総合内科初期研修カリキュラム

カリキュラム責任者:津村 圭、太田 忠信
  
<一般目標 GIO: General Instructional Objective>
  1. プライマリ・ケアを遂行しうる必要な基本的知識、技能及び医師として必要な態度の基本を身につけること。
  
<行動目標 SBO: Specific Behavioral Objective>
  1. 頻度の高い疾患(common disease)の基本的初期診療ができる。
  2. 救急の初期治療ができる。緊急性・重篤性の高い疾患を適切にトリアージできる。
  3. パートナーの思い、社会的・心理的背景を考慮に入れた診療ができる。
  4. 日常的臨床問題を自ら解決する手法を修得する。
  5. 最新のevidenceを用いた診療を習慣化する。
  6. 医学生、後輩研修医とスタッフに対する教育の姿勢がもてる。
  7. 診療内容を正確に記録、伝達できる習慣を身につける。
  
<方略 LS: Learning Strategies>
  

臨床の現場で業務に必要な知識や技能を習得させる研修

  1. 指導医の指導監督のもとに入院患者の受け持ち医として診察を行う。
  2. 1年目配属時、機会に応じて初診外来診療を行う。
  3. 2年目研修期間を通して週1回程度の初診外来を行う。
  4. 内科及び院内合同症例検討会、抄読会、CPC、各種カンファランス、研究会に積極的に参加し発表する。また内科学会等への発表を行う。
  5. BLSとACLSを含む定められた教育プログラムに参加する。
  6. カンファレンスに能動的に参加する。
  
<研修評価 EV: Evaluation>
  1. 評価の目的は形成的評価とする。
  2. 研修医手帳、miniCEX、EPOC2、360°評価表および症例サマリーを用いて評価する。
  3. 評価者は研修医本人、指導医。
  4. 時期は、随時ならびに研修終了時。

循環器内科初期研修カリキュラム

カリキュラム責任者:田口 晴之
  
<一般目標 GIO: General Instructional Objective>
  1. すべての診療科にとって必要な循環器疾患についての基本的な知識を習得し、臨床経験を通してそれぞれの疾患に対する理解を深める。将来、各専門科に進んだ後も、それらの知識や経験を活かして診療に役立てることができることを目標とする。
  
<行動目標 SBO: Specific Behavioral Objective>
  1. 患者の病状だけでなく、心理状態、社会的背景にも配慮して行動し、患者やその家族との信頼関係を確立する。
  2. 指導医、他の医療従事者などと適切なコミュニケーションを行い、チームの一員として診療を行う。
  3. 適切なカルテ記載を行う。
  4. 循環器疾患の診断・鑑別に必要な情報を得るため、適切な病歴聴取と、身体所見をとることができる能力を身につける。
  5. 特に胸痛や呼吸困難、失神などの症状に対しての鑑別疾患を挙げられ、その鑑別方法を理解し、最終診断できるようにする。
  6. 心電図、胸部レントゲンなどの画像検査、血液検査から得られた結果から疾患の診断、鑑別を行い、次に行うべき検査あるいは治療を判断できる能力を身につける。
  7. とくに緊急性のある疾患(大動脈乖離、急性冠症候群、心不全、肺塞栓)に対して、迅速かつ適切に判断できる能力を身につける。
  8. それぞれの循環器疾患に対する薬物あるいは非薬物による治療法を理解し、その有用性と危険性(副作用)、治療の限界について理解する。
  9. 慢性疾患の中では、高血圧、睡眠時無呼吸症候群、脂質異常症などの理解を深め、至適な管理ができるようにする。
  
<方略 LS: Learning Strategies>
  1. 外来や病棟では指導医とのチームで患者の診療に当たり、基本的知識、行うべき検査、検査結果についての理解、診断、治療法について考え、指導医とディスカッションし、診療能力の向上を図る。
  2. カルテには、その日に行った診察、検査結果、またそれらに対する考察や今後の治療計画を記載し、指導医からのチェックを受ける。
  3. できるだけ多くの疾患を経験し、疾患に対する知識と理解を深める。
  4. それぞれの症例をもとに、心電図、胸部レントゲン、負荷心電図検査、ホルター心電図検査、心臓超音波検査、核医学検査、CT、MRI、心臓カテーテル検査などの検査方法の選択や検査結果から得られる情報や解釈を指導医とともに行う。
  5. それぞれの症例をもとに、薬剤あるいは非薬物による治療法の有用性と危険性(副作用)、治療の限界について指導医とともに考え、実践する。
  6. 受け持ちの患者は、カンファレンスでプレゼンテーションを行い、適切な治療を行うことができるよう他の上級医などとの意見交換を行う。
  7. 緊急性があると思われる患者に対して、指導医や上級医の指導の下、診断のために行うべき検査を選択し、必要な治療を行う。
  

週間スケジュール

  
8-9時
心カテ
カンファレンス
午前
病棟診察
心カテ
病棟診察
心カテ
病棟診察
心カテ
病棟診察
心カテ
病棟診察
心カテ
病棟診察
心カテ
午後
病棟診察
心カテ
病棟診察
心カテ
病棟診察
心カテ
病棟診察
心カテ
病棟診察
心カテ
病棟診察
夕方
症例・全体
カンファレンス
症例・カテ
カンファレンス
症例・カテ
カンファレンス
症例・カテ
カンファレンス
症例・カテ
カンファレンス

<研修評価 EV: Evaluation>
  1. 自己評価:EPOC2を用いて行う。
  2. 指導医による評価:研修評価票Ⅰ、Ⅱ、Ⅲを含むEPOC2よび病歴要約レポート等を用いて評価する。
  3. 他メディカルスタッフによる評価:研修評価票Ⅰ、Ⅱ、Ⅲを用いて360度評価表等を用いて評価する。

呼吸器内科初期研修カリキュラム

カリキュラム責任者:梁 尚志
  
<一般目標 GIO: General Instructional Objective>
  1. 一般内科医としての基本的な診療技術を習得する。
  2. 呼吸器病学における専門的な知識や技術を習得する。
  3. 呼吸器内科医として必要な基本的診療が一人で行える。
  
<行動目標 SBO: Specific Behavioral Objective>
  1. 内科医として、必要な情報収集ができる事
  2. 内科医として、理学所見を適切に取れる事
  3. 胸部聴診所見を正確に取れ、表現できる事
  4. 胸部画像(単純X線、CT)の読影ができ、代表的鑑別診断を述べる事
  5. 呼吸機能検査の実行と結果分析ができる事
  6. 動脈血ガス検査の適切な実施と評価ができる事
  7. 胸腔穿刺の適切な実施と評価ができる事
  8. 胸腔ドレナージ手技や管理法の習得
  9. 気管支鏡の基本操作、および補助手技を習得する事
  10. 気道確保手技の習得
  11. 呼吸管理法の習得(酸素療法や、NPPVを含む人工呼吸管理法)
  12. 睡眠呼吸障害の理解と評価、管理法を習得する事
  13. 呼吸器感染症に対する抗生剤治療や、抗結核、抗真菌剤治療等ができる事
  14. 呼吸器悪性疾患に対する基本的な評価や治療計画ができる事
  15. 肺癌に対する化学療法と副作用対策ができる事
  16. 気管支喘息およびCOPDにおける長期管理や急性増悪時の対応ができる事
  17. 間質性肺炎の鑑別診断(膠原病肺や薬剤性肺炎等含む)への理解
  18. 副腎皮質ホルモン剤や免疫抑制剤の適切な使用や副作用の理解
  19. 加齢に伴う機能障害への理解
  20. 呼吸器疾患の終末期患者への対応
自己評価
5:十分満足にできた 4:十分にできた 3:できた 2:不十分だった 1:できなかった
  
<方略 LS: Learning Strategies>
  1. 病棟研修
    ・受け持ち患者の診察、診療録の記載、病歴要約の記載を行う
    ・受け持ち患者の処置を行う
    ・症例検討会で、症例提示を行う
  2. 検査
    ・受け持ち患者の診療に必要な検査を行う
    ・気管支鏡検査において、基本操作を行う
  3. 症例検討会(カンファレンス)
    ・受け持ち患者の症例提示を行う
    ・病態、問題点、治療について理解し、症例提示と検討を行う
  4. 病理解剖
    ・受け持ち患者の病理解剖では、主治医として臨床経過を説明する
    ・受け持ち患者のCPCで症例提示を行う
  5. 症例報告書の作成
    ・担当した患者の概要について、レポートを提出する
  

週間スケジュール

  
午前病棟外来外来病棟病棟
午後人工呼吸器回診病棟病棟内視鏡検査
夕方カンファレンス

<研修評価 EV: Evaluation>
  1. 受け持ち患者の症例提示と検討において指導医と面接を行い、理解度・達成度を評価する
  2. 胸部X線・CTの読影、気管支鏡検査や基本手技の実施を通じて、検査への理解度・達成度を評価する
  3. 症例検討会時に、複数の指導医で評価する
  4. 病歴要約は指導医が監査する
  5. 研修医は必要な自己評価を行う

消化器内科初期研修カリキュラム

カリキュラム責任者:土細工 利夫、髙栁 成徳
  
<一般目標 GIO: General Instructional Objective>

一般内科診療の研修に必要な、診療頻度の高い腹部領域を中心とした疾患の診断、対応、処置を経験、修得することを目標とする。救急部との連携により、腹部救急疾患についても、実地の体験を通じた学習が可能である。研修期間中に自らが経験できなかった診療頻度の高い疾患や緊急性の高い疾患についても、各種カンファレンスにより擬似体験できる。

  
<行動目標 SBO: Specific Behavioral Objective>
  1. 消化器領域の疾患を通じて、全身の観察ができ、記載できるようになる。
  2. 各種、血液生化学検査や画像検査の適応が判断でき、結果の解釈ができるようになる。
  3. 上部消化器疾患(嘔吐、吐下血)、下部消化器疾患(下痢、便秘、血便)、肝胆膵疾患(黄疸、肝炎、胆石症、膵炎)を中心とした消化器救急疾患の初期治療に参加し、鑑別診断の列挙、検査・治療方針の決定ができるようになる。
  4. ショック、発熱、体重減少、食欲低下、意識障害などの全身症状の変化より消化器疾患を鑑別とし、検査・治療方針を決定することができるようになる。
  5. 静脈穿刺や動脈穿刺、腹腔穿刺など指導医の指導のもと施行できるようになる。
  6. 診療録をはじめ、処方箋、指示箋、診断書、死体検案書、紹介状などの書類を指導医の指導のもと作成、管理できるようになる。
  7. メディカルスタッフと協働して、診療計画を立てることができるようになる。
  
<方略 LS: Learning Strategies>

臨床現場を通じて業務に必要な知識や技能の習得をめざす。各研修医に指導医が付き、入院患者を担当しながら指導を受ける。全研修期間中、週1回程度の総合救急センター当直(内科当直)を行う。2年目研修期間中、週1回程度の指導医の指導のもと初診外来を行う。入院受け持ち患者の退院後、1週間以内にサマリーを記載し、指導医の評価を受ける。内科および院内合同症例検討会、抄読会、CPC、消化器内科治療方針検討会などの各種カンファレンス、院内外の講演会、研究会に積極的に参加し発表する。内科学会や消化器病学会、消化器内視鏡学会等への発表を行う。

  

週間スケジュール
【1年次】

  
8-9時
モーニング
レクチャー
午前病棟検査見学副院長回診消化器救急検査見学
午後病棟病棟病棟消化器救急
夕方治療カンファレンス
外科合同
カンファレンス
【2年次】
  
8-9時抄読会病理カンファレンス内視鏡カンファレンス
午前病棟検査実技副院長回診初診外来検査実技
午後病棟病棟病棟初診外来
夕方治療カンファレンス
外科合同
カンファレンス

<研修評価 EV: Evaluation>
  1. 自己評価、研修医手帳に症例を記入する。
  2. EPOC2および事後レポートを用いて自己評価を行う。
  3. 指導医による評価:EPOC2およびレポート等を用いて評価する。
  4. コメディカル(看護師・技師)による評価:評価表を用いて評価する。

血液疾患センター初期研修カリキュラム

カリキュラム責任者:麥谷 安津子
  
<一般目標 GIO: General Instructional Objective>

血液疾患の患者の診断・治療を通して、基本的な医学的知識・診療手技と血液疾患についての知識を習得する。また造血器腫瘍の治療を通して悪性腫瘍に対する薬物療法および臨床腫瘍学の基礎を修得する。

  
<行動目標 SBO: Specific Behavioral Objective>
  

悪性腫瘍および血液疾患の理解

  • 二次性貧血をふくむ各種の貧血を概説でき、鑑別診断ができる。
  • 白血球増加症および減少症を理解し、鑑別診断ができる。
  • リンパ節腫脹の原因を理解し、鑑別診断ができる。
  • 出血傾向を概説でき、鑑別診断ができる。
  • 悪性腫瘍の分子生物学、細胞遺伝学的知見を概説できる。

