年齢階級別退院患者数
年齢区分 | 0~ | 10~ | 20~ | 30~ | 40~ | 50~ | 60~ | 70~ | 80~ | 90~ |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
患者数 | 92 | 77 | 266 | 499 | 604 | 732 | 1568 | 2359 | 1756 | 408 |
平成29年度退院患者さんの人数を 10歳刻みの年齢階級別に集計しています。年齢は入院時の満年齢です。 当院の入院患者さんは、60歳以上の占める割合が全体の72.8%、うち80歳以上が25.9%と、ご高齢の患者さんが多くを占めています。40歳代以下は18.4%です。年代別の主な疾患は、40歳代以下では年間1,000件以上の分娩を取り扱っていることもあり産科関連疾患が多く、60歳代以上では胆管結石や胆管炎、胃の悪性腫瘍、狭心症などの虚血性心疾患が多く、70歳代以上では心不全・肺炎・誤嚥性肺炎・大腿骨近位骨折・脳卒中(脳梗塞や脳出血)などが多いです。
診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
外科センター
DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均在院日数(自院) | 平均在院日数(全国) | 転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
060330xx02xxxx | 胆のう結石に対する腹腔鏡下手術 | 70 | 5.56 | 6.64 | 0 | 65.43 | |
060020xx02x0xx | 胃がんに対する手術 | 41 | 13.39 | 17.27 | 0 | 68.46 | |
060035xx01000x | 結腸がんに対する手術 | 38 | 14.61 | 15.61 | 2.63 | 73.42 | |
060210xx99000x | イレウスに対する治療 | 38 | 9.55 | 8.98 | 0 | 66.55 | |
060335xx02000x | 胆嚢炎に対する腹腔鏡下手術 | 36 | 8.5 | 7.4 | 0 | 58.03 |
1番目に多い胆のう結石の手術は腹腔鏡下にて行っており、平均在院日数も全国より1.1日短い5.6日での退院となっています。いずれの腹腔鏡下手術は、全例内視鏡外科学会が認定する内視鏡技術認定医が執刀または指導のもと安全な手術を行っています。2番目に症例件数の多い胃がんは、現在低侵襲である腹腔鏡下手術やロボット支援下手術でも行い、全国の平均より3.9日少ない在院日数となっています。3番目に症例件数が多い結腸がんは、初発大腸がんの約90%に腹腔鏡下手術を施行し、進行・再発大腸がんは、手術療法・化学療法・放射線療法を組み合わせて治癒を目指す集学的治療を行っています。平均在院日数は全国平均より1.0日短い日数となっています。
整形外科
DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均在院日数(自院) | 平均在院日数(全国) | 転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
160800xx01xxxx | 大腿骨近位骨折に対する手術 | 90 | 28.51 | 27.09 | 24.44 | 81.02 | |
160760xx97xx0x | 前腕骨折に対する手術 | 27 | 4.48 | 5.21 | 3.7 | 58.22 | |
070230xx01xxxx | 膝関節症に対する手術 | 23 | 26.17 | 25.09 | 8.7 | 75.65 | |
160690xx99xx0x | 胸腰椎圧迫骨折に対する保存的治療 | 16 | 18.88 | 19.94 | 18.75 | 78.81 | |
160760xx97xx1x | 前腕骨折に対する手術(骨粗鬆症あり) | 12 | 5.67 | 9.82 | 0 | 74.33 |
前年度同様に当院は地域から選ばれる救急病院としての役割を果たすべく邁進しております。そのため、整形外科も泉州地域、特に和泉市における転倒した高齢者などの搬送及び外来受診が主体となっています。それゆえ診断群としては、骨粗鬆症に伴う大腿骨近位部骨折が最も多く、次いで前腕骨折や脊椎圧迫骨折の対応件数が上位となっています。変形性関節症に対する手術も増加してきており、特に膝の関節痛を訴えて受診される方が多いです。
脳外科・脳卒中センター
DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均在院日数(自院) | 平均在院日数(全国) | 転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
010060x2990201 | 脳梗塞に対するリハビリ治療 | 45 | 16.64 | 16.51 | 11.11 | 76.44 | |
160100xx97x00x | 頭部外傷に対する手術 | 32 | 11.13 | 9.68 | 6.25 | 77.38 | |
010060x2990401 | 脳梗塞に対するエダラボン治療 | 32 | 12.5 | 16.38 | 6.25 | 65.47 | |
010200xx99x00x | 水頭症に対する治療 | 17 | 5.65 | 7.46 | 5.88 | 76.65 | |
