こんにちは。府中病院の言語聴覚療法室です。
みなさんは「言語聴覚士」をご存知でしょうか?
好きなものを美味しく召し上がれるって素晴らしいですし、気の合う友達や家族と楽しくコミュニケーションできるって素敵ですよね。
言語聴覚士は「話す」「聞く」「食べる」などの人間にとても大切な部分に関わるリハビリ専門職です。
この記事では府中病院の「言語聴覚士」にスポットライトを当てて
- 言語聴覚士って何?どんな仕事?
- 府中病院で言語聴覚士はどのように働いているの?
といった疑問に対して、府中病院の「言語聴覚士」のリアルな現場を紹介していきます。
1:言語聴覚士とは?
言語聴覚士の仕事とは
【話す・聞く・食べる】を支援することです。
「言語聴覚士法」における言語聴覚士の定義
『音声機能、言語機能又は聴覚に障害のある者についての機能の維持向上を図るため、
言語訓練その他の訓練、これに必要な検査及び助言、指導その他の援助を行うことを業とする者』
言語訓練その他の訓練、これに必要な検査及び助言、指導その他の援助を行うことを業とする者』
言葉によるコミュニケーションや、食事を食べることに問題がある方に、専門的な評価・訓練を提供し、自分らしい生活を構築していただけるように支援しています。
では具体的に
府中病院では言語聴覚士はどのように活躍しているのでしょうか?
言語聴覚士の嚥下機能障害、つまり「食べる」を支援する部分に焦点を当てて、府中病院の言語聴覚士の特徴を紹介させていただきます。
2:府中病院の言語聴覚士の特徴3つ
近年、高齢化により嚥下障害(口の中のものを上手に飲み込むことができない状態)のある方が増えてきています。
うまく飲み込めないと窒息や肺炎の原因になってしまいます。
これらの問題に積極的に関わっているのが私たち「言語聴覚士」です。
嚥下障害の原因や状態は人それぞれで口の中の食べ物が胃まで通過するには様々な器官が上手に働いてくれる必要があります。
たとえば
- 原因となる疾患は?
- 嚥下に関係する組織に異常はないか?
- 嚥下に関係する器官の動きはどうか?
- どのような姿勢で?どのような食事が適切か?
など
医療現場での経験と、医療の知識をフル回転させて日々臨床業務に取り組んでいます。
言語聴覚士は1997年に国家資格となり、年々増加していますが他のリハビリ専門職と比較すると、その数はまだまだ少ない状況にあり、さらなる数の充実が課題となっています。
(一般社団法人 日本言語聴覚療法士協会ホームページより抜粋)
府中病院には2022年10月現在、12名の言語聴覚療法士が在籍しています。
府中病院の言語聴覚療法室はお互いに、なんでも相談・議論でき、切磋琢磨できる環境にあることが自慢です。
そんな府中病院言語聴覚療法室の特徴を3つに厳選して紹介させていただきます。
① 急性期から回復期、外来まで対応しており様々な疾患を経験できる。
府中病院の言語聴覚士は急性期から介入を行い、医師と共に専門的な検査(評価)を行っています。
また回復期リハビリテーション病棟や外来でも介入を行っています。
このように幅広い時期で介入させていただいているのが特徴です。
2022年10月現在
- 急性期病棟・地域包括ケア病棟7名
- 回復期リハビリテーション病棟4名(うち1名は時短勤務)
のチームに分かれてそれぞれの業務を担当しています。
チーム毎に週に1回のペースでカンファレンスを実施し業務分担の調整やリハビリ内容の検討などを実施しています。
② 言語聴覚士の人数が多く、相談や働き方が多様化できる。また法人内での教育も充実している。
府中病院では、12名の言語聴覚士が常時勤務しており、男性スタッフも3名勤務しています。
既婚者も多く子供の迎えや休日の取りやすさなどライフワークバランスは整いやすい環境であると思います。
同じ法人の複数の施設に在籍している言語聴覚士同士の交流や勉強会の機会があるため、より専門的で幅広い知識やアドバイスを共有できる点が特徴です。
③ 他職種との連携が取りやすく、新たな視点を得ることができる。
府中病院では、同じリハビリテーション専門職である理学療法士・作業療法士はもちろん、医師・看護師・管理栄養士・薬剤師・医療ソーシャルワーカーなど様々な職種と連携をとっています。みなさんの生活を支援するため、幅広い視点や新しい気付きが得られることが特徴です。
たとえば
下の写真は医師と嚥下造影検査を行っている様子です。
嚥下造影検査(VF;swallowing video fluorography)とはバリウムなど造影剤を含んだ食事をとってもらいX線透視下でうまく飲み込みが行えているかを確認する検査です。
府中病院の言語聴覚療法室では、嚥下造影検査をご入院の脳血管疾患や廃用症候群の患者さんに対して必要に応じて不定期で実施しています。
検査の実施後には医師、言語聴覚士で検討会を開催し、問題点や今後の方針についてディスカッションを行っています。
嚥下造影検査の様子
嚥下カンファレンスの様子
週に一度、嚥下カンファレンスを開催し、医師、看護師、管理栄養士と共に、嚥下機能が低下している患者さんについて意見・情報交換をしています。
3:先輩療法士の働き方とメッセージ
最後に、府中病院の言語聴覚士の働き方と、メッセージを紹介します。
一日の業務の流れは、各チームによって多少の差はありますが、以下のようになっています。
実際のところ、働いているスタッフはどのように感じているのでしょうか?
その一部を紹介します。
同世代のスタッフが多いので、仕事に関する事や、プライベートな話題も話やすく、和気あいあいとした部署です。
子育て世代も多く、行事や子供の急な体調不良などでも、お互いがうまくカバーしながら、お休みをいただきやすいのも魅力の1つですね。」また男性でも育休制度を使って育児に参加するなど、ワークライフバランスのとれる魅力的な職場環境であると思います。
7年目
同世代のスタッフが多いので、仕事に関する事や、プライベートな話題も話やすく、和気あいあいとした部署です。
子育て世代も多く、行事や子供の急な体調不良などでも、お互いがうまくカバーしながら、お休みをいただきやすいのも魅力の1つですね。」また男性でも育休制度を使って育児に参加するなど、ワークライフバランスのとれる魅力的な職場環境であると思います。
1年目
私は、入職後は不安もありましたが、新人教育が病院内だけでなく法人全体でも実施されており基礎的な知識をさらに学ぶことができました。
また毎週のミーティングで、他職種との情報共有をする機会もあり、訓練内容や今後の方針について質問や相談がしやすい環境だと感じています。
ますます臨床に対して自信を持って接することができています。
私は、入職後は不安もありましたが、新人教育が病院内だけでなく法人全体でも実施されており基礎的な知識をさらに学ぶことができました。
また毎週のミーティングで、他職種との情報共有をする機会もあり、訓練内容や今後の方針について質問や相談がしやすい環境だと感じています。
ますます臨床に対して自信を持って接することができています。
いかがだったでしょうか?
言語聴覚士は直接人間の見えない部分の問題を解決することが多いです。
そのため様々なスタッフと安心して議論や相談できる場があることがスキルアップに繋がります。
そして
医療の現場で日々緊張感をもって活躍をしている言語聴覚士にとってフレキシブルに働ける環境は、その能力を最大限に発揮するために大切な部分です。
「話す」「聞く」「食べる」のスペシャリストの私たちだからこそお互いに「話す」「聞く」(そして「食べる」も)が安心して行え、切磋琢磨できるイキイキとした職場でありたいと考えています。
そして、地域の皆さんの健康にますます貢献できれば幸いです。
最後まで読んでくださりありがとうございました。