血液疾患に関連した検査の理解

  • 尿、末梢血液、血液生化学及び免疫学検査の適切な選択と結果の評価ができる。
  • 末梢血液検査の血液像が評価できる。
  • 血液型検査・交差適合試験が実施できる。
  • 骨髄穿刺および骨髄生検を実施できる。
  • 骨髄の正常像を把握し、代表的な血液疾患の骨髄像を評価できる。
  • 腰椎穿刺を実施でき、検査結果を評価できる。
  • リンパ節生検検体の処理及び結果の評価ができる。
  • PET検査CTなどの画像診断の評価ができる。
  • フローサイトメトリー、FISH、染色体検査、遺伝子検査の結果の評価ができる。
  • 造血と血球崩壊に関する物質:血清鉄、鉄結合能、血清フェリチン、ビタミンB12、葉酸、エリスロポエチン、ハプトグロビンなど
  • 血漿蛋白の定量および質的検査:免疫電気泳動法
  • 免疫血液学の諸検査:クームス試験、抗HLA抗体、PAJgG
  • 凝固検査:プロトロンビン時間、活性化部分トロンボプラスチン時間、トロンビン時間、フィブリノーゲン、FDP、Dダイマー

治療

  • 主な抗癌剤の薬理、投与法、副作用について述べることができる。
  • 抗腫瘍療法の支持療法について述べ、実施できる。
  • 抗腫瘍療法の支持療法について述べ、実施できる。
  • 輸血(全血、成分輸血、血液製剤、凝固因子濃縮製剤など)の適応、方法、副作用などについて述べることができる。
  • 抗癌剤の髄腔内注射ができる。
  • 中心静脈栄養ができる。
  • 無菌室を使った無菌支持療法ができる。
  • 手術、放射線治療、抗癌剤療法の適応を述べることができる。
  • 急性白血病、悪性リンパ腫の化学療法の概略を述べることができる。
  • 再生不良性貧血の治療法について述べることができる。
  • 鉄欠乏性貧血の原因追及・治療(経口・注射)ができる。
  • DICのメカニズムを理解し、検査・治療ができる。

(疾患)

貧血
A 1) 急性および慢性の出血性貧血
A 2) 鉄欠乏性貧血
A 3) 全身性疾患に併発する貧血
B 4) 巨赤芽球性貧血
B 5) 再生不良性貧血
B 6) 溶血性貧血

白血球系の疾患
B 1) 無顆粒球症

白血病
B 1) 急性骨髄性白血病、急性リンパ性白血病
B 2) 慢性骨髄性白血病 慢性リンパ性白血病
B 3) 骨髄異形成症候群

悪性リンパ腫
B 1) 非ホジキンリンパ腫
B 2) ホジキンリンパ腫

単クローン性蛋白血症
B 1) 多発性骨髄腫

出血性素因
B 1) 血小板減少性紫斑病
B 2) DIC

  
<方略 LS: Learning Strategies>
  

週間スケジュール

  
午前入院患者診療血液内科外来
骨髄採取
(移植用)
入院患者診療入院患者診療
午後グループカンファレンス入院患者診療血液内科外来骨髄像検討会入院患者診療
夕方
CPC
(第2木曜)

<研修評価 EV: Evaluation>
  1. 自己評価
    研修手帳、教育的行事の参加記録に記録する。EPOC2に自己評価を行う。
  2.  指導医による評価
    EPOC2により研修医評価する。
  3. 看護師による評価
    360度評価表により研修医評価する。

糖尿病センター(代謝内分泌内科)初期研修カリキュラム

カリキュラム責任者:角谷 佳城
  
<一般目標 GIO: General Instructional Objective>

内科一般に必要な臨床能力の取得、および糖尿病を中心とした生活習慣病、代謝内分泌疾患において、全身の系統的診察により正しい身体所見の取り方を学び、病態把握のための臨床検査を行うことにより正確な診断を行い、適切な薬物治療を選択し実践できることを目標とする。

  
<行動目標 SBO: Specific Behavioral Objective>
  

経験すべき診察法・検査・手技

  • 患者の訴えを真摯に傾聴し、それに対する適切な問診・病歴聴取を行い記載できる。
  • 全身状態の観察を行い、正確にバイタルサインをとり、身体所見を記載できる。
  • 頭頚部の診察(甲状腺触診を含む)ができ記載できる。
  • 胸部、腹部の診察ができ記載できる。
  • アキレス腱反射、振動覚検査、および末梢血管障害に関する診察ができ記載できる。
  • 尿一般検査を行い、結果を評価できる。
  • 血液一般検査、血液生化学検査を適切に指示し、結果を評価できる。
  • 血糖の簡易検査を実施することができる。
  • 尿中・血中ケトン体検査を行い、結果を評価できる。
  • 経口ブドウ糖負荷試験を行い、耐糖能を評価できる。
  • 内因性インスリン分泌能検査(血中・尿中Cペプチド測定、グルカゴン負荷試験)を行い、 インスリン分泌機能を評価できる。
  • BMI(Body Mass Index)、HOMA-Rを解釈し、インスリン抵抗性を評価できる。
  • 糖尿病コントロール指標(HbA1c、グリコアルブミン、1.5AG)を理解し、評価できる。
  • CGM(Continuous Glucose Monitoring)、FGM(FlashGlucoseMonitoring)を行い、結果を評価できる。
  • 内分泌疾患の診断・鑑別のための負荷試験を実施し、結果を評価できる。
  • 膵臓、肝臓、腎臓における画像診断上の異常を指摘できる。
  • 心電図、負荷心電図、心エコー検査の結果を解釈し、冠動脈疾患の診断、評価ができる。
  • 血管内皮機能検査、頸動脈エコー検査の結果を解釈し、動脈硬化の診断、評価ができる。
  • ABI(Ankle Brachial Index)検査、下肢動脈エコー検査、下肢MRA検査を解釈し、末梢血管病変の診断、評価ができる。

経験すべき症状・病態・疾患、指導・治療

  • 糖尿病における食事療法を理解し、指示、指導ができる。
  • 糖尿病における運動療法を理解し、適応判断と指導ができる。
  • 血糖自己測定およびCGMの意義を理解し、指導と評価ができる。
  • 糖尿病性ケトアシドーシス、非ケトン性高浸透圧昏睡の診断と治療を行うことができる。
  • 低血糖性昏睡の病態を理解し、対処することができる。
  • 経口血糖降下薬の作用機序、薬物動態、副作用、適応を理解し、適切な処方ができる。
  • インスリン製剤、GLP-1受容体作動薬の種類、作用、適応を理解し、適切な処方できる。
  • 糖尿病網膜症に対する眼科的治療を理解することができる。
  • 糖尿病腎症における食事療法、薬物療法を理解し、適切な処方ができる。
  • 糖尿病腎不全における透析治療を理解し、適切な時期に専門医に紹介できる。
  • 糖尿病神経障害における薬物療法を理解し、適切な処方ができる。
  • 糖尿病合併高血圧症における食事療法、薬物治療を理解し、適切な処方ができる。
  • 糖尿病合併脂質異常症における食事療法、薬物治療を理解し、適切な処方ができる。
  • 糖尿病合併冠動脈疾患における薬物療法を理解し、専門医に依頼することができる。
  • 糖尿病合併脳血管疾患における薬物療法を理解し、専門医に依頼することができる。
  • 糖尿病合併末梢血管障害における薬物療法を理解し、外科的治療の適応を判断し、専門医に依頼することができる。
  • 糖尿病におけるチーム医療を理解し、協力できる。
  • 甲状腺疾患、下垂体・副腎疾患の病態を理解し、薬物療法ができ、外科的治療の適応に関して、専門医に依頼することができる。
  
<方略 LS: Learning Strategies>

日本糖尿病学会認定専門医・指導医が主に病棟・外来において指導に当たる。糖尿病を中心とした主科入院患者5~8名を担当し、食事・運動療法の療養指導を始め、糖尿病教室への参加、各種検査の施行、およびインスリン治療を含む薬物治療を実践する。他科入院中の診療要請の糖尿病患者に対しても、周術期血糖管理や各種疾患・病態・治療に伴う高血糖是正等も担当する。また、症例検討会や指導医による糖尿病の基礎から最新治療に関する講義、学会や学術講演会への参加等により、更なる知識の修得や実臨床のレベルアップを図る。研修期間中に貴重な症例を経験した際には、専門医の指導のもと学会等での発表の機会を与える。

  

週間スケジュール

  
午前病棟病棟病棟病棟
病棟
One Pointレクチャー
午後病棟病棟病棟
糖尿病教室(隔月)
病棟病棟
夕方糖尿病レクチャー糖尿病レクチャー
カンファレンス
(症例検討、他)

<研修評価 EV: Evaluation>
  1. 指導医による評価: 研修指導医および関連スタッフが研修医の評価を行う。
  2. 研修医による評価: 自己評価ならびに研修診療科・指導医の評価を行う。

外科初期研修カリキュラム

カリキュラム責任者:山添 定明
  
<一般目標 GIO: General Instructional Objective>

臨床医にとって必要な一般・消化器外科における知識を学び、問題解決のための科学的思考力と基本診療技術を習得する。外科研修を通じて全人的医療の理解と実践に努め、生涯にわたって成長できる医師としての基盤を築く。

  
<行動目標 SBO: Specific Behavioral Objective>
  

外科的患者における周術期の状態を正確に把握し、適切に管理できることを目標とする。周術期管理の知識はプライマリケアに広く応用できる。

  1. 外科診療に必要な以下の項目について基礎的知識を習得する。
    (1)解剖生理学
    (2)外科病理学
    (3)腫瘍学
    (4)臨床外科学
     ①輸液と輸血
     ②栄養と代謝
     ③創傷管理
     ④循環管理(ショックの診断と治療)
     ⑤呼吸管理
     ⑥外科的感染症
  2. 外科診療に必要な基本診療技術を習得する。
    (1)外科的患者について観察すべき項目を理解し、身体所見をとることができる。
    (2)各種機能検査を理解し、術前のリスク評価ができる。
     ①心肺機能検査
     ②肝機能検査
     ③腎機能検査
     ④内分泌、代謝機能検査
    (3)各種画像検査を評価し、病態を診断することができる。
     ①エックス線単純撮影
     ②CT,MRI,血管造影
     ③上・下部消化管造影
     ④超音波検査(腹部、体表)
     ⑤上・下部消化管内視鏡検査
     ⑥PTC,ERCP
     ⑦マンモグラフィー
    (4)以下の基本的処置を行うことができる。
     ①静脈路の確保(末梢、中心静脈)
     ②静脈、動脈採血
     ③胃管の挿入と管理
     ④胸腔、腹腔穿刺
     ⑤消毒法
     ⑥局所浸潤麻酔
     ⑦皮膚の切開、縫合
     ⑧指導医のもとでの小手術
      皮膚良性腫瘍摘出、リンパ節生検、乳腺腫瘤摘出、ヘルニア根治術など
  3. 外科症例を通じて総合的に外科的診療を学ぶ。
    (1)以下の疾患について病態を理解し、診断および治療計画を立てることができる。
     ①消化器癌(食道癌、胃癌、大腸癌、肝癌、胆道癌、膵癌)
     ②胆石症、胆嚢炎、胆管炎、膵炎
     ③急性腹症(消化管穿孔、腸閉塞、急性虫垂炎、腹膜炎など)
     ④ヘルニア、肛門疾患
     ⑤乳腺、甲状腺疾患
    (2)以下の標準術式を理解し、手術助手を務めることができる。
     ①幽門側胃切除術、胃全摘術
     ②結腸切除術
     ③直腸前方切除術、直腸切断術
     ④人工肛門造設術、閉鎖術
     ⑤消化管吻合術
     ⑥胆嚢摘出術
     ⑦肝切除術
     ⑧膵切除術
     ⑨消化管穿孔手術
     ⑩イレウス手術
     ⑪虫垂切除術
     ⑫ヘルニア根治術
     ⑬乳腺手術
     ⑭胸腔鏡下、腹腔鏡下手術
     ⑮ロボット支援下手術
    (3)術後の病態を理解し、適切な術後管理ができる。
     ①循環管理
     ②呼吸管理
     ③輸液管理
     ④栄養管理
     ⑤疼痛管理
     ⑥創傷管理
     ⑦ドレーン管理
     ⑧感染管理
     ⑨術後の療養、生活指導
    (4)術後合併症を理解し、その対処法を知る。
    (5)癌集学的治療を理解し、実践する。
     ①化学療法
     ②放射線療法
     ③免疫療法
    (6)緩和医療(終末期症候)を理解し、実践する。
  4. 外科研修を通じて全人的医療の理解と実践に努め、生涯にわたって成長できる医師としての基盤を築く。
    (1)医の倫理に配慮し,総合的な外科の診療を行う適切な態度,習慣を身に付ける。
     ①担当医として良好な医師患者関係を築くことができる。
     ②患者、家族がともに納得できる医療を行うためのインフォームド・コンセントを理解する。
     ③患者の心理的、社会的背景など多方面の問題に配慮することができる。
     ④メディカルスタッフと協調・協力してチーム医療を実践することができる。
     ⑤医師として自己の能力と病院機能を考慮し、上級医・指導医への報告・連絡・相談が適切に行うことができる。
    (2)カンファレンスにおいて症例のプレゼンテーションと討論ができる。
    (3)学会や研究会での発表を行う。
    (4)NST、ICT、褥瘡、緩和などのチーム医療にも参加する。
    (5)科学的根拠にもとづいた医療(EBM)を理解し、実践する。
    (6)医学の進歩に合わせて生涯学習を行う方法を習得し実行できる。
  
<方略 LS: Learning Strategies>
  • 基本的に研修期間中は指導医がマンツーマンで指導を行う。
  • 基本的知識の習得については自己学習を基本とするが、レクチャーやカンファレンスを通じて講義する。
  • 基本的診療技術の習得についてはシミュレーター実習の後、見学、助手を経て術者として経験させる。
  • 指導医と共に担当医として症例を受け持ち、実際の現場で総合的な知識と技術を習得させる。
  