160100xx99x00x | 頭部外傷に対する治療 | 16 | 5.81 | 7.34 | 0 | 76.44 |
脳梗塞は脳に酸素と栄養を運ぶ動脈が詰まり、脳への血液供給が途絶えてしまうことによって、意識障害や運動麻痺などが起こる病気です。治療としては、t-PA治療や脳血管内治療、薬物療法があります。全例、脳卒中ガイドラインに従った治療を行い、急性期脳疾患の診断・治療機器としてMRI(Diffusion含む)、3D-CT、3D-DSA血管装置などを備え、rt-PA静注療法指定施設であるなど緊急時の検査を迅速に行います。また、急性期後に回復期リハビリテーション病棟へ転棟し、一貫した安全で効果的な治療を行っています。2・5番目に多い外傷性の慢性硬膜下血腫等による頭部外傷は、多くの場合緊急での手術を必要としますが、小血腫例や無症候例などでは血腫内容液に対して浸透圧利尿剤を用いた薬物療法を行う場合があります。その他水頭症に対する治療も行っています。
泌尿器科
DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均在院日数(自院) | 平均在院日数(全国) | 転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
110070xx0200xx | 膀胱がんに対する経尿道的手術 | 77 | 4.79 | 7.31 | 0 | 72.88 | |
110310xx99xx0x | 尿路感染症に対する治療 | 64 | 14.55 | 12.34 | 4.69 | 73.98 | |
110080xx01x0xx | 前立腺がんに対する腹腔鏡(ダビンチ)手術 | 41 | 12.95 | 12.92 | 0 | 68.8 | |
110420xx97xx0x | 水腎症に対する経尿道的ステント留置術 | 21 | 2 | 5.17 | 0 | 59.43 | |
11012xxx020x0x | 上部尿路結石に対する経尿道的結石除去術 | 16 | 3.31 | 5.75 | 0 | 57.69 |
泌尿器科では、主に尿路(腎・尿管・膀胱)、男性生殖器(精巣・前立腺)の悪性腫瘍に対する腹腔鏡下手術や開腹手術をはじめ、良性疾患としては尿路結石や前立腺肥大症、副腎腺腫の手術を中心とした治療を行っています。1番目に多い膀胱がんは、尿道から膀胱に内視鏡を挿入し、その先端に付いている電気メスで膀胱内の腫瘍を切除します。2番目に多い疾患の尿路感染症は、高齢化に伴い増えてきている疾患です。3番目に多い疾患は前立腺がんに対するロボット支援腹腔鏡下前立腺全摘術(ダビンチ手術)です。当院は大阪府がん診療拠点病院として悪性腫瘍に対する治療を積極的に行っており、ロボット支援腹腔鏡下前立腺全摘術を平成28年6月1日より開始以降年々増加傾向にあります。
眼科
DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均在院日数(自院) | 平均在院日数(全国) | 転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
020160xx97xxx0 | 網膜剥離に対する手術 | 30 | 9.23 | 10.21 | 0 | 60.17 | |
020200xx9710xx | 黄斑変性に対する離断術・水晶体再建術 | 27 | 6.48 | 7.31 | 0 | 67.7 | |
020240xx97xxx0 | 硝子体疾患に対する手術 | 25 | 3.36 | 6.63 | 0 | 65.6 | |
020200xx9700xx | 黄斑変性に対する離断術 | 23 | 5.17 | 7.38 | 0 | 71.22 | |
020220xx97xxx0 | 緑内障に対する手術 | 14 | 12.57 | 8.51 | 0 | 71.86 |
1番多い疾患は白内障ですが、『短期滞在手術基本料』の対象であるため、本集計の対象外となります。また、当院では患者さんの希望とQOL(生活の質)を第一に考え、主に日帰り手術にて行っています。そのため、入院疾患上位には、糖尿病網膜症や網膜動静脈閉塞など網膜の血管性疾患、加齢黄斑変性を代表とする黄斑部疾患など網膜硝子体疾患があがってきています。糖尿病網膜症をはじめとする網膜血管疾患においては、当院糖尿病センターならびに透析センターとの連携により多くの患者さんが受診されます。
産科
DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均在院日数(自院) | 平均在院日数(全国) | 転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
120180xx01xxxx | 既往帝切後等に対する帝王切開分娩 | 100 | 7.73 | 9.75 | 0 | 32.88 | |
120170xx99x0xx | 切迫早産に対する治療 | 51 | 25.41 | 20.41 | 3.92 | 31.98 | |
120260xx99xxxx | 微弱陣痛等による分娩の異常 | 39 | 1.46 | 4.75 | 0 | 30.97 | |
120260xx01xxxx | 微弱陣痛等による帝王切開分娩 | 36 | 7.97 | 9.67 | 0 | 32.36 | |
120165xx99xxxx | 妊娠悪阻等に対する治療 | 20 | 9.65 | 12.02 | 0 | 29.6 |
