(注意事項)

  • 午前中に検査を受ける方は前日午後9時以降は絶食です。
  • 午後から検査を受ける方は当日午前9時以降は絶食です。

(注意事項)

  • 検査前日は頭髪をできるだけきれいに洗ってください。
  • 検査中、自然に眠りにつくのが望ましいので、前夜は過眠にならないようにしてください。
「乳腺エコー」

超音波にて、乳房を調べます。

  • 検査の所要時間は10分程度です。
「運動負荷心エコー」

運動負荷心エコー検査は、寝ころんだ状態で自転車をこぐ運動をしていただきます。運動中は心電図と血圧を随時測定し、心エコーにより運動時の心臓の動きや血液の流れを調べます。

「血管エコー」

超音波にて、頚動脈・下肢動静脈・上肢動脈を調べます。動脈では動脈硬化によるプラークの状態を調べ、静脈では血栓の有無等を調べます。

尿素呼気試験
  • ピロリ菌の有無を調べる検査です。
  • 検査の所要時間は30分程度です。
  • 正しい検査結果を出すために以下のお願いをご確認ください。
  • 検査の4時間前から絶飲食でお願いします。
  • 牛乳やヨーグルトなどの乳製品は、当日の食事に加えないでください。
  • 胃透視当日は、検査の予約はできません。
  • 検査当日飲めないお薬をご確認ください。
  • 胃・十二指腸粘膜保護剤(マグテクトU液、アルサミン液、アルドイドG液等)
  • 予約日より検査日まで、飲めないお薬をご確認ください。
  • プロトン・ポンプ阻害剤(胃酸分泌抑制剤)・抗菌薬

※詳しくは医師・薬剤師にお聞きください。

検体検査について

採血を受けられる方へ
当院では採血を安全に間違いなく行うために以下のことを確認させていただいております。
  • ご本人さま確認
    採血取り間違い防止のため、ご自身の氏名、お誕生日を確認させていただいております。
下記に該当する患者さんは採血スタッフにお申し出ください。
  • 採血時にご気分の悪くなられる方
  • 消毒液(アルコール)や手袋(ラテックス)にアレルギーをお持ちの方
  • 血液透析中の方
  • 乳房切除術を受けられた方
  • その他採血に関してご希望・ご不安な点のある方

※採血時の疑問やご不明な点は遠慮なくスタッフにお聞きください。

生化学免疫検査
  • 肝機能・腎機能・糖代謝機能などの検査のほか、感染症や内分泌検査を行っています。
  • 一日に300件程度の検査を行い、その8割程度が至急検査です。外来からの依頼は診察前検査として30分程度で報告しています。
  • 平成25年度、大型分析装置2台と糖代謝検査2台を更新しより迅速な結果報告を実践しています。

検査装置を更新し、検査に2本必要であった採血管を1本に減らしました。採血時の患者さんの負担軽減に努めています。

糖代謝検査

血糖ならびにグリコヘモグロビンを測定する検査装置です。血糖は採血した時点の血糖の値を示し、グリコヘモグロビンは過去1~2か月の血糖の状態が分かります。

血液ガス分析装置

血液中の酸素や二酸化炭素の濃度、PHなどを調べる検査装置です。

血液検査
  • 血液中の血球数を調べ貧血の程度や種類、また炎症の有無や出血を止める働きなどを調べています。顕微鏡による白血球分類や形態観察も行っています。
  • 当院には血液疾患センターがあり、骨髄検査が1カ月あたり約40~50件行われており、年々増加しています。骨髄像の鏡検では血液内科のDrと共に形態などについてカンファレンスを行い、チーム医療に貢献しています。
  • 他に血液の凝固・線溶系に関する検査も行っています。近年、血栓塞栓症などの病気の増加に伴い、検査依頼も増加しています。
全自動血球分析装置

白血球数・赤血球数・血小板数の計測および白血球分類を行っています。

全自動凝固測定装置

凝固・線溶系の測定装置では、抗凝固薬療法(ワーファリン)などの指標となるPTや、血栓症を起こす病気の診断またはその重症度を調べるFDP、Dダイマーなどの項目を測定しています。

顕微鏡による血液像鏡検

医師による鏡検依頼があった場合や検査装置で分類できなかった白血球は顕微鏡により分類しています。

単球

好酸球

好塩基球

好中球

リンパ球

骨髄像鏡検

慢性骨髄性白血病(CML)の骨髄像

(各種細胞を多数認めます)

急性骨髄性白血病(M1)の骨髄像

(白血病細胞を多数認めます)

一般検査
  • 尿の蛋白・潜血などを検査し、顕微鏡で尿中の白血球・赤血球などを調べています。また、インフルエンザや肺炎球菌などの各種迅速検査を行っています。
  • 大腸がんの早期発見のために便中の潜血反応も実施しています。
尿定性検査

試験紙により尿中の蛋白、潜血、PH、ケトン体などを調べます。

尿沈渣

尿を遠心分離し沈殿する赤血球・白血球・上皮細胞などを顕微鏡で調べる検査です。腎臓や尿路系の病気の診断に重要です。

尿中の白血球と細菌

便潜血装置
当院は免疫学的潜血反応を用いて検査を行っています。赤血球中に含まれるヘモグロビンに対する抗体を使用し、便中に赤血球があると反応し陽性となります。
検査に食事制限はありません。
大腸がんのスクリーニング検査として広く用いられており、連続2日検査すれば、進行がんでは90%、早期がんでは50%が発見できるという報告があります。
迅速検査