週間スケジュール 例

  
8-9時指導医と回診指導医と回診指導医と回診
術前・病棟
カンファレンス
勉強会
研修チェック
指導医と回診
午前手術
病棟
外科救急
手術
病棟
外科救急
病棟
指導医と回診
午後手術
検査
外科救急
手術
検査
外科救急
手術
夕方
病理
カンファレンス

毎週
消化器画像
カンファレンス

<研修評価 EV: Evaluation>
  1. 研修評価票Ⅰ、Ⅱ、Ⅲを含めたEPOC2にて評価を行う。
  2. 基本的に指導医がそれぞれの項目について適宜、形成的評価を行う。
  3. 週1回部長担当で、研修医および指導医に研修態度・内容・要望を確認する。
  4. 360度評価を行い、医師以外のメディカルスタッフの評価も行う。

救急初期研修カリキュラム

カリキュラム責任者:松尾 吉郎
  
<一般目標 GIO: General Instructional Objective>
  1. いかなる状況においても、まずは患者に向き合う気持ちを持つ。
  2. 一般及び緊急診療手技の基本を習得する。
  3. 緊急に診療を必要とする各種の疾患に対して、適切かつ迅速に判断し、処置しえる。
  4. 救急医療システムを理解する。
  
<行動目標 SBO: Specific Behavioral Objective>
  

A: 基本事項

  1. バイタルサインを正しく把握・解釈する。
  2. 問診・全身の診察を迅速かつ効率的に行うことができる。
  3. 問診・全身の診察から初期診療計画を立てることができる。
  4. 生命維持に必要な処置を的確に行うことができる。また、一次、および二次救急蘇生法を的確に行うことができる。
  5. その後の状況の変化に応じて、診療計画をよりよいものに改善することができる。
  6. 検査異常値を指摘、判断し診療に役立てることができる。
  7. 情報や診療内容を正確に記録することができる。
  8. 患者の診療を他の医師・医療機関に紹介すべき状況を的確に判断し、紹介することができる。
  9. 救急医療システムを理解する。
  10. 災害医療の基本を理解する。

B: 経験しなければならない手技

  1. 気道確保を実施できる。
  2. 気管挿管及び確認を実施できる。
  3. 人工呼吸を実施できる。
  4. 胸骨圧迫を実施できる。
  5. 電気的除細動の適応・合併症を理解し、適切に実施できる。
  6. FAST(迅速簡易超音波検査法)を実施できる。
  7. 注射法を実施できる。
  8. 採血法(静脈、動脈)を実施できる。
  9. 救急薬剤の作用・副作用を理解した上で、適切に投与することができる。
  10. 穿刺法を実施できる。
  11. 胃管の挿入および管理ができる。
  12. 導尿法を実施できる。
  13. 軽度の外傷処置(縫合処置も含む)および熱傷処理が実施できる。
  14. 緊急輸血の適応を判断し、実施できる。

C: 救急で経験しなければならない疾病、病態

  1. 意識障害・失神
  2. 心肺停止
  3. ショック
  4. 急性冠症候群
  5. 外傷、骨折
  6. 誤嚥、誤飲
  7. 熱傷
  8. 脳血管障害(運動麻痺・筋力低下)
  9. 痙攣発作、視力障害
  10. 急性心不全
  11. 急性呼吸不全、気管支喘息、COPD
  12. 急性腎不全・尿閉、腎盂腎炎
  13. 急性感染症
  14. 急性中毒症
  15. 急性腹症
  16. 急性消化管出血

D: 救急医療システム

  1. 救急医療体制を説明できる。

E: 災害時医療

  1. 災害時の救急体制を理解し、START方式を基本とした一次トリアージができる。
  
<方略 LS: Learning Strategies>
  

通常時間帯勤務

  • 救急患者が来院した時に、指導医と研修医が初期診療を行う。
  • 初期診療によって、各科の専門外来へ紹介するか、入院の必要性が生じた場合は、一時的に救急処置室か、もしくは各病棟への入院を決定する。
  • 入院の決定に関しては患者の容態の経過を見極めつつ、各専門外来の担当医と相談し、迅速に対応する。

通常時間外勤務      

  • 医局の当直体制と連携した勤務を行い、通常時間帯と同様に上級医師と共に初期診療によって、適切な対応を行う。また、週1~2回の副当直に入り、1カ月で計4~8回、各科での副当直を各2回程度研修する。
週間スケジュール
  
8-9時救急講義カンファレンス
救急講義
(適宜)
救急講義救急講義
午前ERERERERERER
午後ERERERERERER
  
<研修評価 EV: Evaluation>
研修評価票Ⅰ、Ⅱ、Ⅲを含めたEPOC2にて自己評価及び指導医評価を行う。

麻酔科初期研修カリキュラム

カリキュラム責任者:森 正信
  

(概要)
府中病院で行っている年間麻酔科管理件数は約1,500例です。当院は、日本専門医機構が認定した麻酔科専門医が専従する日本麻酔科学会認定の麻酔科認定病院です。さまざまな専門科の最先端の手術に対応しており、患者様ひとりひとりの状態に応じた、きめの細かい麻酔診療を心がけています。また、幅広い知識と技術を最先端に保つため、学術的活動も継続しています。臨床研修医の指導にも熱心に取り組んでいます。

  
<一般目標 GIO: General Instructional Objective>
  

手術患者に対する麻酔管理を麻酔科医師指導のもとで行い、気道確保、循環管理、呼吸管理、体液管理、代謝管理、鎮痛法など全身管理の基本的な知識、手技の習得を目的とする。

  
<行動目標 SBO: Specific Behavioral Objective>
  
  1. 各種麻酔法(全身麻酔、硬膜外麻酔、脊髄くも膜下麻酔、伝達麻酔など)を説明できる。
  2. 各種麻酔法の合併症と対策を説明できる。
  3. 症例に応じた麻酔法を計画できる。
  4. 麻酔に必要な物品を準備できる。
  5. 麻酔記録を記載できる。
  6. 気道確保が実践できる。
  7. バッグマスク換気を実践できる。
  8. 気管挿管を実践できる。
  9. 挿管困難症例の特徴、対処法を説明できる。
  10. ラリンジアルマスクなどの声門上器具を挿入できる。
  11. 人工呼吸の各種モードを説明し、設定できる。
  12. 麻酔導入、覚醒時の問題を説明できる。
  13. 抜管の条件を説明し、安全に抜管できる。
  14. 末梢静脈路を確保できる。
  15. 各種モニター理解し、説明できる。
  16. 各種静脈麻酔薬の使用方法、副作用を理解し説明できる。
  17. 各種麻薬の使用方法、副作用を理解し説明できる。
  18. 筋弛緩薬の使用方法、副作用を理解し説明できる。
  19. 各種循環作動薬の使用方法、副作用を理解し説明できる。
  20. 輸血、血液製剤の適応を説明できる。
  21. 周術期スタッフ、患者とのコミュニケーションがとれる。
  
<方略 LS: Learning Strategies>
  1. 手術室研修
    全身麻酔症例を麻酔科医師指導のもとで担当する。
  2. モーニングレクチャー
    一年次に二回にわたり基本的知識習得のためのレクチャーを行う。
  3. 症例検討
    必要に応じて適宜、指導医と行う。
  4. 学会活動
    希望に応じて麻酔科関連学会に出席する。
  

週間スケジュール 例

  
8-9時当日担当症例の問題点の整理と課題当日担当症例の問題点の整理と課題当日担当症例の問題点の整理と課題当日担当症例の問題点の整理と課題当日担当症例の問題点の整理と課題当日担当症例の問題点の整理と課題
午前臨床麻酔研修
術後回診
臨床麻酔研修

臨床麻酔研修臨床麻酔研修臨床麻酔研修
座学
麻酔科学
論文読影
午後臨床麻酔研修臨床麻酔研修
臨床麻酔研修
術前診察準備

術前診察
臨床麻酔研修
臨床麻酔研修
座学
麻酔科学
論文読影
夕方
当日症例の振り返り
翌日症例の問題点、課題検討
当日症例の振り返り
翌日症例の問題点、課題検討
当日症例の振り返り
翌日症例の問題点、課題検討
当日症例の振り返り
翌日症例の問題点、課題検討
当日症例の振り返り
翌日症例の問題点、課題検討

<研修評価 EV: Evaluation>
  1. 自己評価  :EPOC2で行う。
  2. 指導医評価:EPOC2で行う。

精神科初期研修カリキュラム

研修実施施設:医療法人利田会久米田病院
  
  
<一般目標 GIO: General Instructional Objective>
  

厚生労働省の臨床研修到達目標に基づき、医師としての人格を涵養し、プライマリ・ケアを遂行しうる臨床医を基本とし、特に精神科および神経科疾患全般の診療に必要な基本的知識、技能、及び医師として必要な態度を身につけることを目標とする。
日常診療に必要な精神医学的基本知識を深め、患者や家族に対する支持的・共観的接近法をを身につけ、専門医に紹介すべきどうかを判断する力を修得する。研修期間は1カ月とする。

  
<行動目標 SBO: Specific Behavioral Objective>
  

1. 基本目標

  • 精神保健・医療を必要とする患者とその家族に対して、全人的に対応するために、患者の人権を尊重した、治療的な医師患者関係を結ぶことができる。
  • 患者の問題となる状態像を把握することができる。
  • 精神症状の捉え方の基本を身につける。
  • 精神疾患に対する初期的対応と治療の実際を学ぶ。
  • 精神保健法について理解している。

2. 面接

  • 精神障害者を診察する際の基本的態度がとれる。
  • 心身両面にわたる必要十分な精神科的病歴を聴取できる。
  • 患者の不安を緩和する精神療法的面接姿勢がとれる。
  • 必要に応じて他科、あるいは指導医にコンサルテーションできる。

3. 検査

  

以下の精神科的諸検査について方法・内容を理解し、その結果を解釈できる。

  • 身体的検査(頭部CT、MRI、脳波など)
  • 神経電気生理検査(筋電図、誘発筋電図、大脳誘発電位)
  • 心理検査(CMI、SCT、ロールシャッハなど)
  • 神経心理学検査(失語症検査、高次神経機能検査など)
  • 知的機能検査(WEIS、長谷川式、西村式など)

4. 診断

  • 精神症状を正確に把握して、器質性精神疾患と機能性精神疾患を鑑別することができる。
  • 器質性精神疾患(主として意識障害)を鑑別することができる。
  • 機能性精神疾患(うつ病、神経症、心身症、統合失調症など)を鑑別することができる。

5. 治療

① 以下の向精神薬の薬効、副作用を理解し、適切に処方、投与できる。
 ア. 抗不安薬
 イ. 強力精神安定剤
 ウ. 抗うつ薬
 エ. 睡眠薬、睡眠導入剤
 オ. その他の向精神薬
② 以下の精神科特殊療法の内容を理解している。
 ア. 個人精神療法
 イ. 行動療法
 ウ. 家族カウンセリング
 エ. 箱庭療法
 オ. 集団精神療法
 カ. その他の精神療法
③ インフォームドコンセントに基づく治療的関係がつくれる。
④ チーム医療において他の医師や他の医療メンバーと協力する習慣を身につける。
⑤ コンサルテーション・リエゾン活動に参加できる。
  

6. 経験が求められる疾患・病態

  • 症状精神病
  • 痴呆(血管性痴呆を含む)、認知症
  • アルコール依存症
  • うつ病
  • 統合失調症(精神分裂病)
  • 不安障害(パニック症候群)
  • 身体表現性障害、ストレス関連障害
  • 興奮、せん妄
  • 抑うつ
  • もの忘れ
  
<方略 LS: Learning Strategies>
  • 研修医は指導医の指導監督のもとに外来治療を行い、精神科医に必要な診療能力を高める。
  • 研修医は指導医の指導監督のもとに入院患者の主治医として診療を行う。
  • 研修医は指導医の指導監督のもとにコンサルテーション・リエゾン活動を行う。
  • 研修医は入院受け持ち患者の退院後2週間以内にサマリーを記載し、指導医の評価を受ける。
  
<研修評価 EV: Evaluation>
  1. 研修目標の各項目について、自己評価及び指導医評価を行う。
  2. 自己評価:EPOC2および事後レポートを用いて自己評価を行う。
  3. 指導医による評価:EPOC2およびレポート等を用いて評価する。
研修実施施設:医療法人杏和会阪南病院
  
  
<一般目標 GIO: General Instructional Objective>
  

臨床医として患者を全人的にとらえること、すなわち患者の持つ問題を身体面のみならず、精神面や社会的側面からも理解し、感性をみがき、患者や家族、さらに医療スタッフと良好な人間関係を築き、精神障害の診断、治療、社会復帰などに必要な基礎的な知識と技術を習得できるように努力する。