産科では年間約1,000件以上の分娩を取り扱っております。普通分娩は自費のため、本集計の対象外となります。そのため、1番多い疾患は保険適応の帝王切開分娩となっています。総合病院であるため、緊急時(緊急帝王切開など)の対応が万全です。特徴として、両親学級を開催している他、マタニティーヨーガなどを実施し、共に楽しいマタニティーライフを送っていただいています。また、分娩前の切迫早産に対しても、安全な妊娠、分娩の管理をモットーにチーム医療を行い対応しています。
婦人科
DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均在院日数(自院) | 平均在院日数(全国) | 転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
120060xx01xxxx | 子宮筋腫に対する手術 | 60 | 8.78 | 9.91 | 0 | 44.18 | |
120070xx02xxxx | 卵巣のう腫に対する腹腔鏡下手術 | 34 | 4.85 | 6.37 | 0 | 44.79 | |
12002xxx01x0xx0x | 子宮がんに対する手術 | 21 | 10.81 | 12.94 | 0 | 52.1 | |
120220xx01xxxx | 子宮ポリープに対する手術 | 19 | 3.05 | 3.05 | 0 | 44.11 | |
120060xx02xxxx | 子宮筋腫に対する腹腔鏡下腟式子宮全摘術 | 19 | 6.47 | 6.28 | 0 | 44.16 |
1番目と2番目に多い疾患である子宮筋腫と卵巣のう腫の手術は増加傾向にあります。低侵襲で創部は小さく、入院日数の短縮や術後の回復が早いため、早期離床及び早期社会復帰が可能となり患者さんのQOLをより良いものとしています。子宮がんは、手術療法・化学療法・放射線療法を中心とした集学的治療を行っています。クリニカルパスにて標準的治療を行い、入院期間は全国より短い期間で退院が可能となっています。
形成外科
DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均在院日数(自院) | 平均在院日数(全国) | 転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
020230xx97x0xx | 眼瞼下垂症に対する手術 | 26 | 2.81 | 3.29 | 0 | 74.92 |
当科で最も多い症例は眼瞼下垂に対する手術です。個人差はありますが、加齢とともにまぶたも徐々に下がってきます。わずかであれば眉毛を上げることで対応できますが、次第にそれでも対応しきれなくなってきます。また、頭痛や肩こりが発生することもありますが、手術でこれらの症状を改善することが可能です。
皮膚科
DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均在院日数(自院) | 平均在院日数(全国) | 転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
080011xx99xxxx | 急性膿皮症に対する治療 | 17 | 12.29 | 11.73 | 0 | 60.41 | |
080020xxxxxxxx | 帯状疱疹に対する治療 | 12 | 9.17 | 8.95 | 0 | 73.75 |
1番多い疾患は蜂巣炎などの急性膿皮症疾患で、2番目に多い疾患は帯状疱疹です。特に高齢の方には早期にリハビリに介入することで、ADL(日常生活動作)低下を最小限に抑え、自宅復帰を目指しています。
総合内科
DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均在院日数(自院) | 平均在院日数(全国) | 転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
040081xx99x00x | 誤嚥性肺炎に対する治療 | 88 | 22.4 | 20.83 | 12.5 | 84.99 | |
110310xx99xx0x | 尿路感染症に対する治療 | 50 | 14.54 | 12.34 | 2 | 78.36 | |
100380xxxxxxxx | 脱水症に対する治療 | 22 | 17.45 | 9.16 | 18.18 | 79.18 | |
100393xx99xxxx | 低ナトリウム血症等に対する治療 | 18 | 15.61 | 10.05 | 5.56 | 78.28 | |
040070xxxxx0xx | インフルエンザ・ウイルス性肺炎に対する治療 | 17 | 7.65 | 6.03 | 5.88 | 77.35 |
1番多い疾患の誤嚥性肺炎、次に多い尿路感染症などは高齢化に伴い増えている疾患であり、当科は近年重視されているプライマリ・ケア機能を担っています。患者さんの住まいである地域社会において、一番身近な存在として総合的・全人的な医療を提供する重要な役割を担っています。そのような医療を提供するために一般医・家庭医(プライマリ・ケア医)として研鑚を積んでいます。平成26年4月より日本プライマリ・ケア学会の研修施設に認定され総合診療専門医育成に力を入れています。
呼吸器内科
DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均在院日数(自院) | 平均在院日数(全国) | 転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
040040xx9910xx | 肺がんに対する検査入院 | 21 | 2.52 | 3.59 | 0 | 72 | |
040120xx99000x | 慢性閉塞性肺疾患に対する治療 | 14 | 20.43 | 13.83 | 0 | 76 | |
040110xxxxx0xx | 間質性肺炎に対する治療 | 11 | 24.82 | 19.65 | 0 | 77.09 |
1番多い疾患は、肺がん早期発見のための気管支鏡検査入院です。大阪府がん診療拠点病院として肺がんの早期発見に力を入れています。2番目に多い慢性閉塞性肺疾患は、治療のみならず重症呼吸不全症例に対して様々な職種からなる呼吸療法チームで、週に1回人工呼吸器回診を行っています。呼吸器設定や離脱支援以外にも、ベッドサイドケアやリハビリテーション、安全管理も含めた助言を行い院内全体の呼吸管理の向上を目標に活動しています。
循環器内科
DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均在院日数(自院) | 平均在院日数(全国) | 転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
050050xx02000x | 狭心症に対する心臓カテーテル治療 | 197 | 3.11 | 4.62 | 0 | 68.65 | |
050050xx99100x | 狭心症に対する心臓カテーテル検査 | 192 | 2.6 | 3.03 | 0 | 69.55 | |
050130xx99000x | 心不全に対する治療 | 117 | 23.82 | 17.71 | 5.13 | 84.19 | |
050030xx97000x | 急性心筋梗塞に対する心臓カテーテル治療 | 49 | 12.65 | 12.72 | 0 | 68.84 | |
050050xx99200x | 狭心症に対する心臓カテーテル検査(FFR測定) | 48 | 2.56 | 3.19 | 0 | 70.79 |
1番多い疾患は、冠動脈カテーテルインターベンション(PCI)治療であり、平成29年度は、年間305件実施しています。PCI治療の約4割強が緊急治療であり、365日専門医によるオンコール体制で診療に従事しています。2番目に多い疾患は、狭心症に対する心臓カテーテル検査入院です。平成29年度は、年間535件の心臓カテーテル検査を実施しています。3番目の心不全に対しては、治療に加え早期より心臓リハビリテーションを行っており、また近隣の病院とも連携して早期の退院に向け取り組んでいます。
血液内科
DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均在院日数(自院) | 平均在院日数(全国) | 転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
130030xx99x40x | 悪性リンパ腫に対する化学療法(リツキシマブ) | 42 | 22.67 | 16.48 | 0 | 69.95 | |
130010xx97x2xx | 急性白血病に対する輸血・化学療法 | 40 | 36.38 | 40.97 | 2.5 | 61.15 | |
130030xx97x40x | 悪性リンパ腫に対する輸血・化学療法(リツキシマブ) | 35 | 33.09 | 33.42 | 2.86 | 67.49 | |
130060xx99x4xx | 骨髄異形成症候群に対する化学療法(アザシチジン) | 21 | 11.43 | 10.6 | 0 | 74.81 | |
130040xx99x5xx | 多発性骨髄腫に対する化学療法(パノビノスタット乳酸塩・ボルテゾミブ・ポマリドミド・レナリドミド水和物) | 21 | 24.71 | 24.7 | 0 | 72.19 |
当科では、悪性リンパ腫に対する化学療法入院が多数を占めています。より多くの患者に対応出来るよう悪性リンパ腫に対する治療の効率化をはかっています。急性白血病に対する化学療法入院も行っており、クリーンルームは13床あります。南大阪の血液内科の中核として機能していくことが当科の役割と考えています。血液疾患センターでは緩和ケア認定看護師、がん化学療法看護認定看護師と共に質の高い看護が提供されています。更に臨床スピリチュアルケアカウンセラーによる精神面のケアも実施しています。造血幹細胞移植後の患者さんに対して、看護師によるLTFU(long term follow up)外来を始め、極め細やかな対応を目指しています。
消化器内科
DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均在院日数(自院) | 平均在院日数(全国) | 転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
060340xx03x00x | 胆管結石に対する内視鏡的治療 | 157 | 9.84 | 10.61 | 0 | 74.71 | |
060020xx04x0xx | 早期胃がんに対する粘膜切除術 | 143 | 6.73 | 8.73 | 0 | 70.85 | |
060102xx99xxxx | 憩室炎に対する治療 | 57 | 8.84 | 7.87 | 0 | 62.86 | |