インフルエンザ・アデノウィルス・肺炎球菌・レジオネラ・妊娠反応等の迅速検査を実施し、早期治療に貢献しています。

輸血検査
  • 輸血に伴う検査には、交差適合試験と不規則性抗体検査があります。
  • 不規則性抗体検査はABO式血液型以外の血液型に対する抗体が無いかを調べる検査です。
  • 府中病院では輸血に関する安全性を高めるために平成25年2月全自動輸血検査装置を導入しました。
交差適合試験
交差適合試験は、重大な事故や副作用を防ぎ、安全に輸血を行うための重要な検査です。
輸血しようとする血液製剤と患者様の血液を試験管内で混ぜ、血液が固まったり、赤血球が壊れたりしないかを観察します。

全自動輸血検査装置を導入し、血液型および不規則抗体スクリーニングを検査しています。装置の導入により、検査の迅速化がはかれ、24時間同一レベルの精度で検査ができるようになりました。

輸血管理
当院は輸血総合管理システムを導入し、血液製剤の出入庫を含めた使用状況の管理、輸血関連検査に関する管理を行っています。認定輸血検査技師2名を中心に輸血用血液製剤の一元管理を行い、血液製剤の適正使用に努め輸血管理料Ⅰを取得しています。
※輸血管理料Ⅰとは輸血療法の安全かつ適正な施行を促す目的で、医療機関に於ける輸血管理体制の構築とその適正かつ効果的な運用に対する診療報酬です。
血液製剤の有効利用

赤血球製剤使用予定患者さまの血液データを臨床検査技師がチェックし、臨床検査室より主治医へ製剤使用の有無について確認の連絡を行っています。その結果、血液製剤の有効利用(廃棄率低下)に繋がりました。

細菌検査
  • 感染症にかかると発熱やはれ痛み、膿や痰などの分泌物が出る、などの自覚症状が起こります。
  • 細菌による感染を受けた臓器の分泌物や血液などから、病気の原因となっている細菌を検出します。
  • 検出された細菌に対して、どんな薬剤(抗菌薬)が効くかを調べることで、効果のある薬剤を選択することができます。
細菌検査の手順
  • 塗抹検査
    検査材料をスライドグラスに塗り、染色(グラム染色)して顕微鏡(通常1000倍)で細菌の染色性と形態を観察します。
  • 培養(分離培養)
    検査材料の・種類や目的菌により、培地と培養条件を選択して培養(通常35~37℃フラン器で約18~48時間)します。
  • 同定・薬剤感受性検査
    培養にて発育した細菌の形態・性状等を詳しく調べ最終的な特定(同定検査)をし、その細菌に対してどんな薬剤(抗菌薬)が効くかを調べます(薬剤感受性検査)。
細菌検査のその他の活動
  • 薬剤耐性菌検出報告
    感染対策に重要な細菌が検出された場合や対象菌の検出状況などを各病棟に報告しています。
  • 血液培養報告
    血液培養陽性時に24時間対応でグラム染色を実施し、結果を報告しています。
  • ICTラウンドへの参加
    週一回のICTラウンドに参加し、チーム医療に取り組んでいます。
病理検査
  • 病気の診断を行うために、患者さんから採取した臓器・組織・細胞などを詳しく調べること。
  • 内視鏡や手術で取り出した臓器や組織を調べる病理組織検査。
  • 尿・喀痰に含まれる細胞や粘膜・病変部から採取した細胞を顕微鏡で観察し、悪性細胞の有無を検査する細胞診検査があります。
  • 病理診断、細胞診診断は病理医が行い、検査技師は標本の作製、細胞診のスクリーニングを担当します。
病理検査の手順
  • 固定 : ホルマリンに組織を浸し、組織の保持と硬化(タンパク凝固)を行います。
  • 切り出し : 検体を観察し、病変部を適切な大きさに切り分けます。
  • 包埋(ほうまい) : 自動包埋装置(標本作製の機械)に1日かけパラフィン(ろう)を組織に浸透させ、型枠にはめ固めます。
  • 薄切(はくせつ) : 顕微鏡で診断するため、ミクロトームで3ミクロン程度に薄く切り、切った切片をスライドガラスに貼り付けます。
  • 染色 : ヘマトキシリン・エオジン染色で作成した標本を染色します。
切り出し

大腸ファイバー・胃カメラなどの検体

包埋
薄切

ミトロトームによる薄切

標本作製

薄切された切片をスライドガラスへ貼り付け

全自動染色装置

薄染色済みの標本

標本の質向上のため、乳腺穿刺細胞診や胆管、膵管擦過細胞診、EUS-FNA等の検査時には細胞検査士が現場に出向き検体処理を行い、不適切標本の減少に努めています。

スタッフ紹介

スタッフ数:全43名(臨床検査技師38名・放射線技師1名・事務員4名) 2023年4月現在

発行団体名資格名取得人数
認定輸血検査技師制度協議会認定輸血検査技師1
細胞治療認定管理師制度協議会細胞治療認定管理師1
日本細胞学会細胞検査士4
国際細胞検査士1
日本超音波医学会超音波検査士8
認定臨床微生物検査技師制度協議会認定臨床微生物検査技師2
感染制御認定臨床微生物検査技師制度協議会感染制御認定臨床微生物検査技師(ICMT)2
日本臨床衛生検査技師会認定一般検査技師1
日本血液検査学会認定血液検査技師2
日本臨床衛生検査技師会医療安全管理者4
日本臨床衛生検査技師会・日本救急医学会認定救急検査技師2
日本静脈経腸栄養学会NST専門療法士2
日本臨床検査自動化学会POCTコーディネーター3
日本臨床検査同学院二級検査士10
緊急検査士6
中央労働災害防止協会特定化学物質・四アルキル鉛等作業主任者2
日本不整脈心電図学会JHRS認定心電図専門士1

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