  
<行動目標 SBO: Specific Behavioral Objective>
  

臨床医として持つべき精神医学的素養として、以下のことを院内外(外来・病棟・OT・DC・GH・地域生活支援センターなど)において実習する。

  1. 良好な患者・家族-医師関係を確立するための治療、面接法
    患者の主訴や家族の訴えをしっかり受け止め、来院に至った動機や経緯、病にかかわる諸々の恐れや不安などを同じ目線で共感的に傾聴し問題点を明らかにする。その際、会話の内容だけでなく、話し方、表情、姿勢など非言語的な面も注意深く観察し総合的な所見を得るようにする。
  2. 基本的な精神症状のとらえ方を習得する
    不眠、痙攣発作、不安、興奮・せん妄、もの忘れ、抑鬱などの症状を聞き出し、そのタイプや重症度を判断できるようにする。精神科救急にかかわる意識障害、精神運動興奮、昏迷、自殺念慮(企図)についても診断できるようにし、さらに躁状態、幻覚・妄想などの病的体験についても、その特徴や内容を把握できるようにする。
  3. 精神疾患に対する初期的対応および治療
    通常の初診患者に対する初期対応のあり方や治療を始めるにあたっての要領を身につける。受診にあたっての諸々の不安や恐れを察知し、その解消をはかるため、患者や家族の訴えに耳を傾け、診断やこれからの治療方針などを、納得のいくように充分患者や家族に説明する。
  4. 主要な精神疾患の診断と治療
    総合失調症、うつ病、痴呆(認知症)及び依存症については入院患者を主治医とともに受け持ち、診断、検査、治療方針についてケースレポートを提出する。
  5. 精神科領域の救急
    意識障害、精神運動興奮、自殺企図に対する救急治療に参加し経験する。
  6. 社会復帰訓練や地域支援体制
    デイケア、作業療法、SSTや地域生活支援センターの実際を経験する
  7. チーム医療
    Dr、Ns、CP、OTR、PSWなど医療・保健・福祉の幅広い専門職チームで患者中心の医療を経験し、チームリーダーのあり方を把握する。
  8. 精神保健福祉法
    非自発的入院(医療保護入院・措置入院)や隔離、拘束に際し人権を十分配慮すべく精神保健福祉法が制定されていることや、具体的な法的手続き、精神保健指定医の役割を把握する。
  9. リエゾン精神医学
    他科と精神科との境界領域にあるストレス関連精神障害などを主として治療しているメンタルケア病棟および、睡眠障害治療の実際を経験し、今後のリエゾン・コンサルテーションに役立てる。

※上記研修内容は研修期間(1カ月~3カ月)により変更する。

  
<方略 LS: Learning Strategies>
  
外来、病棟と臨床現場を通じて必要な知識と技能の習得をめざす。また研修医に1名のチューターが付き、外来の陪席や入院患者対応を行う。新入院患者でチューターが主治医になった場合は研修医も担当医となる。レポート提出は統合失調症、気分障害、認知症であるが、チューターの患者すべてが受け持ち患者となるため、上記症例以外の患者対応も含めチューターと一緒に診る。毎日夕方に、1時間程度の講義を予定しており、精神保健福祉法や医療観察法、精神科面接、気分障害、精神科薬物療法他を学ぶ。
また、患者ごとに開放・閉鎖の処遇が異なる。隔離・拘束といった処遇に関しても把握するとともに、鑑定など入れば同行し、様々な精神科症例に対する技術の習得を目指す。
希望により、終夜睡眠PSG検査実習及び精神科救急実習を行う。火曜日は隔週で夕刻より勉強会、抄読会を行う。また、火曜日の16時からはケースカンファレンスを行ない、患者とのかかわり方や治療について評価を受ける。
  
<研修評価 EV: Evaluation>
  1. 研修目標の各項目について、自己評価及び指導医評価を行う。
  2. 自己評価:EPOC2および事後レポートを用いて自己評価を行う。
  3. 指導医による評価:EPOC2およびレポート等を用いて評価する。
研修実施施設:医療法人永和会こころあ病院
  
  
<一般目標 GIO: General Instructional Objective>
  

全人的医療の観点から、個々人に合った総合的な診断・治療・疾病予防を行うため、身体面のみならず精神や社会的側面からも対応できるように、精神科における基本的な診断・治療・社会復帰、医療コミュニケーション、チーム医療等、必要な知識と技術の習得を目指す。

  
<行動目標 SBO: Specific Behavioral Objective>
  
  1. 医師-患者間の信頼関係構築のための医療面接
    医療面接ではまず患者や家族の訴えを共感的に傾聴し、丁寧に話を聞いていく。そこから、問題点を明らかにしていくが、正確な情報収集においては、言語面のみでなく、非言語的な面にも注意を向け、総合的な判断を行う必要がある。また、患者や家族側の積極的な治療態度を引き出すためにも、医師―患者間の信頼関係を構築することは非常に重要なことである。
  2. 精神症状の捉え方の基礎を習得
    精神症状に関する正確な知識や専門用語を学習し、医療面接で得られた情報から、不眠や不安、せん妄、もの忘れ、抑うつ、躁状態、幻覚・妄想等、精神症状や病的体験に関して、実践を通して理解・判断できる技術を身につける。
  3. 精神疾患に対する初期対応、及び治療
    精神疾患を持つ患者に特有の恐れや不安、過敏さなどへの初期対応の方法を学び、患者が安心して治療を受けられるように努めていく。また、患者や家族の訴えを傾聴し、診断や治療方針など、分かりやすく納得できるよう説明していくなど、必要なかかわり方に関しての学習を行う。
  4. 主要な精神疾患の診断と治療
    主要な精神疾患である統合失調症、うつ病などの気分障害、認知症等に関して、診断、各種疾患の特徴やかかわり方、検査、治療、退院支援等について、当院における入院や外来の症例を通して学んでいく。
  5. 医の倫理(人権の尊重とインフォームドコンセント)
    医療がもたらす内容の全てを患者に分かりやすく説明し、了解をとった上で治療を行い(インフォームドコンセント)、患者のプライバシーにも配慮し、職務上知りえた情報については守秘義務として厳しく守らねばならない(個人情報保護)、また開示に耐えられる正確な診療記録の作成など、医師は患者の心身に与える影響が極めて大きく、厳しい倫理性が要求される。
  6. チーム医療・多職種連携
    患者中心の医療の実現のために、医師のみでなく、看護師・薬剤師・精神保健福祉士・作業療法士・管理栄養士などの多職種との連携についても経験し、チーム医療やチームリーダーとしてのあり方についても学習する。
  7. 精神保健福祉法
    精神科領域では、患者の医療や人権に配慮すべく精神保健福祉法が制定されており、関連する事柄に関して把握しておく必要がある。例えば、精神科における入院形態には任意入院、医療保護入院、措置入院、応急入院など様々なものがあり、隔離・拘束といった行動制限などとも併せて、法的手続きや精神保健指定医の役割などを理解するなどである。
  8. 精神科リハビリテーションと地域支援体制
    社会復帰のための精神科リハビリテーション(作業療法)や、デイケア、グループホーム、訪問看護などの実際を経験し、地域支援体制を理解する。
  
<方略 LS: Learning Strategies>
外来通院、入院療養、精神科リハビリテーション(デイケア、作業療法等)で加療を受けている患者や新規患者の治療に陪審、及び指導医のもとで主治医として担当することにより、精神科としての接し方、精神症状の把握・診断、治療、社会的支援等について実際の臨床を通じて学び、精神科に必要な臨床的技術を身につける。また、必要症例(統合失調症、気分障害、認知症等)についてはレポート提出を行い、評価を受ける。
他、適宜症例検討会やカンファレンスを実施し、治療についての相談、意見交換を行う。
  
<研修評価 EV: Evaluation>
  1. 研修目標各項目について自己評価・指導医評価を行う。
  2. 面接(討論)、レポート、EPOC等を用いて評価を行う。
  
9:00~12:00外来病棟業務病棟業務外来病棟業務
13:00~17:00
病棟業務
症例検討会
病棟回診
病棟業務
外来
病棟業務
(デイケア)
カンファレンス
外来
研修実施施設:和泉中央病院
  
  
<一般目標 GIO: General Instructional Objective>
  

精神と行動の障害に対し、全人的な立場から病態生理 診断 治療を理解し良好な患者と医師の信頼関係に基づいた全人的医療を学ぶ。

  
<行動目標 SBO: Specific Behavioral Objective>
  
  • 医師面接 医師・患者関係の構築
    医療面接は臨床の第一歩であり、その目的は、正確な情報収集(言語的 非言語的)と医師患者間の信頼関係の構築にある。それに際して、治療者は患者の症状に共感し、患者が積極的に治療に参加できるような雰囲気作りを構築することが重要である。
    上記の実践に当たっては、具体的に自己紹介などの挨拶から始まり、真摯な態度で丁寧に訴えを聞いていく姿勢が必要となる。精神科の臨床においては、生活歴や現病歴家族歴などの詳細な記載が診断に大きく関わってくるため、そのような情報を正確に把握するためにも医師患者間の信頼関係の構築が重要である。
  • 精神症状の捉え方の基本
    精神疾患とは何かについて学習する。正確な知識 専門用語の理解とともに、医療面接を通して得られた情報から何が精神症状かを理解、判断できる技術を身につける。具体的には、もの忘れや興奮 昏迷 せん妄 抑うつ 躁状態 幻覚妄想状態などの精神症状を十分理解する必要がある。症例を通して実践的に学習する。
  • 精神疾患に対する初期対応と治療
    精神科の患者は全体的に過敏な状態にあり、刺激に対して過剰に反応する。このため初期対応として大切なことは、患者の安全を確保し安心感を与えることである。その上で訴えを傾聴し、十分な共感の基に現在の状態をわかりやすい言葉で説明し、治療の必要性に言及していくことが必要である。その関わり方について学習する。
  • 精神疾患の診断 治療
    主要疾患である統合失調症 うつ病 認知症 依存症について入院 外来症例について学ぶ。外来では神経症からうつ病 統合失調症 認知症(物忘れ外来)などの予診陪席を通して精神症状の把握 検査 診断 治療方針を学習する。入院については、救急医療 統合失調症 うつ病 認知症 依存症などの各種疾患の特徴 関わり方治療、退院支援などの在宅支援について学習する。いずれも外来から入院に至る経過各種検査指示 診断 治療方針を指導医とともに共観する形で実践的に学習する。治療に当たっては精神療法 薬物療法 認知行動療法 リハビリ療法などについて、それぞれの特徴を学ぶ。
  • 精神保健福祉法 自立訓練などの理解
    精神医療の現場においては、患者の医療及び保護を行う目的で精神保健福祉法が定められている。精神科の入院には、任意入院 措置入院 医療保護入院 応急入院など様々な形態があり、それぞれについての法的理解が必要である。また隔離拘束などの行動制限についても、精神保健福祉法との関連で理解する必要がある。また地域生活を支援するものとして自立訓練各種についても学習する。
  • 症例カンファレンスと多職種連携
    指導医の指導の基に患者の症状の把握 診断 治療を行い、ケースレポートを作成する。それを多職種(医師 看護師 薬剤師 臨床心理士 精神保健福祉士 作業療法士 管理栄養士)とのカンファレンスにより評価し、研修医にフィードバックする。
  • 精神医療と地域包括ケア
    精神医療はまさに包括ケアであり、地域で生活していくためには、そのハンディキャップに応じた様々な社会資源を利用して生活を安定させる必要がある。デイケア デイナイトケア 重度認知症デイケア 生活訓練施設 グループホーム 就労支援 就労移行支援 訪問看護 介護 地域包括支援センター リワークリハビリテーションセンターなどでの学習体験 カンファレンスへの参加により精神医療の現状を理解する。
  
<方略 LS: Learning Strategies>
  
毎日朝のカンファレンスに参加。研修医に対しては指導医がついて診療に当たる。入院病棟(急性期 認知症病棟 回復期病棟 慢性期病棟)、外来で指導医と患者を共感する。精神科としての関わり方 接し方から精神症状の把握(特に物忘れ せん妄 うつ状態などの理解)診断(鑑別診断を含む)治療について、実際の臨床を通して学習する。また、DVD 書籍などの学習教材も併用しながら学習を進める。急性期医療においては入院から退院に至るパスに基づいて多職種と連携し、退院後の社会的支援(アウトリーチ)についても計画を立てられるようにする。物忘れ外来ではMRIや心理検査などを通して診断   治療方針 介護連携などについて学習する。毎週指導医と面接し、ミニレクチャーを受けるとともに治療について相談し意見交換する。また、院内勉強会 WEB研修 薬事委員会などの教育プログラムに参加して技術の向上を目指す。必要症例についてはレポート提出を行い、カンファレンスで発表し評価する。
  
<研修評価 EV: Evaluation>
  • 研修目標各項目について自己評価 指導医評価を行う。
  • 評価については EPOC レポート 面接等を用いて行う。
午前病棟病棟外来外来病棟
病棟カンファレンス
デイケア
デイナイトケア
認知症ケア
予診
陪席
病棟カンファレンス
午後病棟外来病棟カンファレンス病棟カンファレンス講義
カンファレンス
薬剤勉強会
クリニック
リハビリテーションセンター
講義セクションカンファレンス
予診
陪席
Contents
@入院 急性期病棟 認知症病棟 入院患者 指導医と共観
    毎週 病棟conference 指導医・多職種同席
    症例発表
@外来 一般外来 新患 予診 陪席
    リハビリ DC DNC 認知症DC 参加体験
    患者conference 参加
@自己学習 書籍 DVD VIDEO
@院外学習 措置鑑定 診察同伴
 保健所 地域包括支援センター
     往診 訪問 同伴
 クリニック リハビリテーションセンター
     新患 予診 診察陪席

小児科初期研修カリキュラム

カリキュラム責任者:今田 理恵
  

小児科研修は、主に協力施設(ベルランド総合病院または和泉市立総合医療センター)で行うこととするが、当院でも選択科として、小児科外来および新生児室で以下の研修を行うことが可能である。