060100xx03xxxx | 早期大腸がんに対する粘膜下層剥離術 | 49 | 7.14 | 7.21 | 0 | 69.1 | |
060140xx97x00x | 出血性胃・十二指腸潰瘍に対する内視鏡的止血術 | 49 | 9.94 | 10.71 | 2.04 | 71.63 |
当院内視鏡治療で最も多い疾患は、胆のう・胆管の急性疾患です。胆のう結石や胆管結石による胆のう炎や胆管炎を数多く治療しています。これらの疾患は病状が急激に発症することが多く、救急搬送を含め緊急受診される方が多いので、本疾患における症例数の多さは急性期病院である当院の特徴の一つです。特殊な胃カメラを用いた内視鏡治療の適応となる場合が多く、低侵襲な治療が可能となっています。次に胃がんの治療件数が多くなっています。当院では早期胃がんや大腸がん(大きな腺腫)に対する内視鏡的粘膜下層剥離術(以下ESD)を10年前から取り入れており、大阪府下でも症例数では有数の施設です。一定の条件は必要なものの、以前は開腹手術が必要であったような胃がんや大腸がんでも通常の内視鏡による局所切除が可能となっています。また、その他の疾患として、急性期・慢性期を含めた消化器疾患に幅広く対応しています。
糖尿病センター
DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均在院日数(自院) | 平均在院日数(全国) | 転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
100070xx99x110 | 2型糖尿病(末梢循環不全なし)に対する治療 (定義副傷病名あり) | 14 | 14.07 | 15.87 | 0 | 67.29 | |
100070xx99x100 | 2型糖尿病(末梢循環不全なし)に対する治療 | 12 | 13.5 | 14.27 | 0 | 65.58 |
当センターでは、糖尿病を中心に生活習慣病(高血圧症・脂質異常症・肥満症など)の治療、合併症進展防止及び予防に取り組んでいます。 外来と病棟において、医師(日本糖尿病学会認定専門医・同指導医)、糖尿病療養指導士を含む看護師・管理栄養士・薬剤師によるチーム医療を行っています。また、外来及び入院患者さんに対して、定期的に糖尿病教室を開催し、日常生活における食事療法や運動療法、必要に応じた薬物療法を継続されるようサポートしています。
小児科
DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均在院日数(自院) | 平均在院日数(全国) | 転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
140010x199x00x | 出生時体重2500g以上の新生児疾患 | 70 | 6.67 | 6.18 | 5.71 | 0 | |
140010x299x0xx | 出生時体重1500g以上2500g未満の新生児疾患 | 21 | 7.43 | 11.49 | 4.76 | 0 |
当院出生児のうち、加療を要する新生児が症例上位となっています。在胎34週以下の早産児は出生後に他院NICUへ搬送していますが、正期産に近い35週・36週の早産児は当院での管理が可能です。また、病的正期産児は酸素投与や点滴治療など当院で可能な限り治療を行い、必要時には他院NICUへ搬送しています。そのため、産後の母子分離をできるだけ避けることができ、府下NICUベッドをより重症児のために空けておく意味もあります。
初発の5大がんのUICC病期分類別並びに再発患者数
再発 | 病期分類基準 (※) | 版数 | ||||||
Stage I | Stage II | Stage III | Stage IV | 不明 | ||||
胃がん | 157 | 12 | 24 | 27 | 21 | 2 | 1 | 第7版 |
大腸がん | 53 | 31 | 45 | 31 | 16 | 4 | 1 | 第7版 |
乳がん | 23 | 21 | 8 | 4 | 3 | 3 | 1 | 第7版 |
肺がん | 7 | 1 | 3 | 9 | 21 | 0 | 1 | 第7版 |
肝がん | 32 | 20 | 6 | 5 | 15 | 8 | 1 | 第7版 |
※ 1:UICC TNM分類,2:がん取扱い規約
成人市中肺炎の重症度別患者数等
患者数 | 平均在院日数 | 平均年齢 | |
---|---|---|---|
軽症 | 32 | 10.66 | 58.06 |
中等症 | 135 | 15.6 | 78.2 |
重症 | 30 | 24.83 | 83.67 |
超重症 | 8 | 24.13 | 77.25 |
不明 | - | - | - |
市中肺炎とは、通常の社会生活を送っている中で発症した肺炎です(インフルエンザ等のウイルスによる肺炎や食べ物による誤嚥性肺炎などは対象外)。肺炎の重症度は、成人市中肺炎診療ガイドライン (日本呼吸器学会)による重症度分類を用いて集計しています。重症度が上がれば長い治療期間を要することになります。
脳梗塞の患者数等
発症日から | 患者数 | 平均在院日数 | 平均年齢 | 転院率 |
---|---|---|---|---|
3日以内 | 195 | 35.73 | 74.27 | 23.04 |
その他 | 22 | 53 | 67 | 2.3 |
診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