  
<一般目標 GIO: General Instructional Objective>
  

外来診療を通じて、小児医療におけるCommon Diseaseの病態を理解し、診断および治療に必要な基本的知識と技術の習得ができる。新生児室においては、晩期早産児や正期産児についての基本的な診察方法を身につけ、病的新生児の病態を理解し、診断および治療に必要な基本的知識と技術の習得ができる。

  
<行動目標 SBO: Specific Behavioral Objective>
  
  1. 発育・発達の正常過程とそのバリエーションの範囲を理解し、逸脱があればこれを疑い、上級医あるいは専門医にコンサルトすることができる。
  2. 養育者の育児・看護にかかわる能力を評価し、援助し、社会的な逸脱があればこれを疑い、上級医あるいは専門家・福祉機関との連絡を確立することができる。
  3. 授乳および卒乳計画の進行を援助し、予防接種計画を立てて実行することができる。
  4. 小児のCommon Diseaseの自然経過とそのバリエーションの範囲を理解し、逸脱があれば上級医あるいは専門家にコンサルトすることができる。
    ア)Common cold、いわゆる夏風邪、発疹性各疾患(麻疹、風疹、突発性発疹、溶連菌、水痘、川崎病など)、ウイルス性胃腸炎の典型例が診断でき、または疑って、上級医あるいは専門家に コンサルトできる。
    イ)気管支喘息発作を診断し、重症度を評価し、軽症~中等度の発作に対する応急的対症療法を行い、症状の変化を観察・評価して、上級医あるいは専門医に報告することができる。
    ウ)痙攣患児の症状を観察し、上級医あるいは専門医に報告し、抗痙攣剤による初期治療を行うことができる。
    エ)輸液の適応について概略の理解を持ち、輸液計画を立て、症状の変化を観察して、上級医あるいは専門医に報告することができる。
  5. 小児特有の緊急性の高い疾患で一定の頻度を持つものについて、概略の知識を持ち、これらを疑って、上級医あるいは専門医にその疑う理由を述べて報告することができる(化膿性髄膜炎、脳炎、喉頭蓋炎、心筋炎、動脈管依存性心奇形、腸重積、細気管支炎など)。
  6. 晩期早産児~正期産児についての生理学的特徴を理解し、診察し、異常所見を的確に述べることができる。軽症の病的新生児の診断と初期治療を行うことができる。
  7. 小児の全身状態を評価し所見を述べて、上級医あるいは専門医に報告することができる。
  8. 自己と自己の属する施設の能力とその限界を客観的に把握し、適切な時期に患児を必要な施設や診療科に紹介することができる。
  9. 他科の専門医、さまざまなコメディカルスタッフの能力を知り、信頼し、必要な依頼を行い、教示を受けることができる。
  
<方略 LS: Learning Strategies>
  1. 小児科外来(診察・採血・点滴・検査・処置・病状説明)
  2. 新生児室および分娩室(診察・採血・点滴・検査・処置・病状説明・異常分娩立ち会い・新生児蘇生)
  

週間スケジュール

8-9時
新生児室
(採血)
新生児室
(採血)
新生児室
(採血)
新生児室
(採血)
新生児室
(採血)
研修日
午前
外来
(一般)
新生児室
(帝王切開立会い含)
新生児室
外来
(一般)
新生児室
(帝王切開立会い含)
研修日
午後
外来
(フォローアップ予防接種)
外来
(予防接種)
新生児室
外来
(乳児健診)
外来
(乳児健診)
研修日
夕方
産科小児科合同カンファレンス
(第1.3)
研修日
<研修評価 EV: Evaluation>
  1. 自己評価:研修評価表の自己評価欄に研修医自身が記入する。
  2. 指導医評価:研修評価表の指導医評価欄に指導医が記入する。

産婦人科初期研修カリキュラム

カリキュラム責任者:山﨑 則行
  
  
<一般目標 GIO: General Instructional Objective>
  1. 女性特有の疾患による救急医療を研修する。
    これらを的確に鑑別し、初期治療を行うための基本知識及び手技を習得する。
  2. 女性特有のプライマリケアを研修する。
    女性の性周期に伴うホルモン環境の変化を理解し、それらの失調に起因する生理的、肉体的、精神的変化を来たす疾患の診断と治療を研修する。
  3. 妊産褥婦ならびに新生時の医療に必要な基本的知識を研修する。
<行動目標 SBO: Specific Behavioral Objective>
  
  1. 産婦人科診察に必要な基本態度、技能を修得する。
  2. 産婦人科診察に必要な種々の検査を行い、その結果を診断し、家族、患者にわかり易く説明できるようにする。
  3. 基本的な治療法を研修する。
    特に妊産褥婦並びに新生児に対する投薬の問題点、治療上での制限について研修する。
  
<方略 LS: Learning Strategies>
  1. 研修医は、指導医の指導監督のもと外来診察もしくは入院患者の受け持ち医として診療を行う。
  2. 研修医は、必要な検査については、できるだけ自ら実施し、受持ち患者の検査として、診察に活用する。
  3. 研修医は、指導医の監督のもとに当直を行い、緊急患者の外来診療及び病棟診察、分娩の時間外診察と研修を行う。
  4. 研修医は、受け持ち患者の症例レポートを提出する。
  5. 研修医は、症例検討会、抄読会、回診、その他 CPC、各種カンファレンス、研究会に積極的に参加し、発表する。
  6. 研修医は、学会には積極的に参加し、長期研修者は症例報告を行い、学会発表の基本を習得する。
  

週間スケジュール

  
8-9時産科テレビカンファレンス病理カンファレンス(第4週)
午前病棟・分娩手術病棟・分娩病棟・分娩手術
午後分娩・産科エコー手術分娩・産科エコー外来検査手術
夕方カンファレンス(症例検討会)新生児カンファ(第1・3週)

<研修評価 EV: Evaluation>

研修評価票Ⅰ、Ⅱ、Ⅲを含めたEPOC2にて自己評価及び指導医評価を行う。

CV

  1. 婦人科
 (1)婦人科良性腫瘍の診断ならびに、治療計画の立案
 (2)婦人科良性腫瘍の手術の第2助手として参加
   ア. 外来診療もしくは受持ち医として、子宮ならびに卵巣の良性疾患のそれぞれを2例以上経験し、レポートを作成する。
   イ. 必要な検査・細胞診・病理組織検査・超音波検査・放射線学的検査・内視鏡的検査等については自ら実施し診療に活用する。
 (3)婦人科性器感染症の検査・診断・治療計画の立案
   ア. 1例以上を外来診療で経験する。
 (4)婦人科を受診した腹痛・腰痛を呈する患者・急性腹症の患者の管理
   ア. 機会があれば積極的に初期治療に参加し、選択科目として研修する場合はレポートにまとめる。
 (5)不妊症、内分泌疾患患者の外来における検査と治療計画の立案
   ア. 外来診療で1例以上経験する。

整形外科初期研修カリキュラム

カリキュラム責任者:家口 尚
  
Ⅰ.対象となる疾患・病態
一般整形外科疾患・外傷・骨軟部腫瘍・脊椎外科・関節外科
  
Ⅱ.研修方法
外来 予診、見学、ギプス等処置実習
病棟 指導医とともに患者を受持つ。手術介助、等。
  
Ⅲ.到達目標
<一般目標 GIO: General Instructional Objective>
  1. 整形外科疾患の基本的な診療に必要な知識・技能・態度を身につける。
  2. 緊急を要する整形外科疾患患者の初期治療に関する臨床的能力を身につける。
  3. 慢性整形外科疾患患者の管理上の要点を知り、リハビリテーションと在宅医療、社会復帰の計画立案ができる。
  4. 患者および家族とのより良い人間関係を確立しよう努める態度を身につける。
  5. 患者のもつ問題を心理的、社会的側面をも含め、全人的に捉えて適切に解決し、説明指導する能力を身につける
  6. チーム医療において、他の医療メンバーと協調し協力する習慣を身につける。
  7. 指導医、他科または他施設に委ねるべき問題がある場合に、適切に判断し必要な記録を添えて紹介・転送することができる
  8. 医療評価ができる適切な診療録を作成する能力を身につける。
  9. 臨床を通じて思考力、判断力及び創造力を培い、自己評価をし、第3者の評価を受け入れフィードバックする態度を身につける
<行動目標 SBO(Specific Behavioral Objections)方略 LS(Learning Strategies)および評価 EV(Evaluation)>
C:知識領域(基礎的術語、概念、原理、法則、方法に関するもの。)
  C-1 知っているだけで良い。
  C-2 内容を理解、説明できる
  C-3 応用ができる
 P:技術領域(検査、手術、器具の扱い方、など)
 A:習慣、態度領域(患者に対する配慮、自分の能力の理解、示唆、批判の受入、進歩の意欲)
  

週間スケジュール

  
8時40分術前カンファレンス術前カンファレンス
午前
外来
手術

外来
救急


外来
救急

外来
手術

外来
救急

外来
手術
午後
病棟
手術・救急

病棟
手術・救急

病棟
手術・救急

救急
手術

リハビリ・術後カンファレンス
手術・救急
救急
手術

<研修評価 EV: Evaluation>
観察記録、研修医の行動を期間にわたって評価担当者が観察記録する。
実地試験・診療の場で随時テストを行う。
口答試験・SBOの項目が履修された場に、その項目に関する口答などのテストを行う。
コース終了後、GIOおよびSBOの項目の評価を行う。
これにはレーティングスケールを用い、(1)研修者自身の自己評価(2)指導医の観察記録、口答、論述試験、実地試験の総合を併記する。
レーティングスケールは、0:修しなかった。1:非常に悪い 2:余り良くない 3:普通 4:良い 5:非常に良い の6段階とする。

脳外科・脳卒中センター(脳神経外科)初期研修カリキュラム

カリキュラム責任者:三橋 豊
  
<一般目標 GIO: General Instructional Objective>
  
  1. 基本研修
    脳神経外科疾患の基本的な知識を身に付け、プライマリ・ケアに対応できるとともに、診断、治療の概要を習得する。
  2. 専門研修
    脳神経外科的補助検査、処置、手術の一部手技を習得し、一部疾患の担当医を行う。
  
<行動目標 SBO: Specific Behavioral Objective>
  
  • 基本研修経験目標以下の基本的診察法を実施し、所見を解釈できる。
  1. 意識レベルの判断(JCS、GCS)
  2. 意識障害の鑑別診断
  3. 頭痛の鑑別診断
  4. 脳卒中の診断
  5. 脳卒中の危険因子の診断と初期治療導入
  6. 神経学的検査
  7. 神経学的画像検査
    ア)頭蓋・頚椎レントゲン
    イ)頭部、頚椎CTスキャン・CTA
    ウ)頭部、頸部MRI、MRA
    エ)脳血管撮影
    オ)脳シンチグラフィー(SPECTを含む)
  8. 神経生理学的検査
    ア)EEG
    イ)ABR
    ウ)SEP
  9. 痙攣の処置
  10. 気管内挿管
  11. 腰椎穿刺、髄液採取、一般所見判定
  12. 創処置、ドレナージの管理
  13. 手術・麻酔申し込み
  14. 手術手技、創切開・縫合
  15. カルテ記載
  • 専門研修経験目標
    基本研修目標以外に下記項目を加える。
  1. 開頭手技と一部顕微鏡手術介助
  2. 各種ドレナージチューブ抜去処置
  3. 穿頭術、脳室ドレナージ術
  4. 腰椎ドレナージ手技
  5. 脳槽造影検査法
  6. 脳血管撮影手技
  7. 頭部外傷創の処置
  8. 気管切開術
  9. マイナー疾患の担当医
    ア)慢性硬膜下血腫
    イ)軽症頭部外傷
    ウ)軽症脳出血
    エ)脳血栓症
<方略 LS: Learning Strategies>

外来診察の補助と入院患者の回診、検査、手術介助、検討会、抄読会により、脳神経外科疾患の診断・治療知識を深める。

週間スケジュール

  
8-9時病棟回診病棟回診病棟回診病棟回診病棟回診病棟回診
午前外来
外来
手術
脳血管造影検査


外来
脳血管造影検査

外来
手術

外来外来
午後脳血管造影検査
手術
脳血管造影検査

脳血管造影検査脳血管造影検査
夕方脳外科カンファレンス
リハビリカンファ
(週1)

<研修評価 EV: Evaluation>
  • 研修評価票Ⅰ、Ⅱ、Ⅲを含めたEPOC2にて評価を行う。

泌尿器科初期研修カリキュラム

カリキュラム責任者:播本 幸司
  
<一般目標 GIO: General Instructional Objective>
  

基本的な泌尿器科疾患に対応するために、外科系診療の基本および泌尿器科疾患総論について理解し、知識を学び、泌尿器科研修を通じて、実践に努め、基本的な診断、検査、治療を行うことができる。

  
<行動目標 SBO: Specific Behavioral Objective>
  1. 泌尿器科的理学所見(腹部、男性生殖器の診察、直腸診)ができ、正しく所見を述べることができる。
  2. 尿沈渣所見を正確にとることができる。
  3. 血尿の鑑別診断を述べることができる。
  4. 腹部超音波検査にて腎・膀胱を描出できる。
  5. 経直腸超音波検査にて前立腺を描出でき、体積を計算することができる。
  6. 腹部CT、MRIの泌尿器科領域の異常所見をみつけることができる。
  7. DIPの所見を述べることができる。
  8. 間歇導尿法の利点、欠点を述べることができる。
  9. 膀胱留置カテーテルを適切に留置することができる。
  10. 簡単な創傷処置を実施することができる。
  11. 前立腺針生検法の適応と合併症について理解できる。
  12. 膀胱鏡検査の適応と合併症について理解できる。
  13. ESWLの適応と合併症について理解できる。
  14. 腎瘻造設術の適応と合併症について概説できる。
  15. 末期腎不全患者に対する透析導入の適応について理解することができる。
  16. 泌尿器科悪性腫瘍、下部尿路通過障害、尿路感染症、性機能障害、男性不妊症に対する診断と治療を概説できる。
  17. 泌尿器科手術の周術期管理を理解することができる。
  18. 明快な症例提示(プレゼンテーション)を行うことができる。
  
<方略 LS: Learning Strategies>
  • 基本的に研修期間中は指導医がマンツーマンで指導を行い、指導医の適切な指導のもと、主体的に治療を行う。
  • 術前、術後カンファレンス:週1回(水)、受け持ち患者の術前のプレゼンテーション、術後プレゼンテーションを行う。
  • 回診:毎日、上級医、指導医とともに受け持ち患者の回診を行い、現在の状態についての簡単なプレゼンテーションを行い、今後の必要な検査と治療について立案する。
  • 手術:週5回(月、火、水、木、金)、受け持ち患者の手術に第1-2助手として参加し、基本的な外科手技について身につける。
  • 膀胱鏡検査:適宜、担当患者の膀胱鏡検査を上級医、指導医の監督のもと行い、所見を述べる。
  • 腹部超音波検査:適宜、担当患者の腹部超音波検査を上級医、指導医の監督のもと行い、所見を述べる。
  • 経直腸超音波検査:適宜、担当患者の経直腸超音波検査を上級医、指導医の監督のもと行い、所見を述べる。
  • 前立腺針生検:担当患者の経直腸超音波検査を上級医、指導医の監督のもと行う。
  • ESWL:週1回(水曜日)担当患者のESWLを上級医、指導医の監督のもと行う。
  • 透視下検査:適宜、担当患者の排泄性尿路造影、逆行性尿路造影、尿管ステント交換に対し、上級医、指導医の監督のもと行う。腎瘻造設、尿管ステント留置に対しては上級医の指示のもと介助を行う。
  • 抄読会:月1回(水曜日)、指導医が指示した英語論文の内容を発表する。
  • 学会発表:適宜、適宜地方会や学会に参加し、最新の知見を得る。

週間スケジュール

  
8-9時モーニングレクチャー
午前病棟
(外来)
病棟
手術
(外来)
手術

病棟
(手術)

午後手術透析手術手術透析
夕方カンファレンス

<研修評価 EV: Evaluation>
  • 基本的に指導医がそれぞれの項目につきEPOC2にて適宜評価を行う。
  • 研修終了時に評価表を提出。
  • 研修評価票Ⅰ、Ⅱ、Ⅲを含む360度評価を行い評価表は泌尿器科のスタッフ以外のメディカルスタッフの評価も行う。

放射線科初期研修カリキュラム

カリキュラム責任者:石井 清午
  
<一般目標 GIO: General Instructional Objective>
  

画像診断、IVRの内容を理解し、代表的な疾患について読影をするために基礎的な知識を習得する。

  
<行動目標 SBO: Specific Behavioral Objective>
  1. X腺CT、MRIなどについて、正常像を理解する。
  2. 代表的疾患について適切な診断法が選択でき、異常所見を指摘できるようになる。
  3. IVRの対象疾患を知り、それに対する手技を選択できるようになる。
  4. 造影剤副作用への対処、放射線防護、MRI危険防止の基礎的知識を身につける。
  
<方略 LS: Learning Strategies>
  1. 放射線診断学、血管造影の見学と実習を行なう。
  2. 放射線診断学、血管造影に関する教科書、文献を学習する。
  3. 症例検討会に参加し、指導を受ける。
  4. ティーチング・フィルムにより指導医より読影トレーニングを行う。
  

週間スケジュール

  
午前血管造影

血管造影
午後読影読影読影読影読影

<研修評価 EV: Evaluation>
  • EPOC2を用いて自己評価を行う。
  • 指導医による評価:EPOC2を用いて評価する。

形成外科初期研修カリキュラム

カリキュラム責任者:林 いづみ
  
<一般目標 GIO: General Instructional Objective>
  

形成外科疾患の基本的知識および技術を学ぶ。同時に、医師として最低限必要な基本的な知識、技能を修得し、医療チームの一員としての人格を学ぶ。

  
<行動目標 SBO: Specific Behavioral Objective>
  
SBO-1
  
形成外科患者の評価・処置に関する知識を持つ(認知)に習得すべき項目・各種画像検査の適応の判断、その結果の評価ができる。
  • 顔面・四肢の外傷患者の創部の評価ができる。
  • 褥瘡・難治性潰瘍患者の創部の評価ができる。
  • 感染創に適切な検査を行ない、その評価ができる。
  • 皮膚良性腫瘍・軟部良性腫瘍について評価し、治療方針が決定できる。

SBO-2

形成外科の患者に対する際の基本姿勢を身につける。

  • 指導医、専門医への紹介の必要性が判断できる。
  • 医療スタッフとの協調性を持つ。

SBO-3

外傷患者・皮膚潰瘍患者に対する処置を行うことができる(技能)

  • 処置を行う際の器械の準備ができ、防護服の着用ができる。
  • バイタルサインを取れる。意識状態の所見が取れる。
  • 末梢ルートの確保ができる。
  • 局所麻酔・伝達麻酔の薬剤を理解し、注射ができる。
  • 簡単な皮膚縫合ができる。
  • 感染創を扱う際に、院内感染対策が実践できる。
  • 創傷被覆材の種類を理解し、その選択・使用ができる。
  • 外用薬の種類を理解し、その選択・使用ができる。
  
<方略 LS: Learning Strategies>
  • 外来で、指導医の指導下で創傷処置、縫合処置を実際に行う。
  • 病棟で、指導医とともに患者を担当し、カンファレンスではその治療方針、手術方法、後療法に至るまで、プレゼンテーションを行う。
  • 手術室で、担当した患者はもちろんのこと、できる限り多くの手術に参加し、指導医の指導下で形成外科的縫合をはじめとした手術を経験する。
  • 形成外科をローテーションする時期によっては、形成外科関連学会に参加し、本人の希望があれば学会発表も行う。
  

週間スケジュール

  
午前外来手術
外来 入院手術外来外来
午後外来手術術前準備入院手術病棟回診外来処置
夕方術前検討

<研修評価 EV: Evaluation>

府中病院臨床研修プログラムに則り、EPOC2によるWEBでの評価システムを活用すると同時に、形成外科修了後に、担当した入院患者、特殊患者、手術患者の記録と自己評価を研修指導者に提出、指導医の三段階評価(A:できる、B:なんとかできる、C:できない)を受ける。

病理診断科初期研修カリキュラム

カリキュラム責任者:保坂 直樹
  
<一般目標 GIO: General Instructional Objective>
  

病理診断の内容や記載の意図を正しく理解し、実地の臨床に活用できるようになるために、病理組織診断・細胞診断および剖検を含む病理診断業務全般に関する基礎知識を修得する。

  
<行動目標 SBO: Specific Behavioral Objective>
  1. 肉眼的観察により組織標本において病変の部位や異常所見を正しく指摘できる。
  2. 組織標本において標本作製のための適切な切り出しができる。
  3. 組織診および細胞診検体の採取や固定法について説明できる。
  4. 組織診および細胞診の標本作製から観察に至る過程を概説できる。
  5. 組織診および細胞診について適切な方法で検体提出、検索依頼ができる。
  6. 主要各領域における一般的な疾患に関して病理所見や特徴を概説できる。
  7. 疑問点の提示や説明など、病理医とともに問題解決に積極的な態度を示す。
  8. 常に円滑な協力態勢の構築、維持に努め、病理医との適切な討論ができる。
  9. 術中迅速診断の特殊性を理解し、適切な対応ができる。
  10. 病理解剖について臨床経過や疑問点を踏まえた適切な依頼ができる。
  11. CPCの意義、これにおける病理の役割を理解し、実際に割り当てられるCPC報告書作成に対応できる。
  
<方略 LS: Learning Strategies>
  

実際の材料や状況や即した業務実践と病理専門医による直接指導。(病理部および病理検査室にて)

  
<研修評価 EV: Evaluation>
  

自己評価に指導者評価を加味した総合評価。基準項目は下記による。

  1. 外科切除標本における肉眼観察、異常所見の指摘
  2. 各領域における一般的疾患の病因、病態の理解
  3. 肉眼所見と組織所見に関する基本的病理用語の理解
  4. 正しい様式に基づく診断報告書の作成および問題点や重要事項の指摘
  5. 剖検における主診断名以外の疾患を含めた病態生理の把握

眼科初期研修カリキュラム

カリキュラム責任者:三島 壮一郎
  
<一般目標 GIO: General Instructional Objective>
  1. 眼科に必要な基本的臨床能力(知識、技能、態度、判断力)を習得する。
  2. 眼科診断技術および検査について理解する。
  3. 眼科主要疾患について基本的知識を習得する。
  4. 眼科の基本的治療法について理解する。
  5. 眼科疾患と全身疾患との関連を知識として習得する。
  6. 救急眼科疾患に対する臨床能力を習得する。
  
<行動目標 SBO: Specific Behavioral Objective>
  

A.経験すべき診察法、検査、手技

  1. 基本的診察法
    ①視診、触診
    ②神経眼科的検査(瞳孔反応、眼球運動、対座視野)
  2. 基本的臨床検査
    ①細隙灯顕微鏡検査
    ②眼底検査
    ③眼圧検査
    ④隅角検査
    ⑤自覚的屈折検査(視力測定)
    ⑥他覚的屈折検査(検影法など)
    ⑦調節検査
    ⑧視野検査(動的視野、静的視野)
    ⑨斜視検査
    ⑩色覚検査
    ⑪眼底写真撮影
    ⑫蛍光眼底造影
    ⑬涙液分泌検査
    ⑭網膜電図
    ⑮超音波検査
  3. 基本的手技
    ①眼瞼翻転
    ②洗眼
    ③消毒
    ④包交
    ⑤点眼
    ⑥軟膏塗布

B.経験すべき症状、病態

  1. 症状
    ①視力障害
    ②視野障害
    ③飛蚊症
    ④結膜充血
    ⑤眼脂
    ⑥流涙
    ⑦眼痛
    ⑧複視
  2. 病態
    ①白内障
    ②緑内障
    ③主な眼底病変(網膜剥離、黄斑変性、網膜動・静脈閉塞症など)
    ④眼外傷、異物
    ⑤緑内障発作
    ⑥ぶどう膜炎
    ⑦視神経炎
    ⑧屈折異常
    ⑨主な前眼部病変(角結膜炎など)
    ⑩全身疾患における眼合併症(糖尿病、高血圧、腎疾患、血液疾患など)

C.経験すべき処置、治療法

  1. 処置
    ①薬物注射(結膜下注射、テノン嚢下注射、硝子体内注射)
    ②球後麻酔
    ③瞬目麻酔
    ④前房穿刺
    ⑤涙嚢洗浄
    ⑥涙管ブジー(成人、新生児)
    ⑦角膜異物除去
    ⑧眼鏡、コンタクトレンズ処方
  2. 治療法
    ①点眼、眼軟膏、内服薬
    ②レーザー治療(網膜光凝固、虹彩光凝固、YAGレーザー)
    ③白内障手術
    ④緑内障手術
    ⑤網膜剥離手術
    ⑥硝子体手術
  
<方略 LS: Learning Strategies>
  1. 研修期間中は、基本的に指導医がマンツーマンで指導を行う。
  2. 基本的知識の習得については、自己学習を基本とし、レクチャーやカンファレンスを通じて講義する。
  3. 基本的技能の習得については、見学、助手を経て、術者として経験させる。
  4. 指導医とともに担当医として症例を受け持ち、臨床現場で総合的な知識と技術を習得させる。
  

週間スケジュール

  
8:40~9:00医局カンファレンス
9:00~12:00訪問診療訪問診療訪問診療訪問診療訪問診療
12:00~13:00昼食昼食昼食
昼食昼食
13:00~17:15訪問診療訪問診療訪問診療訪問診療訪問診療
適宜
①ケースカンファレンス
②多職種合同カンファレンス
①ケースカンファレンス
②多職種合同カンファレンス
①ケースカンファレンス
②多職種合同カンファレンス
①ケースカンファレンス
②多職種合同カンファレンス
①ケースカンファレンス
②多職種合同カンファレンス

<研修評価 EV: Evaluation>
  1. 研修評価票Ⅰ、Ⅱ、Ⅲを含めたEPOC2にて評価を行う。
  2. 眼科研修期間を担当した指導医がそれぞれの項目について適宜、形成的評価を行う。
  3. 研修修了時にプログラム責任者が総括的評価を行う。
  4. 研修医は、自己評価をEPOC2上で行う。
  5. 医師以外のメディカルスタッフの評価も行う。

皮膚科初期研修カリキュラム

カリキュラム責任者:綾野 悠加
  
<一般目標 GIO: General Instructional Objective>
  

皮膚科疾患についての基本的な知識や技術を身につけ、全身疾患との関連性を理解し、さまざまな医療の状況において、これらの知識や技術を実践できる能力の習得を目標とする。