外科センター
Kコード | 名称 | 患者数 | 平均術前日数 | 平均術後日数 | 転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
K672-2 | 腹腔鏡下胆嚢摘出術 | 126 | 4.13 | 6.06 | 2.38 | 64.06 | |
K634 | 腹腔鏡下鼠径ヘルニア手術(両側) | 102 | 1.49 | 1.1 | 0.98 | 67.51 | ● |
K719-3 | 腹腔鏡下結腸悪性腫瘍切除術 | 44 | 3.66 | 12.45 | 6.82 | 75.09 | |
K655-22 | 腹腔鏡下胃切除術(悪性腫瘍手術) | 32 | 1.69 | 13.56 | 0 | 67.78 | |
K718-22 | 腹腔鏡下虫垂切除術(虫垂周囲膿瘍を伴うもの) | 25 | 1.12 | 4.8 | 0 | 49.64 |
手術件数が最も多いのは、腹腔鏡下胆嚢摘出術であり、適応疾患は胆石・ポリープ・胆嚢炎です。ヘルニア手術は、腹腔鏡下鼠径ヘルニア手術を導入しており、患者さんのニーズに広くお応えできるようにしています。腹腔鏡下結腸悪性腫瘍切除術は、初発大腸がんの約90%に腹腔鏡下手術を施行し、進行・再発大腸がんに対しては、手術療法・化学療法・放射線療法を組み合わせて治癒を目指す集学的治療を行っています。胃がんに対しては、記載している32例の腹腔鏡下手術に加えロボット支援下手術も行い低侵襲手術を提供しています。
整形外科
Kコード | 名称 | 患者数 | 平均術前日数 | 平均術後日数 | 転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
K0461 | 骨折観血的手術(肩甲骨、上腕、大腿) | 76 | 2.33 | 8.92 | 0 | 71.92 | |
K0462 | 骨折観血的手術(前腕、下腿) | 40 | 2 | 6 | 0 | 37.8 | |
K0821 | 人工関節置換術(股・膝) | 34 | 5.57 | 26.29 | 2.94 | 62.86 | |
K0811 | 人工骨頭挿入術(股) | 29 | 7.48 | 25.24 | 79.31 | 81.79 | |
K0732 | 関節内骨折観血的手術(手・足) | 18 | 1 | 4.11 | 5.56 | 61.56 |
当科の手術症例は大腿骨・前腕・足関節周囲の骨折に対応しているため、緊急から準緊急の手術対応が主となっています。機能回復を目指し大腿骨頚部周囲骨折においては泉州地域連携パスに参加し、密度の高い重点的なリハビリが可能な病院との連携を行っています。また、関節疾患に対しては、人工関節に置き換える手術を行っています。
脳外科・脳卒中センター
Kコード | 名称 | 患者数 | 平均術前日数 | 平均術後日数 | 転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
K164-2 | 慢性硬膜下血腫穿孔洗浄術 | 34 | 0.94 | 8.91 | 26.47 | 77.29 | |
K1425 | 脊椎固定術、椎弓切除術、椎弓形成術(多椎間又は多椎弓の場合を含む。)(椎弓切除) | 15 | 3.53 | 17.73 | 0 | 72.87 | |
K1742 | 水頭症手術(シャント手術) | 13 | 5.54 | 15.85 | 30.77 | 73 |
手術件数が最も多いのは、慢性硬膜下血腫穿孔洗浄術です。慢性硬膜下血腫は、頭部外傷の1~2ヶ月後に歩行障害や認知症等の症状が起こる病気で、多くが緊急での手術を必要とします。慢性硬膜下血腫穿孔洗浄術は、小さな穿頭で硬膜下に溜まった血腫を吸引し洗浄除去します。また、脊椎外科の治療にも力を注いでおり、脊椎固定術が2番目に多い手術となっています。3番目に多い水頭症手術は、主に正常圧水頭症に対して行っており、これら以外にも様々な手術を行っています。
泌尿器科
Kコード | 名称 | 患者数 | 平均術前日数 | 平均術後日数 | 転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
K8036イ | 膀胱悪性腫瘍手術(経尿道的手術)(電解質溶液利用のもの) | 74 | 0.24 | 3.57 | 0 | 72.7 | |
K843-4 | 腹腔鏡下前立腺悪性腫瘍手術(内視鏡手術用支援機器を用いるもの) | 40 | 1.15 | 10.9 | 0 | 68.35 | |
K783-2 | 経尿道的尿管ステント留置術 | 38 | 0.32 | 2.95 | 0 | 64.16 | |
K7811 | 経尿道的尿路結石除去術(レーザーによるもの) | 15 | 0.13 | 2.27 | 0 | 56.93 | |
K768 | 体外衝撃波腎・尿管結石破砕術(一連につき) | 13 | 1.31 | 1.54 | 0 | 59.15 |