  
<行動目標 SBO: Specific Behavioral Objective>
  1. 皮膚発疹学を習得する。
    ①発疹学について記載皮膚科学上必要な用語を熟知し、原発疹、続発疹、そのほかの皮膚病変について正確な記載ができるようにする。
    ②発疹の分布、配列、特徴について正確に記載できるように習熟する。
  2. 皮膚疾患診断のために行われる皮膚科特有の検査の意義、目的、方法について理解し、主要な所見を指摘できる。
    ①菌直接鏡検、硝子圧診、皮膚描記法、知覚検査、ニコルスキー現象、ケブネル現象、アウスピッツ現象、針反応など日常の理学的検査法を熟知し実施する。
    ②パッチテスト、プリックテスト、スクラッチテスト、即時型皮内反応、DLST、IgERIST、IgERAST、遅延型皮膚反応などの免疫・アレルギー検査法の意味と実施方法、判定について熟知し実施する。
    ③病理組織検査法の適応、方法、患者への説明、同意について理解し、実施できる。
  3. 代表的な皮膚疾患についてその病態と治療法を理解する。
    ①湿疹皮膚炎群
    ②蕁麻疹、痒疹、紅斑症、薬疹、紅皮症
    ③水疱症、膿疱症
    ④角化症、炎症性角化症
    ⑤真皮、皮下脂肪織の疾患
    ⑥皮膚付属器の疾患
    ⑦膠原病及びその類症
    ⑧細菌、真菌、ウイルス感染症、寄生虫、動物が関与する疾患
    ⑨皮膚腫瘍
  4. 皮膚科治療法の基本的事項を理解し実施できる。
    ①様々な抗ヒスタミン剤の種類、特徴、効果、副作用などについて理解し、実施できる。
    ②抗菌剤の全身投与の適応とその使用法について習熟する。
    ③副腎皮質ホルモン剤の全身投与の適応、使用法、副作用について理解し実施できる。
    ④外用剤の基剤、主剤について理解し、外用剤のさまざまな外用方法について実施できる。
    ⑤副腎皮質ステロイド外用剤の種類、使用法について理解し、実施できる。
    ⑥抗真菌剤、保湿剤などの外用剤についてその適応と使用法を理解する。
    ⑦液体窒素による凍結療法の適応と手技について理解する。
    ⑧局所麻酔法、切開法、切除法、縫合法を熟知し、指導医のもとで感染性粉瘤、皮下膿瘍などの切開排膿、皮膚腫瘍の切除、縫合を経験し、習熟する。
    ⑨熱傷の重症度判定とその治療法について熟知し、局所処置を実施できる。
  
<方略 LS: Learning Strategies>
  1. 毎週月曜日午後は手術室にて助手として手術の介助、表皮縫合などの手技を行う。
  2. 術後創部の観察、抜糸、抜糸後の創部のテープ固定指導を行う。
  3. 切除標本の病理組織所見を確認し、臨床像との比較を行う。
  4. 手術日以外は外来診療に携わり、初診患者については予診をとって、鑑別診断を列挙し、必要な検査については自ら行う。その後指導医の診察を見学し、自身の診断の正否を確認し、治療法を含めて自習する。
  5. 褥瘡回診に同行し、指導医やWOC看護師、栄養管理士、病棟看護師、作業療法士によるチーム医療を通して、褥瘡の成因、評価方法、薬剤選択、発症予防について学習する。
  6. 病棟にて受け持ち医として指導医とともに入院患者を担当し、治療計画の立案、診察、カルテ記載、検査・処方・処置・手術などのオーダーを行う。
  7. 局所麻酔下での皮膚生検、切開排膿などの外来処置の手技を学び、実践する。

週間スケジュール

  
8:30-9:00病棟回診病棟回診病棟回診病棟回診病棟回診
午前
外来診察
処置
検査
外来診察
処置
検査
外来診察
処置
検査
外来診察
処置
検査
外来診察
処置
検査
午後
外来手術
病棟診察
検査
病棟診察

検査
病棟診察
検査
褥瘡回診
病棟診察
検査
症例検討カンファレンス
病棟診察

<研修評価 EV: Evaluation>
  1. 研修医手帳を活用し、症例を記入して研修形成過程におけるフィードバックを目的とする形成的評価を行う。
  2. EPOC2やレポートを用いて自己評価を行う。
  3. 指導医は行動目標、方略に示した日常診療での知識、技能、態度に基づき評価を行う。
地域医療研修初期研修カリキュラム

研修実施病院:社会医療法人生長会阪南市民病院

  
<一般目標 GIO: General Instructional Objective>
  

地域密着型・地域完結型病院における研修目標

  1. 地域特性に起因する疾病構造の理解
  2. 地域医療施設・在宅との病診連携及び多職種間連携に対する理解
  3. 地域保健における役割についての理解
  4. 医療制度や医療経済などを含めた医療の社会性についての理解

これらを元に患者や家族に対して全人的に対応でき、地域の中で有意義な生活を送れるように支援できる知識と技能を習得できることを目標とする

  
<行動目標 SBO: Specific Behavioral Objective>
  
  1. 地域における医療機関の役割を理解する。
  2. 主に高齢者に対する救急医療を行うことができる。
  3. 総合診療・在宅ケアの基本的な考え方・診療技術を習得する。
  4. 他施設への紹介業務ができる。
  5. 地域連携室の業務を理解し、担当者とも連携ができる。
  
<方略 LS: Learning Strategies>
  1. 指導医の監督の下、救急や時間外など診療所や在宅診療と直接つながりのある外来で診療を行う。
  2. 在宅医療に指導医と同行し、診療に従事する。
  3. 入院患者の担当医として診療を行う。
  4. 患者毎の社会的問題点まで含めたサマリーを作成し、指導医に評価を受ける。
  5. 地域連携カンファレンスや他職種合同カンファレンスに参加する。
  6. 指導医の監督の下、地域特性(疾病構造・環境など)に基づいた予防医療の実践に参画する。
  7. 研修期間は1カ月のみとする。
 
週間スケジュール
  
8:40~9:00医局カンファレンス
9:00~12:00訪問診療訪問診療訪問診療訪問診療訪問診療
12:00~13:00昼食昼食昼食
昼食昼食
13:00~17:15訪問診療訪問診療訪問診療訪問診療訪問診療
適宜
①ケースカンファレンス
②多職種合同カンファレンス
①ケースカンファレンス
②多職種合同カンファレンス
①ケースカンファレンス
②多職種合同カンファレンス
①ケースカンファレンス
②多職種合同カンファレンス
①ケースカンファレンス
②多職種合同カンファレンス
<研修評価 EV: Evaluation>
  1. EPOC2または指定の評価表による評価を行う
  2. 当院での研修修了時に面接評価を行う

研修実施病院:雲南市立病院

  
【地域研修プログラムの特徴】
雲南市立病院は島根県東部の雲南市を含む雲南2次医療圏(土地面積は東京23区の2倍弱、圏域住民約6万人)の地域中核病院としての急性期入院診療を中心とした中程度の専門医療や根本治療に重点を置きながらも、地域に根差した病院としてプライマリ・ケアから在宅医療や緩和医療、終末期医療まで、幅広い医療を地域のニーズに沿って展開している。
当院では、医療資源(物的資源、人的資源、資金)が不足している医療現場で活躍できるマインドと実践能力を身に付け、地域包括ケアシステムのマネジメントやリーダーシップが取れ、医療の持つ社会的側面の重要性を理解し、地域社会の貢献できる医師、地域医療を担う第一線者として活躍できる医師の育成を目指している。
このため、各基幹型研修病院の地域医療研修プログラムに加え、当院独自のプログラムを用意している。初期臨床研修での当院の「地域医療研修」プログラムの特徴は、以下のとおりである。
  1. 地方小規模市町村(非都市部、人口非密集地域、医療過疎地域など)の特性を十分に理解した上で、内科系・外科系を問わない、救急医療か慢性期医療かも問わない、日常診療の全てを網羅するプライマリ・ケアのあらゆる問題に対応できる基本的な診療能力の習得を目指す。
  2. 疾病に関わる身体状況のみだけでなく、心のケアや療養環境、患者個人だけではない地域そのものの健康状態まで気を配り、患者・家族、およびこれらを取り巻く地域構成要員とのパートナーシップを構築する能力の習得を重視している。
  3. 中山間地域の限られた医療資源の中で、地域包括ケアシステムについての理解を深めるために、病院組織だけでなく、保健・医療・福祉・介護に携わるNPO団体、行政組織、住民自治組織等と連携・協力する能力の習得に重点を置いている。
  4. 隣接する松江医療圏、出雲医療圏という医療資源が豊富な地域の都市型病院との連携を通じて、3次医療圏、さらに広範囲の生活圏の中での当院(地方小規模市町村の中核病院)の役割を考案し、地域医療を底辺側から見通す機会を提供する。
  
<一般目標 GIO: General Instructional Objective>
  
  1. 地域包括医療の理念を理解し、実践できる能力を身に付ける。
  2. 住民に関する保健・福祉情報の一元化、各職種合同による地域ケア会議の開催等、地域包括ケア活動に必要な知識・技能・態度を身に付ける。
  3. 当地域での、救急医療を含めた医療体制の特性をよく理解し、地域中核二次医療機関として、一次救急患者の受け入れから入院、診断治療、高次病院への紹介・搬送、転院などを、他の開業医・他病院と連携しながら、患者中心の視点で適切にマネジメントできる能力を身に付ける。
  4. 医療人として必要な基本姿勢・態度を身に付ける。
  5. 患者・家族のニーズを身体・心理・社会的側面から理解し、疾患の治療や予防の観点と共に、その地域で暮らす生活者(住民)としての患者を理解し、生活者が豊かな人生を送ることができるように、共に考える力を身に付ける。
  6. 基本研修で学んだ知識・技術を実践し、日常外来でよく見られる疾患・病態の診断や医療静養の支援をチーム医療として、そのプロセスを理解しながらマネジメントする力を身に付ける。
  
<行動目標 SBO: Specific Behavioral Objective>
  
  1. 当地域での地域包括医療の必要性について理解する。
  2. 当地域の健康問題を把握できる。
  3. 当地域で共に働く保健・医療・福祉などの幅広い職種の役割について述べることができる。
  4. 症例検討会やカンファレンスで、個々の症例について、医療のみならず、保健・福祉の視点から個々の症例独自の環境・事情について論じることができる。
  5. 紹介患者を適切に受け入れる手順を述べることができる。
  6. 救急搬送患者の受け入れにあたって、救急隊員との引き継ぎ時に必要な事項を列挙できる。
  7. 特定の患者について、問題を把握した上で問題対応型の思考に基づいた対応法を列挙することができる。
  8. 高齢者で頻度の高い急性・慢性の疾患・病態(痴呆老人を含む)の診療上の主要な特徴を、若年者と比較して述べることができる。
  9. 外来診療、入院診療での感染予防・褥瘡予防の主要な対策を列挙できる。
  10. 診療に関する各種の書類(普通診断書、死亡診断書/検案書、介護保険意見書、訪問看護指示書など)の作成の手順を理解する。
  
<方略 LS: Learning Strategies>
  1. 研修医は指導医の指導、監督のもとに患者(救急、外来、入院、在宅等)の受持ち医として診療を行う。
  2. 救急や診療所、在宅医療と直接つながりのある外来で診療を行う。
  3. 在宅医療に指導医と同行し、診療に従事する。
  4. 入院患者の担当医として診療を行う。
  5. 患者毎の社会的問題点まで含めたサマリーを作成し、指導医に評価を受ける。
  6. 症例検討・地域連携・多職種合同のカンファレンスに参加する。
  7. 指導医の監督の下、地域特性(疾病構造、環境など)に基づいた予防医療の実践に参画する。
  
<研修評価 EV: Evaluation>
  1. EPOC2または指定の評価表による評価を行う
  2. 当院で適宜面接評価を行う
  3. 研修終了時に自己評価及び指導医評価を行う

研修実施病院:医療法人社団健育会西伊豆健育会病院

  
<一般目標 GIO: General Instructional Objective>
  
今後の高齢化社会における医療と福祉に対応するために、診療所や地域の病院にかかる患者が抱える問題が急性期病院とは異なることを認識し、適切にアプローチできることを目標とする。そのため、各施設の常勤医の指導のもと、そこに関わる看護及び介護スタッフや相談指導員、地域リハビリテーションスタッフ等と共にチームで取り組む姿勢を身につける。
また、予防医療や改善指導、在宅診療等の地域診療現場での体験を通して、その地域における「かかりつけ医」の役割を理解すると共に、紹介元、逆紹介先の現状を理解する。
  
<行動目標 SBO: Specific Behavioral Objective>
  
  • 地方やへき地における医療機関の役割を理解する。
  • 総合診療、在宅ケアの基本的な考え方を理解する。
  • 総合診療、在宅ケアの基本的な診療技術を修得する。
  • 高齢者に対して緊急医療を行うことができる。
  • 指導医と共にへき地での巡回診療に同行する。
  • へき地での巡回診療の役割を述べることができる。
  • 他施設への紹介業務ができる。
  • 老人保健施設入所申し込み者への健康診査ができる。
  • 老健施設における日常診療を全人的観点からできる。
  • リハビリテーション、レクリエーションへの理解があり、積極的に参加できる。
  • 医療に関してスタッフや家族への指導ができる。
  • 相談指導業務を理解し、担当者との連携が十分にできる。
  • 在宅医療に指導医と同行し、診療が行える。
  • 在宅ケアの準備と関係機関との連携が十分にできる。
  • 他施設への紹介業務ができる。
  