当院は大阪府がん診療拠点病院として悪性腫瘍に対する治療を積極的に行っています。手術件数が最も多い膀胱悪性腫瘍手術(経尿道的手術)(電解質溶液利用のもの)は、尿道から膀胱に内視鏡を挿入し、その先端に付いている電気メスで膀胱内の腫瘍を切除します。次いで多い前立腺がん・腎がん・腎盂尿管がんの手術件数が増加し、腹腔鏡下手術による低侵襲手術を推奨しています。小径腎がんに関しては、機能温存を踏まえた腹腔鏡下腎部分切除術を施行してきました。平成28年ダビンチを導入し、ロボット支援腹腔鏡下前立腺全摘術を6月1日より開始しました。腎臓の部分切除についてもダビンチを導入し、ロボット支援腹腔鏡下腎部分切除術を平成29年10月より開始しています。経尿道的尿管ステント留置術は、結石により尿路が閉塞している場合や、それにより重症の感染症(結石性腎盂腎炎)を起こしている場合に、早急に尿路閉塞を解除するための術式です。経尿道的尿路結石除去術(レーザーによるもの)は尿路結石に対して行う手術です。内視鏡的手術(f-TUL)で、より細かく破砕可能なレーザー治療を積極的に行っています。今後も患者さんにとって、より安全で体に負担の少ない機能温存を踏まえた合併症の少ない手術を提供していきたいと考えています。
眼科
Kコード | 名称 | 患者数 | 平均術前日数 | 平均術後日数 | 転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
K2821ロ | 水晶体再建術(眼内レンズを挿入する場合)(その他のもの) | 204 | 1.32 | 1.01 | 0 | 76.32 | ● |
K2801 | 硝子体茎顕微鏡下離断術(網膜付着組織を含むもの) | 85 | 0.02 | 5.6 | 0 | 65.16 | |
K2802 | 硝子体茎顕微鏡下離断術(その他のもの) | 30 | 0.1 | 2.73 | 0 | 64.6 |
手術件数が最も多い水晶体再建術(眼内レンズを挿入する場合)(その他のもの)は白内障に対する手術です。患者さんの希望とQOL(生活の質)を第一に考え治療を行っています。手術を施行する際には、患者さんご家族の方々を交えながらインフォームドコンセントを十分に行い、良好な結果と満足度が得られています。多焦点眼内レンズの診療に関して平成25年12月より「先進医療の施設認定」を受けています。現在の白内障手術では焦点を1つの距離のみに合わせる「単焦点眼内レンズ」が一般的ですが、遠距離・近距離など複数に焦点が合う「多焦点眼内レンズ」が登場しました。2番目、3番目の硝子体茎顕微鏡下離断術は、糖尿病網膜症や網膜動静脈閉塞など網膜の血管性疾患、加齢黄斑変性を代表とする黄斑部疾患など網膜硝子体疾患に対する手術で、専門的な診断や治療にも取り組んでいます。平成29年度の白内障手術総件数は794件、硝子体手術は151件実施しています(外来含む)。
産科
Kコード | 名称 | 患者数 | 平均術前日数 | 平均術後日数 | 転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
K8982 | 帝王切開術(選択帝王切開) | 82 | 1.5 | 6.05 | 0 | 33.04 | |
K8981 | 帝王切開術(緊急帝王切開) | 79 | 1.42 | 6.43 | 1.27 | 32.77 | |
K893 | 吸引娩出術 | 55 | 0.76 | 5.2 | 0 | 31.45 |
手術件数は予定された帝王切開術(選択)、次いで緊急の帝王切開術、吸引娩出術の順になります。産科では常に年間1,000件以上の分娩を取り扱っております。帝王切開術は全分娩症例の13%前後ですが、約半数は緊急手術を安全に行っています。総合病院であるため、緊急時の対応が万全です。
婦人科
Kコード | 名称 | 患者数 | 平均術前日数 | 平均術後日数 | 転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
K877 | 子宮全摘術 | 52 | 1 | 6.98 | 0 | 46.1 | |
K867 | 子宮頸部(腟部)切除術 | 45 | 0.42 | 2.71 | 0 | 42.38 | |
K8882 | 子宮附属器腫瘍摘出術(両側)(腹腔鏡によるもの) | 43 | 0.98 | 2.91 | 0 | 42.12 | |
K872-3 | 子宮内膜ポリープ切除術、子宮鏡下有茎粘膜下筋腫切出術 | 22 | 1 | 1 | 0 | 42.4 | |
K879 | 子宮悪性腫瘍手術 | 20 | 1 | 8.9 | 0 | 51.45 |
1番多い手術である子宮全摘術の平成29年度実績は、腹式(開腹)が52件、腟式(腹腔鏡補助下)が14件行っています。3番目に多い子宮附属器腫瘍摘出術(両側)(腹腔鏡によるもの)の附属器とは卵巣や卵管を意味し、腹腔鏡下手術は患者さんの術後の疼痛などの負担が開腹術に比べ軽度です。平成29年度は43件実施しています。創部は小さく、入院日数の短縮や術後の回復が早く、早期離床及び早期社会復帰が可能となり、患者さんのQOLをより良いものとしています。また、子宮悪性腫瘍手術が増加傾向であり、婦人科悪性疾患(子宮がん・卵巣がんなど)は、手術療法・化学療法・放射線療法を中心とした症例を多く取り扱っています。今後もより安全で、ガイドラインに沿った標準治療を行いより質の高い医療を目指していきたいと考えています。
形成外科
Kコード | 名称 | 患者数 | 平均術前日数 | 平均術後日数 | 転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
K2191 | 眼瞼下垂症手術(眼瞼挙筋前転法) | 26 | 0 | 1.81 | 0 | 75.27 |
最も手術症例が多いのは眼瞼下垂手術です。患者さんの状態に合わせたて、まぶたを持ち上げる筋肉を縫い縮めたり、たるんで余っている皮膚を切除したりします。あるいは、患者さんの筋肉の膜を取ってまぶたを吊り上げる手術を行います。その他にも、形成外科では外傷(けが)や熱傷(やけど)・腫瘍(できもの)・腫瘍切除後の変形などによる体の表面にトラブルを抱えておられる方々の治療をしています。治療により、患者さんのQOL(生活の質)を向上させられるように心掛けています。
循環器内科
Kコード | 名称 | 患者数 | 平均術前日数 | 平均術後日数 | 転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
K5493 | 経皮的冠動脈ステント留置術(その他のもの) | 159 | 1.64 | 1.78 | 0.63 | 69.31 | |
K5492 | 経皮的冠動脈ステント留置術(不安定狭心症に対するもの) | 46 | 0.04 | 7.2 | 6.52 | 70.46 | |
K5491 | 経皮的冠動脈ステント留置術(急性心筋梗塞に対するもの) | 45 | 0 | 16.16 | 8.89 | 68.58 | |
K616 | 四肢の血管拡張術・血栓除去術 | 39 | 1.36 | 2.97 | 0 | 72.28 | |
K5972 | ペースメーカー移植術(経静脈電極の場合) | 23 | 6.26 | 9.39 | 4.35 | 78.87 |
項目の多数を占めるのが心臓カテーテル治療です。これは、狭心症や心筋梗塞などによる冠動脈の狭窄や閉塞部分に対して、バルーン(風船)やステント(網目状の金属製の筒)を用いて病変部分を拡張し治療する方法で、検査と同様にカテーテルを使って行います。虚血性心疾患の治療の主体であるカテーテル治療については、例年4割強が急性冠症候群に対する緊急治療であり、24時間365日体制で循環器疾患の診療に従事しています。四肢の血管拡張術・血栓除去術は閉塞性動脈硬化症(下肢の血管が動脈硬化を起こして細くなり血管が閉塞する病気)に対するカテーテル治療法であり、当院ではこの下肢の動脈硬化の治療にも最近力を注いでいます。また、緊急対応の一時的ペースメーカ手術や永久ペースメーカー植え込み手術などのペースメーカー手術も行っています。手術後も「ペースメーカ専門外来」にご通院いただき、定期的にペースメーカの管理をしています。
消化器内科
Kコード | 名称 | 患者数 | 平均術前日数 | 平均術後日数 | 転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
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K6532 | 内視鏡的胃ポリープ・粘膜切除術(早期悪性腫瘍粘膜下層) | 146 | 0.32 | 5.55 | 0 | 70.89 | |
K7211 | 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(長径2センチメートル未満) | 129 | 0.45 | 2.05 | 0 | 69.82 | |
K688 | 内視鏡的胆道ステント留置術 | 117 | 3.66 | 11.9 | 5.98 | 76.43 | |
K721-4 | 早期悪性腫瘍大腸粘膜下層剥離術 | 89 | 0.97 | 5.06 | 0 | 70.29 | |
K654 | 内視鏡的消化管止血術 | 72 | 2.51 | 10.08 | 9.72 | 74.07 |
当科で最も内視鏡手術件数が多い内視鏡的粘膜下層剥離術(以下ESD)です。ESDはITナイフやフラッシュナイフといった小さな電気メスで病変周囲の粘膜を切開した後、粘膜下層を剥がして病変を切除する方法で、病変を一括切除出来る確実な内視鏡治療です。 低侵襲で入院期間も1週間程度と短期間であるのが特徴です。胃などの臓器が温存されるため、術後の機能障害(食欲低下・嘔吐・体重減少など)が生じにくいことが最も大きな利点であるといえます。平成29年度は、胃が146件、大腸が89件実施しています。また、3番目に多い内視鏡的胆道ステント留置術は、胆管結石や胆管炎に対して実施する手術で、胆管結石、胆管炎は発熱及び腹痛、黄疸が主症状の急性疾患であり緊急の処置が必要です。当科は泉州地域における消化器救急医療体制の中、急性期病院としての治療を24時間365日体制で行っているため、これを反映した件数となっています。その他内視鏡手術として、大腸ポリープに対する内視鏡的粘膜切除術や消化管出血に対する内視鏡的消化管止血術も積極的に実施しています。
その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)
DPC | 傷病名 | 入院契機 | 症例数 | 発生率 |
---|---|---|---|---|
130100 | 播種性血管内凝固症候群 | 同一 | 1 | 0.01 |
異なる | 7 | 0.08 | ||
180010 | 敗血症 | 同一 | 35 | 0.42 |
異なる | 23 | 0.28 | ||
180035 | その他の真菌感染症 | 同一 | - | - |
異なる | - | - | ||
180040 | 手術・処置等の合併症 | 同一 | 54 | 0.65 |
異なる | 8 | 0.1 |
この指標は手術・処置などの合併症にあたるものとして、感染症および合併症の発生率を示したものです。当院は手術や処置などを行う際には合併症を起こさないように細心の注意を払い施行しています。また、起こり得る合併症については事前に可能な限り患者さんに説明した上で、手術や処置の施行に同意をいただくよう努めています。