<方略 LS: Learning Strategies>
  • 研修医は指導医の指導、監督のもとに患者(在宅、施設入所者等)の受持ち医として診療を行う。
  • 患者の退所後1週間以内にサマリーを指導医に提出し評価を受ける。
  • 研修医はそれぞれの施設・現場の指導者による指示と評価を受ける。
  • 指導医の指導や監督のもとに予防医療への理解と指導能力を高める。
  • 入所判定会議や各種カンファレンス等に積極的に参加する。
  • 研修期間は1か月のみとする。
  • 研修先については研修医の希望を聞いた上で、研修施設と調整して決めるものとする。
  
<研修評価 EV: Evaluation>
  1. 研修目標の各項目について、自己評価及び指導医評価を行う。
  2. 自己評価:EPOC2および事後レポートを用いて自己評価を行う。
  3. 指導医による評価:EPOC2およびレポート等を用いて評価する。

研修実施病院:高野町立高野山総合診療所

  
<一般目標 GIO: General Instructional Objective>
  
今後の高齢化社会における医療と福祉に対応するために、診療所や地域の病院にかかる患者が抱える問題が急性期病院とは異なることを認識し、適切にアプローチできることを目標とする。そのため、各施設の常勤医の指導のもと、そこに関わる看護および介護スタッフや相談指導員、通所リハビリテーションスタッフ等と共にチームで取り組む姿勢を身につける。
また、予防医療や改善指導,在宅診療等の地域診療現場での体験を通して、その地域における『かかりつけ医』の役割を理解すると共に、紹介元、逆紹介先の現状を理解する。
  
<行動目標 SBO: Specific Behavioral Objective>
  
  • 地方やへき地における医療機関の役割を理解する。
  • 総合診療、在宅ケアの基本的な考え方を理解する。
  • 総合診療、在宅ケアの基本的な診療技術を修得する。
  • 地域住民、(訪日 外国人 を 含む)観光客 に対して緊急医療を行うことができる。
  • 他施設への紹介業務ができる。
  • 指導医と共にへき地での巡回診療に同行する。
  • へき地での巡回診療の役割を述べることができる。
  • 特別養護老人ホーム入所申込者への健康診査ができる。
  • 特別養護老人ホームにおける日常診療を全人的観点からできる。
  • リハビリテーション、レクリエーションへの理解があり、積極的に参加できる。
  • 医療に関してスタッフや家族への指導ができる。
  • 相談指導業務を理解し、担当者との連携が十分にできる。
  • 在宅医療に指導医と同行し、診療が行える。
  • 在宅ケアの準備と関係機関との連携が十分にできる。
  • 既存の医療に満足せず、問題意識 や批判的吟味の姿勢をもって新しい医療を提案できる(研修の成果発表として、当診療所をより良くするための提案をプレゼンテーション形式で発表する)。
  
<方略 LS: Learning Strategies>
  • 指導医の指導のもと、外来診療レクチャー(非専門医にも求められる高血圧、脂質異常、糖尿病、COPD などプライマリな疾患におけるフォローの仕方)を受ける。指導医の指導・監督のもとに患者(在宅、施設入所者)の受持ち医として診療を行う。
  • それぞれの施設・部署の指導者による指示と評価を受ける。
  • 指導医の指導・監督のもとに予防医療への理解と指導能力を高める。
  • 各種カンファレンス等に積極的に参加する。
  • 研修期間は1カ月のみとする。
  • 研修先については研修医の希望を聞いた上で、研修施設と調整して決めるものとする。
  
<研修評価 EV: Evaluation>
  1. 研修目標の各項目について、自己評価および指導医評価を行う。
  2. 1か月間の研修を通しての発表をもって、指導医が成果を 総合的に評価する。
  3. 自己評価: EPOC および事後レポートを用いて自己評価を行う。
  4. 指導医による評価: EPOC およびレポート等を用いて評価する。

スケジュール

曜日午前午後
1週オリエンテーション2診
2診2診
1診/検査2診
特別養護剛人ホーム2診/小児科 相談
内視鏡・エコー1 診1週間の振り返り
2週1診/眼科2診
2診2診
1診2診
消防署消防当直
フィールドワーク1週間の振り返り
3週1診/眼科整形外科
訪問診療1診
2診2診
消防署消防当直
2診1週間の振り返り
4週1診乳幼児健診/2診
放射線/2診2診
2診2診
訪問看護・通所リハ2診
フィールドワーク整形外科・成果発表

※2診外来 レクチャー・新患
※2カ月に1回奇数月 木曜日 脳神経内科

プログラムの名称

府中病院 臨床研修プログラム(プログラム番号:030776402)

プログラムの目標

府中病院で働く職員全員の共有財産である‘AIFフィロソフィー’に基づき、当院の医療サービスを利用される人びと、 そのご家族、そして地域社会とのパートナーシップを築きながら、有機的に働きうる臨床医を育成することを目的とする。
よって、当院で研修を受けようとする研修医は、将来の専門性にかかわらず、2年間の総合診療研修に専念し、プライマリ・ケアの基本的な診療能力を身につけるとともに、院内のチーム医療、救急医療の現場や地域の医療・福祉機関との連携などの経験を通じて、医師としての全人格教育を目指し、豊かな人間性を涵養することを目標とする。

プログラムの特色

本プログラムにおける総合診療方式とは、現在の地域の医療需要に対応するプライマリ・ケアの能力に優れた医師を要請する研修体制であり、 そのために最低限研修すべき科として必修診療科を設けている。

本プログラムでは、研修医が、将来、専門でない分野における臨床経験が不十分なまま医師となるのでなく、専門分野の疾患の治療とともに、医師として患者、 その家族の抱える様々の身体的、心理的、社会的問題を認識・判断し、問題解決を図ることができるような能力、いわゆる患者を全人的に診る能力を身につけることを目指している。

また、これらの診療科をそれぞれ研修する中で、チーム医療のコーディネーターとしての機能を発揮できる能力や、 医師としてのコミュニケーション能力を生涯にわたり向上させうる基盤を獲得することを目指している。

これらの目標の到達度は、厚生労働省の定める卒後臨床研修目標と各科の到達目標に照らして判定される。

当プログラムの研修は、厚生労働省の定める「新しい医師臨床研修制度」に基づき、内科、外科、及び救急部門を基本研修科目として、小児科、精神科、産婦人科及び地域医療の研修を必修科目として行なう。

基本研修および必修研修科目以外の期間は、研修医自らの希望もしくは到達目標の達成度に応じて、選択科目の研修をうける。 研修期間は、原則として2年間とする。

カリキュラムの構成

1年次は、内科6カ月、外科3カ月、救急3カ月の基本研修で、2年次は、小児科、精神科、産婦人科、地域医療を必修として各1カ月間研修し、残りの8カ月間を選択とし、研修医が希望する診療科を研修できる構成とした。

1年次内科外科救急
6カ月3カ月3カ月
2年次小児科精神科産婦人科地域医療選択科
1カ月1カ月1カ月1カ月8カ月
小児科ベルランド総合病院・和泉市立総合医療センター・阪南市民病院(平成30年度~)
精神科
医療法人利田会久米田病院
医療法人杏和会阪南病院
地域医療
医療法人社団健育会西伊豆健育会病院
高野町立高野山総合診療所
阪南市民病院

  • 選択科目は、内科分野(循環器、消化器、血液、糖尿病、呼吸器、総合内科)、外科分野(外科、整形外科、脳神経外科、泌尿器科)、 産婦人科、麻酔科、救急、形成外科、透析センター、小児科、病理科、放射線科、眼科、皮膚科、などの中から希望に応じて複数科研修可能。
  • なお、小児科、精神科、地域医療の必修および選択研修はそれぞれ以下の協力型病院もしくは協力施設にて行う。

基本研修及び必修科と選択科の研修内容

a.基本研修・必修診療科研修:
厚生労働省の定める基準に沿って設定された研修期間ならびに到達目標であり、当プログラムにおける全ての研修医が修めるべきものである。 到達目標は行動目標と経験目標からなる。
 
b.選択科研修:
必修科の研修を修了したものにおいて、厚生労働省の定める卒後研修目標の達成を一層充実したものとし、かつ必修科研修中に達成不十分であった目標が、2年間の研修修了時には最終的に達成しうるよう選択できるものである。

プログラム責任者と参加施設の概要

プログラム責任者
  • 臨床研修室 室長
プログラム参加施設
基幹型病院府中病院
協力型病院
ベルランド総合病院
和泉市立総合医療センター
医療法人利田会 久米田病院
医療法人杏和会 阪南病院
阪南市民病院(平成30年度~)
協力施設
医療法人社団健育会西伊豆病院
高野町立高野山総合診療所
プログラム参加施設と研修プログラムの概要
本プログラムによる臨床研修は主に府中病院で行われるが、小児科については、ベルランド総合病院、和泉市立病院、阪南市民病院(平成30年度~)、精神科については、久米田病院、阪南病院、地域医療の研修は、協力施設において予防医療や改善指導、在宅診療等を通して地域診療の現場を体験すると共に地域のかかりつけ医としての役割、紹介元、逆紹介先の現状を理解する。
カリキュラムでの内科における専門診療科は、診療科の指導体制や希望により複数科のローテーションとなる。

プログラムの管理運営体制

当院の臨床研修を管理運営する体制として、そして、研修医をあらゆる面で評価し、サポートできる組織として、 プログラム責任者(教育責任者)と当院各科責任者及び各協力施設の指導責任者他、看護部長、管理部長(事務長)等によって構成された「研修管理委員会」を設ける。

研修管理委員会の職務と権限
  1. 研修管理委員会は本プログラムによる研修医の臨床研修目標達成に責任を持つ。
  2. 研修管理委員会は研修医の採用選考、研修カリキュラムの検討、研修指導医の決定を行う。
  3. 研修管理委員会は研修施行に関する各施設及び診療科への連絡、指導を行う。
  4. 研修管理委員会は研修実施の評価と認定の指導を行う。
  5. 2年間の研修修了時に研修管理委員会は、総合診療方式における基本的研修目標の達成度を判定し、これを院長に報告する。 院長は研修修了と目標達成についての最終判定を行い、研修修了認定書を交付し、その結果について厚生労働大臣に報告する。

定員、収容定員

本プログラムの定員は20名とする。(1年次 10名、2年次 10名)

研修医の勤務時間

勤務時間は、病院の規定により常勤医と同様午前8時45分~午後5時15分までとする。

日曜、祝日、を含み週休2日制
時間外勤務・当直勤務あり
有給休暇、夏期休暇あり

研修医の指導体制

当院では、各科研修医1名に対し原則として担当指導医1名とする。

担当指導医には、各診療科部長クラス、5年以上の臨床経験を持つ医師、大学講師など教育指導経験のある医師、そして、各種学会認定医、専門医などが担当する。 また、疾患や病態によっては随時現場医師や上級医からの指導や指示を受けることができるよう、現場経験重視型の研修体制を取る。

担当指導医は研修医がローテートする各診療科・部門の指導責任者と連絡を密にし、研修医の評価や指導について適宜検討し、研修医に目標を達成させるために連携する。 全ての指導医は、プログラム責任者によって統括・管理され、研修管理委員会に集約される。

研修管理委員会は、研修医が一貫した研修指導を受けられるよう指導医の調整や、診療科間及び施設間の研修環境の整備、 研修医からの相談窓口としての対応など、様々な面で研修医をバックアップできるよう心がけている。

研修医の記録及び評価方法

研修医は、EPOCによるWEBでの評価システムを活用すると同時に、自主的に各科での臨床研修修了後に、担当した入院患者、特殊患者、手術患者の記録と自己評価を研修指導者に提出、指導医の三段階評価(A;できる、B;なんとかできる、C;できない)を受ける。研修管理委員会は、これらの手順に基づき、研修医のカリキュラム目標の到達度を判定し、その結果を研修医手帳に記載する。

委員会は、これらを記録したものに基づいて研修目標達成の可否判定を行うと同時に、研修医から研修内容に対する評価等の意見を表明する場を設け、定期的に意見聴取を行った結果を病院長に報告する。

当院では研修医の様々な質問や研修に関する悩みなどは、各科指導医、そして、臨床研修プログラム責任者と院内LANによるメールでやり取りできるので、日常において「研修医手帳」のやり取りは基本的に行わない。 但し、定期的に指導医の内容確認を義務付けし、研修医への面談によるフィードバックを受けることができる。また、その際に研修医からの質問内容や研修に対する提案が病院として検討に値する場合は、 指導医より院長に報告・相談し、院長の判断で研修管理委員会を開催して決議した上での対応もありうるものとする。

研修カリキュラム修了の認定及び証書の交付

2年間の臨床研修修了後に、研修管理委員会は基本及び必修研修目標の達成度を判定し、これを統括責任者である病院長に報告する。 病院長は研修修了と目標達成についての最終判定を行い、研修修了認定書を交付し、その結果については厚生労働大臣に報告する。

研修カリキュラム修了後のコース

2年間の臨床研修修了後の進路は、研修医の希望を聞き、当法人の状況に照らし合わせて、研修医がさらに上級の研修や各種学会の専門医・認定医を目指して当法人の医員となるのか、または他施設(基幹病院、大学院進学など)へ進むかなどの進路ついて適切に対応する。 尚、特定の大学等に偏った進路指導は行わない。